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納得して暮らしたい!@designship2019<中編>
(前回のあらすじ)
大きな会社でデザインをするうちに、誰のために何のために働いているのかよく分からなくなり、逃げ出す様に会社を辞めた青木。
TENTを設立し、自分で作った商品を梱包発送するうちに一人ひとりのお客さんと向き合うことができ、大切な贈り物を作るようにモノづくりをするという原点を思い出した。
さらにクライアントワークでも、モノではなく全てに関わる機会をいただくうち、全ての仕事で大切な贈り物を作るようにモノづくりできるようになり、充実した毎日を送るのであった。
ところが。
はい、ということで、充実した日々を過ごしていたわけですが、フツフツと、ある気持ちが湧いてきてしまいます。
何か新しいことがしたくなった!
したくなってしまったんです。
それで始めたのが idontknow.tokyo(アイドントノウ)という活動です。
それぞれ個別に活動するデザイナーが週に一回集まって、何か作るぞ!というものです。
(詳しくはこちら)
この活動の、一番の特徴は
誰の意見も聞かない!リサーチもしない!
自分たちが満足できるものを
締め切りも決めずに自腹で作る。
自分たちが欲しいだけかもしれないものを、100%自分たちの責任で作って販売することにしたんです。
("作りたいもの"ではなく、"欲しいもの使いたいもの”です。ここ大事)
第一弾商品がこちら
ありふれたA4コピー用紙をスマートな仕事道具に変える。僕たちが今でも毎日使っている、アイデアを出すための究極の道具です。
そして第二弾商品がこちら
白と黒だけの極限までミニマルな要素ながら、深いゲーム性を持つ、ルールから完全オリジナルで考えたボードゲームです。
(誕生秘話はこちら)
そして第三弾がこちら
一見シンプルなトートバッグなんですけど、一瞬でリュックになる手品みたいなバッグです。
これらの製品も、もちろんデザイナー自ら1つ1つ発送しています。
そしてそれだけでなく、自分たちでWebコンテンツを作成して発信。まずはどこのお店にも展示会にも出さず、Webだけで直接販売することにしました。
それが、こちらのWebなんですけど、、
コンテンツなんて言いましたけど、単に写真と文字を並べただけのもの。(スライド、本当はスクロールしてます)
とにかく長い、そして顔出しで語っています。
自分たちが、どんな経緯でどんな思いでこれを作ったのか。実際にどう使っているのかを、格好つけずに赤裸々に語り尽くす、膨大な長さの記事を作成したんですね。
最初は「誰がこんなに長いページ読むんだろ」と思っていたんですが、SNSで次々とシェアいただくことができて
信じられないくらい沢山の人に買っていただけました。
と「僕たちすごいな」「やばいな、全部ヒットするじゃん」なんて、天狗になって慢心していたら
Twitterで、イジられてしまいました。
これ、見たことある方いますかね?
昨年Twitterでちょっと話題になったものなんですけど「なんでデザイン系の男性の見た目ってこういう量産型クリエイティブ男性みたいな方向に収束するんだろう」って。
これ、一番右側にいるのが僕です。
#量産型クリエイティブ男性 って!
調子に乗るもんじゃ無いですね。とほほです。
さて
量産。これって、プロダクトデザイナーにとって大切な言葉です。
心から良いと思って作ったものを、自分だけでなく、他の人にも使ってもらえる。
僕がここまで「量産」に思い入れがあるのも、小さな頃のある思い出がありまして。
実はうちの父はフリーランスのプロダクトデザイナーだったんですけど、これ、父が設計/デザインした弁当箱です。
僕は毎日、父が考えた弁当箱に入った、母が作ったご飯を食べていたわけです。
当時は何とも思ってなかったんですけど、最近になって「あれ、なんだかよかったなあ、ああいうことができたらいいなあ」と思うようになりました。
そして、こんなものを作りました。
鉄フライパンなんですけど
こんな感じで、取手を外してお皿として使えます。
焼きおにぎりも美味しい。そしてパンですよ!どんなトースターよりも美味しく焼ける自信があります。ぜひ食べて欲しい。
パスタも作ったものをそのまま机に出して食べられる。
焼きリンゴなんかも美味しいんですよ!
これ、僕のこどもたちの写真なんですけど、
こんな風に毎日、家族が喜んで使ってくれる。
そして
インスタグラムなんかで #JIU10 を見ていただけると、沢山の方からフライパンジュウで作った料理をアップしていただけてます。
自分が心から良いと思って作ったものを、多くの人に使って喜んでもらえる。
実はつい先日、アメリカのキックスターターで350%達成しました。
自分が心から良いと思うものを世界中の人に使ってもらえて喜んでもらえる。ほんっとうに幸せなことです。ありがたい。
ということで。父が作った弁当箱。僕が作ったフライパンジュウ。どちらも量産品です。
僕にとっては「量産」っていうのは、小さな暮らしから、世界中の人へ、幸せを広げていくための1つの方法です。
量産って本当に素晴らしいなあ。と思うあまり
亮作じゃなくて、量産に改名したろかなと思う今日この頃です。
さて、盛大にスベりましたけど、
この辺で少し真面目なお話をしますね。
僕たちTENTが「デザイン」する前に考えている2つのこと
<後編につづく>