![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/166608252/rectangle_large_type_2_022f63309d99e54629cc7ae67bb9a2e1.png?width=1200)
熊本に行きたくなる日記
早く起きれたら阿蘇山に行こう。大体そう思う時は起きれない。案の定、目を覚ますと朝の9時半で、今から準備したところで2時間程度しか観光できないことがわかる。プラン変更。熊本市内を散策しよう。まずは熊本城かな、その後水田寺公園に行って、川の下の方行って、どこかでタイピーエンを食べたいな、餃子も食べたい…とノロノロ考えながらゲストハウスの部屋を出た。
玄関を出る直前に、ゲストハウスの主人がカウンターにいることに気づき、朝の挨拶をする。コーヒーを淹れてくれるとのことで、ありがたく頂く。プラン変更。コーヒを飲みつつ、お互いこれまでにどんな仕事や選択をしてきたか話す。「とてもアクティブな生き方をされているゲストを見て、羨ましいと思いつつ、じゃあそれが自分にできるかって考えると出来ないわけで。そのゲストは自己管理が出来ているってことなんでしょうね」とこぼした言葉に、深く納得した。自己管理。確かに自分の人生や選択をすべて自身で管理できている人は輝いている。私はどこまで管理できるんだろうかなと考えながら、ゲストハウスを後にした。「行ってらっしゃい」と送り出してもらい、きっと私は近い将来もう一度ここに泊まるんだろうなとなんとなく思った。
別に深い関心があるわけではなかった熊本城が想像以上に見所があり、1時間で回れる所を3時間かけてしまった。タイピーエンの美味しいお店を聞いただけが、ガイドの旦那と結局えらい長い間話し込んでしまったからだと思う。教えてもらったタイピーエンの名店に足を運ぶと、40分待ちと言われてしまった。有名店のタイピーエンを食べるために30分以上待つほどグルメじゃないし、私の人生はそんなに長くない。チンチン電車に乗って、水田寺公園に向かう。「どこのも変わんないけど、公園前のいきなり団子が私は好きですね」とガイドの旦那に教えてもらったので、それ目当て。猫が猫を追いかけて浮く姿を見ながら、店先のベンチで団子を頬張る。下層に蒸したさつまいもが入っていて、食べていくうちに甘さがじんわりと身体に溶け込み心地よい。水田時公園をひとしきり散歩し、芝生に寝転んでいる海外の方を見て「あぁいう楽しみ方ができるのは羨ましいな」と横目に、次なる目的地を目指す。
目当ての本屋さんを堪能して、ゲストハウスの最寄り駅まで歩いて帰ってきた。25分ほど夜道を歩くと欲しくなるもの。それは米焼酎。Googleマップにピンを立てておいた町中華の店に入るとお客さんは誰もいなくて、居心地の悪いような良いような複雑さを消すために餃子と焼酎を頼んだ。タイピーエンを今度こそ、と思ったのに後から入ったお客さんが漏れなく全員皿うどんを頼むもんだから同じものを注文してしまう。地元の人がこぞって頼むメニューに間違いはない。席に運ばれた皿うどんは焼きちゃんぽんの見た目をしていて、ちょうど良い油加減がやっぱり間違いなく美味しくて、それはもう勢いよく食べてしまう。残り二口となったところで我に帰り、味変のためにお酢をかけた。女性がイチコロになる味に大変身。横に座っていた、常連らしき強面の男性が七味をかけていて「次は七味ね」と熊本に再訪する未来の自分に約束。最後の一口を頂く。くは〜、おいしかったぁ。