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大人のたしなみとたのしみ

茨城県立図書館で「知の探究セミナー」という参加無料の催し物がある。
昨年で第3回「落語の広場」、水戸落語研究会(社会人落語)の皆さんが
古典などの落語を聞かせてくれるというもの。
(写真はすべて第4回2024年のものです。2024年はブギウギバンドも登壇し、賑やかなお祭りムードを添えていた)
声のパフォーマーだが、落語をやる方はラジオドラマに興味がないかもしれない。
でも、TVドラマにも落語家さんが、悪代官やら、会社の偉い人などの役で沢山出演しているし、やってくださる人が見つかるかもしれない。
「落語の広場」、行くことに決めた。
事前研究としてyoutubeなどで学生さんの落研などの動画をいくつか見た。「こんな感じ?」というそのイメージをもって水戸にある県立図書館へ足を運んだ。
久しぶりに行った県立図書館は
星乃珈琲カフェが入る素敵な知的空間に変身していてびっくりした。
中にある164名収容できるという天井の高い、立派な大空間「視聴覚ホール」で落語会が行われた。
5名(女性も1人!)の社会人落語家のかたが、
次々に面白い噺を披露してくれる。

(敬称:省略させていだきました)

もっていった学生の落研イメージはすぐさま異次元へ飛んで消滅した。
社会人力は、メッチャすごかった!のです。これはいったい何ゆえ?なんだろう。

「落語が好きで仕事をしながらもやっている」という、時間をかけてゆっくりと熟成発酵が促されたうまみと、コトコト煮込まれた人生の経験値、落語愛の強さも、ひとつまみ投入、でしょうか?

でも、ふと思い至る。これは大人の嗜みに共通することかもしれない。
例え、他人がなんと言おうと(言われようと)永く変わらず面白いと思えて、好きでやっていられること。
それを手に入れると、人生は味わいが深まる。
その年齢ごとの色変わり、味変わり、枯れたワビサビまで楽しめ、きっと見る景色も違ってくるだろう。
仕事をしながらでも大人の嗜みをたのしむ、そんな覚悟のある社会人パワーをひしひしと受け取れた。

終了後に、一番気に入った落語家さんにダメモトでチラシと名刺をだしてお声をかけてみる。
「あの、私、こーゆーもので、ラジオドラマ作りたいと思ってますが、ラジオドラマにご興味ありませんか?」
私の想定問答シナリオでは、ここで
「ラジオドラマぁ? うーん……(渋面)」だったのだが、そのお方は間髪入れず、はっきりくっきりとしたお声でにっこりと言われた。

「あります! 出演料?いりませんよ」

え!‼︎ お姿に後光がさしてました。
拝みそうになりながら、
「本当にいいんですか?」という
無粋な言葉は、ごくりとのみ込んだのだった。

あとで知ったのだが、
「二松亭ちゃん平」さんは、地元ではものすごく有名なかたでした。
現役の学校の先生でもあり、第三回社会人落語日本一決定戦優勝、 第五回落語国際大会優勝など 数々のアマチュアの落語コンテストで 賞を獲得されているキラ星のような社会人落語家さんだった。無知ということは惧れをも知らないということ……。でも、この稀有なご縁を生かせる作品を作りたい! 私の中で落語風のお話が広がってきた。

一年がたってしまったのですが、
2024年10月5日(土)にそのお話を公開します。
10分くらいのショートドラマです。
二松亭ちゃん平さんの熱演を聞いて楽しんでいただければ、最高に嬉しいです。

「青木ドナ ラジオドラマの部屋」
いばらき推し、第1弾「ロウバイ夢語り」

https://www.youtube.com/@%E9%9D%92%E6%9C%A8%E3%83%89%E3%83%8A

2023年、私はこの勢いにのって、
ふらふらっと「朗読スタジオ」という
カルチャースクール(と、勝手に認識した)に
申し込みをしてしまっていた…。

あえて、再び言います。
無知とは惧れをしらない、ことなのだ!



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