【timelesz project/タイプロ】候補生に求められる「グループに対するリスペクト」とは?
はじめに
timelesz project episode 01が公開されて一週間が経ちましたね!
私が想定していた以上に話題になっていて、「今日見始めた!」って人もいまだにたくさんいて、びっくりしています。(Netflixってすごい!)
そんな中で、そもそもtimeleszが新しい仲間に求めている、「グループに対するリスペクト」っていうのがどういうものなのか?
もちろん、今後のエピソードでより掘り下げていくとは思いますが、今まで彼らを応援してきた身としてはもう少しニュアンスが伝わればいいなと思い、この記事を公開するに至りました。
まず前提として、私自身の彼らの応援歴も明記しますが、私は2017年の11月28日に放送された、「日テレ系音楽の祭典 ベストアーティスト2017」内の企画コーナーでの、Sexy Zone×モーニング娘。17によるLOVEマシーンのコラボパフォーマンスを見たことによって、明確に彼らのファンになり、以降誰かひとりを担当(≒推し)として絞ることもなく、グループのファンとして応援をし続けてきました。
(「明確に」とあえて記載しているのは、2017年春頃からなんとなく予兆があり、年末のこのコラボによって「あ、好きだ」と自分自身が認識したという理由からです。)
そんな私なので、デビュー当時の空気感や事務所の「Sexy Family構想」に巻き込まれた時代を経て、Sexy Zoneが5人の活動に戻る2016年あたりまでの過程を、リアルタイムで目の当たりにしているわけではありません。
なのでこの記事では、あくまで私が向き合ってきた歴史をメインに綴っていきたいなと思います。
また読み進める中で、「自分の認識と違う!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまで私の目から見えていた6年半の歴史だということをご理解いただけますと幸いです。
(シンプルな事実誤認などがありましたらご指摘いただければと存じます。)
「Sexy Zone」の基礎知識
まず、timeleszの3人が10年以上活動してきたグループである「Sexy Zone」の基礎知識を共有できればと思うのですが、Sexy Zoneとは
佐藤勝利(さとう・しょうり)
中島健人(なかじま・けんと)
菊池風磨(きくち・ふうま)
マリウス葉(まりうす・よう)
松島 聡(まつしま・そう)
の5人で結成され、2011年に旧ジャニーズ事務所からデビューをしたアイドルグループです。
平均年齢14.4歳という、いまだに歴代の事務所内グループでも最年少記録となっている衝撃の若さでデビュー。
Jr.としての活動歴も、一番長いケンティーと風磨くんでたったの3年、一番短い聡ちゃんは1年も経っていないというような状況でした。
上記のメンバーの記載順は、公式サイトなどで用いられていた並びなのですが、はじめにセンターの佐藤勝利+あとは入所順(年齢順とは少し異なる)という、そこだけとっても”佐藤勝利ありき”で作られたということがわかるグループでした。
そんなSexy Zoneというグループは、さまざまな要因から”シンメ”に対する信仰が異様なほど強いグループで、ケンティー&風磨くんの「ふまけん」、聡ちゃん&マリウスの「聡マリ」、その真ん中に勝利くんがいるという構図を本当に細かいところまで徹底しているところが、デビュー組のグループとしてはかなり特異な部分だったかと思います。
また彼らには、2014年に事務所の方針で勝利くん・ケンティー・風磨くんの3名を「Sexy Zone」の中心として活動し、マリウス・聡ちゃんはそれぞれ当時のJr.と一緒に「Sexy 松」「Sexy Boyz」として活動するということが発表され、5人で活動することができなくなってしまった時期がありました。(=Sexy Family構想)
しかし多くのファンや本人たちにとっては「5人で活動したい」という気持ちが強く、2015年に再度5人グループとしてのSexy Zoneの活動を行うことになりました。
(2014年より前、そして5人に戻ってからもしばらくはこの「Sexy Family構想」の影響を受けたグループということは認識しています。しかしながら、私自身がリアルタイムで見た時間はとても少ないので、ここだけに事実ベースで記載しております。)
という基本情報を踏まえた上で、下記が私の見てきた彼らの歴史です。
【2018年】全力疾走するには、歯車が噛み合い切っていなかった
<5人の年齢>
佐藤勝利 21歳→22歳
中島健人 23歳→24歳
菊池風磨 22歳→23歳
マリウス葉 17歳→18歳
松島 聡 20歳→21歳
2018年前半のSexy Zoneは「リブランディング+課題の改善で”ポスト嵐”の座を狙う」というような雰囲気だったと思う。
最年少のマリウスが誕生日を迎え18歳になり、それまでの22時までしか活動ができないという制限が解除された。
そしてその時を待っていたかのように「24時間テレビ 愛は地球を救う41」のメインパーソナリティーとしてSexy Zoneが起用されることが発表になった。
2月には「XYZ=repainting」という「今までの自分達がやってきたことも大事にしながら、新たな色を塗り足していく」というテーマのアルバムを発表。
収録されている曲は、それまでのSexy Zoneから考えるとかなり挑戦的なものが多く、王道キラキラのイメージが強いグループを、いかにリブランディングしていくかというところに重きを置いていた。
春からはアルバムを引っ提げた「SEXY ZONE repainting Tour 2018」を開催。
アルバムの中で一番、今までのSexy Zoneから考えると“挑戦的”な「Unreality」をオープニングナンバーとして据え置いたライブ。
前年度の5周年コンサートで演出として参入した風磨くんが、引き続き演出を担当していて、今見ると荒削りな部分もあるけれどメッセージ性の強い作りがとても魅力的なコンサートだった。
(今でも変わらず、グループでは風磨くんがコンサートの演出を担当しています)
ただし当時の彼らは、グループとしてテレビ出演することも少ない…ということもあり、MCトークなどはまだまだ未熟で、話があっちに行ったりこっちに行ったり…ということも多く、それがSexy Zoneらしいかわいらしさではありながらも、グループとしての課題とされていた。
24時間テレビでは、情報や感想を正しく端的に伝えるという力が必要なこともあり、メインパーソナリティーへの起用が発表されて以降は、ライブMCや告知の短い動画などでも、年少組の聡ちゃんとマリウスが考えていることを正しく伝えられるように、年長組のケンティーと風磨くんが指導を行う場面がよく見受けられていた。
また、同時期に24時間テレビに先駆けて、日本テレビにて「Sexy Zoneのたった3日間で人生は変わるのか!?」(通称:Sexy冠)という、グループ初の地上波での冠番組が3回放送。
この番組も、グループが24時間テレビを成功させるため、そして個々がテレビスターとして活躍するために、今の課題を改善し、伸ばしていこうというような趣旨で構成されているものだった。
この当時のテレビスターといえば、事務所の先輩である「嵐」だった。
Sexy Zoneにとって「嵐」はメンバーの人数が同じということだけでなく、2017年・2018年と「嵐のワクワク学校」の助手として続けて抜擢されたことなどから、この時期は特にファンも本人たちも「嵐」という存在を意識せざるを得ないような状況だったなと思う。
アルバムに収録された「O.N.E ~Our New Era~」という、メンバー自身が作詞している楽曲でも、「嵐を越えていけ」という歌詞を盛り込むなど、かなり強気なことをしており、Twitter(現X)でも、Sexy Zoneがポスト嵐になるのではないか、という言説が増えていっていた記憶がある。
「24時間テレビを頑張って成功させれば、次世代の嵐のようなグループになれるかもしれない」という想いから、5人は毎日を全力疾走していた。
グループとしてまだ未熟で、どこか危なっかしさを内包しながらも、ギラギラとしている彼らはとても魅力的だった。
しかし24時間テレビが無事に終わると、グループ仕事は激減した。
個人仕事の面では、ケンティーがドラマに主演、ぐるナイのゴチのレギュラーにも選ばれ、映画にまで出演していて、本当にいろんなところでグループの顔として活躍してくれていた。
しかし他のメンバーの個人仕事はほとんどと言っていいほどなく、グループとしてはラジオの告知コーナーでもそもそも告知できることがない、という、バブルが弾けたような苦しい時期が続いた。
そんな状況だった11月28日。
聡ちゃんが、突発性パニック障害の療養で休養することが発表された。
今の聡ちゃんからはあまり想像がつかないかもしれないけれど、休養前、特に24時間テレビ前後の聡ちゃんからは、なんとなく焦りみたいなものが感じられていた。
求められる姿でいなきゃいけないと思っているような雰囲気で、自分のことを卑下する発言をすることも多々あった。
そんな時は、いつもマリウスが「聡ちゃんは聡ちゃんのままで素敵だよ」と声をかけていた。それでもこうなってしまった。
この発表を聞いた時に私は、掲げられた高い目標に向かって5人で全力疾走するには、聡ちゃんの心が整い切っておらず、重要な歯車がしっかり噛み合い切っていないまま走り続けてしまったんだなと思った。
以降、他の4人は聡ちゃんの心のケアを最優先し、表で聡ちゃんの話をすることはほとんどなくなった。
【2019年】一度立ち止まって、振り返る
<5人の年齢>
佐藤勝利 22歳→23歳
中島健人 24歳→25歳
菊池風磨 23歳→24歳
マリウス葉 18歳→19歳
松島 聡 21歳→22歳
聡ちゃんを除く4人としての活動が始まり、3月に"人生の1ページ"をコンセプトに、生きていく中でのさまざまな感情や形式を切り取る、ということをテーマにした新アルバム「PAGES」がリリース。直後に同アルバムを引っ提げたツアーも開幕。
「Photo(写真) Album(アルバム)Gathered(集めた) Emotions(感情) by Sexy Zone」の頭文字からなる「PAGES」は、一度立ち止まって人生のアルバムを振り返り、喜怒哀楽いろんな感情を思い出した上で、また新しい1ページを作る、という意味合いを持っていた。
ステージにも大きなアルバムのセットが置かれ、それが開く形でコンサートが始まる。
今考えても、メンバー全員が20代(しかもほぼ前半)というタイミングでやるコンセプトではないなと思う、けれどこのコンセプトがハマってしまうほどの経験を、Sexy Zoneは重ねてしまっている状態だった。
一度は全力疾走した彼らが、立ち止まってしまうほどに。
挨拶で、風磨くんが「寂しいと感じなくなってしまうことが一番寂しい」と言い、ラストナンバーに、辛さや苦しさや泣きたい感情を肯定する「CRY」という曲を選んで、どこにもぶつけられない感情を、みんなで共有できる、そんな空間が「PAGES」のコンサートだった。
この年はグループでのお仕事はほとんどなかったけれど、一度だけ、24時間テレビの前にやっていたSexy冠を、4人でやらせてもらえる機会が訪れた。
前回までと異なり合宿形式ではあったが、個々に(ふまけんは2人で)与えられた課題をやり切る、というのは引き続き変わらずというものだった。
そんなこの番組内で4人によって、今後のグループをどうしていくかという話し合いが行われた。
個人の色は濃いが、グループでまとまりきれていないこと、グループでの歩み方への悩みや葛藤を吐露しあい、もっとラフに話し合いをしようと決めた。
番組の中で、マリウスはSexy Zoneでドームコンサートをする夢を語った。
個人の仕事も引っ張りだこ…というわけではなかったけれど、皆それぞれ、いただいたお仕事は懸命に頑張っていた。
ケンティーはクビになる12月までゴチにレギュラー出演をしていたし、風磨くんが今「ニノさん」に出演することにつながっている舞台「ハムレット」もこの年だった。
勝利くんは映画とドラマが連動した「ブラック校則」に出演し、マリウスも「ナゾトレ」などバラエティ番組で爪痕を残していた。
しかし、やはりグループとしてはなかなか軌道に乗せることができず、この年にデビュー時から続いていた紅白歌合戦への連続出場記録が途絶えた。
2018年3月にNHK総合の「ニュース シブ5時」のレギュラー出演が、そしてこの年の3月にNHKラジオの「らじらー!サタデー」のレギュラー出演が終了し、Sexy ZoneとNHKのパイプが薄くなったことが大きかったのだと思う。
このままどうなってしまうのか、先が見えない不安を抱えた1年だった。
【2020年】流行病による番狂わせが起こした奇跡の4ヶ月間
<5人の年齢>
佐藤勝利 23歳→24歳
中島健人 25歳→26歳
菊池風磨 24歳→25歳
マリウス葉 19歳→20歳
松島 聡 22歳→23歳
2月に”Sexy Zoneが送る日本のポップソング”をテーマにしたアルバム「POP × STEP!?」をリリース。
3月からツアーも予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大により、度重なる延期を繰り返して全公演中止になった。
そんな最中、レーベルをポニーキャニオンから、事務所とユニバーサルミュージックが共同で設立した「Top J Records」に移籍することが発表され、移籍後初のシングル「RUN」を発表。歌番組でも披露された。
止まらないで 止まらないでよ 僕らはまだ始まったばかりさ
途切れないで 途切れないでよ このまま夜が明けてゆくまで
太陽はきっと きっと この闇を 照らすはずさ
意図せずして、新型コロナウイルスの脅威が広がり先の見えない不安な心に響く歌になった。
4人で活動しはじめて、もう1年以上経っていた。
そんなグループにも、なんだかこの曲が良い何かをもたらしてくれる気がした。
そう思ったのはファンだけじゃなく、メンバーもそうだったと思う。
そんな気持ちを高めるかのように、スカパー!オンデマンドにて「Sexy Zoneの進化論」(通称:セクエボ)という、有期の冠番組の配信が始まった。
正直シュールで変な番組ではあったのだけれども(笑)、Sexy Zoneのグループとしての面白さを活かしてくれていて、グループ仕事がほとんどない状況が続いていた身としては本当にありがたかった。
以前放送されていた、ファンから大人気だった冠番組の「Sexy Zone CHANNEL」を彷彿とさせる部分もあり、みんな毎回配信を楽しみにしていた。
自粛期間以降、それ以外のグループ活動としては事務所の配信ライブに出演したり、支援活動の楽曲に参加したり、手洗いの歌を歌ったりなどをしていたけれど、8月5日に一度発売日が延期となっていた「RUN」がようやく発売。
そして8月12日。
「RUN」が呼び寄せたかのように、聡ちゃんが復帰することが発表された。
復帰した聡ちゃんは、憑き物が落ちたような顔をしていて、誰よりも優しく、だけど凛々しく、何があっても自分の信念を曲げない。
ひとりの人間としてとっても魅力的になっていた。
9月には日本テレビの「THE MUSIC DAY」にSexy Zoneの出演が決まり、5人で「RUN」を披露することになった。
君がいなきゃ何も始まらない 合わせた手と手 掲げろ
ケンティーが「聴けば誰かの応援歌、歌えば自分の応援歌」と紹介したこの曲。
未知のウイルスの感染拡大で摩耗する心に響いていたはずの曲が、今度はこの日のために書かれたかのような歌詞に聞こえた。
そして、5人が並んだ時の高揚感と最強感。
やっぱり5人じゃなきゃ嫌だって強く思った。
この日の「RUN」のことを、勝利くんは後日こう記している。
あの日、5人で『RUN』を歌えたことは、当たり前のようで、当たり前じゃなかった。でも夜が明けたら、いつもと変わらない日常がやってきて。1年と9か月、待ちに待った日が来たというのに、普通の朝だし、街に祝砲も鳴り響いてなかった!
「そりゃそーだ(笑)」と思いつつ、テレビやネットを見ると「ついに5人で歌唱!」なんてニュースになってて。今度は「えらい大ゴトになってるなぁ」なんて他人事みたいな気もして。あの日にたどり着いた気持ちは、まだうまく説明ができない。ただ、オレの人生は、オレだけのものじゃないんだなって思った。
やっと5人に戻ることができた。
聡ちゃん本人だけでなく、ずっと待っていたメンバーにとっても特別なパフォーマンスだった。
その後、久々に5人が揃ったシングル「NOT FOUND」のリリースが発表。
そして中止になっていた「POP × STEP!?」のコンサートを、10月に3日間だけ配信ライブとして行うことが決定し、そこに聡ちゃんも少しだけ参加することになった。
新型コロナウイルスが流行したことによって、5人で実施できるコンサートとなった。
一気にグループに追い風が吹いてきた。
コロナで世の中の状況は最悪なのに、5人が揃った姿を見ていると「未来めっちゃ明るいじゃん!」って思えた。
「Sexy Zone POP×STEP!? TOUR 2020」の配信ライブは完成度がとても高かった。
聡ちゃんが参加したパートは一部だったけれど、5人でパフォーマンスしている時が一番グループ全体が輝いて見えた。
5人も5人でいられて、本当に幸せそうだった。
新曲の「NOT FOUND」も披露された。
「RUN」が表なら「NOT FOUND」が裏というような感じで、自分達が置かれてきた状況を皮肉たっぷりに歌った曲だった。
誰でもないよ 誰でもないんだ 自分で望んだ世界だ
一握りの可能性を 逃さないように
叶えたいんだよ 少年だった僕らが夢見た未来を
胸に宿る情熱を絶やさぬように
そしてライブのラスト、5人で「RUN」を披露した。
5本の花道、そこに伸びていくメンバーカラーを走り抜ける5人。あまりにも美しすぎる画だった。
ダイジェストの方では映っていないけれど(今更だけどなんで?)、円盤収録された最終公演では聡ちゃんとマリウスがべしゃべしゃに泣いてしまっていて、5人で肩を寄せて支え合っていた。
FC限定で配信されたアフタートークでも、5人がぎゅっとくっついて(というかもうお互いの上に乗っかったり転がったり密着してやりたい放題)本当に楽しそうに笑い合っていて。
やっぱり5人がいいって思った。
思っていたけれど。
約1ヶ月後の12月2日。
マリウスが体調不良で休養に入ることが発表された。
体調不良の詳細は、心身のバランスを崩したということだった。
マリウスは2018年に大学に入学し、学業と両立しながらグループの活動をこなしていたことは知っていたけれど、その中身がどんなものだったか、それまでファンには明かされていなかった。
海外にルーツを持ち、第一言語も日本語ではないマリウス。
4ヶ国語を話す彼は、国際問題や社会問題への関心が高く、Sexy Zoneのグッズに、SDGsを意識したアイテムを取り入れてくれたのもマリウスだった。
日本の大学に進学したことは本人の口からも発表され、皆知っていたが、その後スタンフォード大学の授業も、オンラインで受講していたと知らされたのは休養に入ってからのことだった。(がこれもマリウスのママが公表した情報で、公式に発表された情報ではなかった)
そこに日本での芸能活動も、となると明らかにキャパオーバーだったのだ。
彼はいつも、みんなを幸せにしたいと言い続けてきたけれど、学習意欲が高い彼にとって、その手段が芸能活動である必要はあるのだろうか?
マリウスならもっと違う形でも、人々を幸せにすることができる、そういう人なんじゃないだろうか?
「5人がいい」そう願う強い気持ちと、マリウスが人として健やかに生きるためにはどうするべきなのか、とひとりの人間の幸せを願う思いが、心の中でぐしゃぐしゃになった。
いろんな考えを巡らせながらも、5人で活動できた奇跡の4ヶ月間を胸に、再び完成形ではない4人で活動する姿を目の当たりにする日々が始まった。
【2021年】コロナ禍で迎えたもどかしい10周年、菊池風磨旋風が巻き起こる
<5人の年齢>
佐藤勝利 24歳→25歳
中島健人 26歳→27歳
菊池風磨 25歳→26歳
マリウス葉 20歳→21歳
松島 聡 23歳→24歳
2011年にデビューしたSexy Zoneは、この年に10周年イヤーを迎えた。
10周年といえば、アイドルグループとしては中堅に差し掛かる年次ではあるけれど、休養中のマリウスを含めまだ全員20代だった。
そして、グループとしてのドームコンサートも、まだ一度もできていなかった。
1月に、10周年記念のベストアルバム「SZ10TH」のリリース決定が発表。
リード曲である「RIGHT NEXT TO YOU」は、全編英語詞ということが話題になり、MVが公開されると音楽畑の人にも言及される機会が一気に増えた。
全編英語詞の楽曲自体は、レーベルを移籍してから、グループとしてカップリングで積極的に取り組んでおり、そのどれもマリウスがいることの強みが活かされていた。
そのマリウスがいない状態で、この楽曲を成立させた4人を見て、強くたくましくなったなと感慨深い気持ちになった。
3月からは、2年ぶりに有観客でコンサートツアーが実施できた。
感染拡大防止措置のため、客席は50%しか埋められず、マスク着用を義務付けられ、声出しは一切禁止のコンサートだった。
本編の最初に、ひとりの老父(おそらく、何十年後かのマリウスをイメージしている)が5人の少年に「Sexy Zone」の思い出を書いた日記について語る映像が流れる。
「5人は今でも仲良し?」と尋ねる少年に「彼ららしく、今でも仲良しだよ。」とおじいさんは答える。
Sexy Zoneは、自分たちの意思ではなく大人によって集められた子どもたちのグループだったために、いわゆる仲良し友だちグループというような関係性では全くなかったと思う。
しかし、デビュー当時まだ幼かった年少組のことを年上組が面倒を見ていたこともあり、全員が成人してからも家族や兄弟のような空気感がいまだに存在していて、お互いに守り守られ、確かに「彼ららしく」ずっと仲良しでい続けていたのだった。
コンサート序盤は、10年間で実施してきたコンサートをひとつずつ遡る形で、演出やステージセットまで再現して振り返る。
そこからはひたすらファン人気が高い楽曲や企画をギュッと詰め込んで、声は出せないけれど10周年を思う存分にお祝いさせてくれた。
そして後半、マリウスのソロ曲である「all this time」が4人によって歌唱された。
いつも 難しい 存在意義とか
キミを笑顔にすることから
始めていいかな?
遠くに来過ぎて 分からなくなる
楽しかった 思い出さえ
消えてしまいそうで
「5人がいい」という気持ちは、もちろん変わらない。
けれど、休養前に自身でこの歌詞を記していたマリウスのことを考えると、本人が何かしらの決断を下すその日まで、私は見守ることしかできないなと思った。
本編ラストの映像で、「Sexy Zone」の思い出を聞いた少年たちはおじいさんに「僕らもなれるかな、彼らみたいに。」と尋ねる。
それにおじいさんはこう答える。
「「君らしく」いればいいんだよ。」
これはいつもマリウスが聡ちゃんに繰り返し伝えていた言葉で、かつオープニングの「彼ららしく」今でも仲良しという言葉の肯定で、そしてSexy Zoneが「自分らしさ」を大切にしていることの証明だった。
アニバーサリーイヤーのコンサートで、このメッセージを伝えたいと思う彼らのことをとても愛おしく、誇りに思った。
そんなアニバーサリーイヤーの中、個人の活動で風磨くんが世に見つかり始めた。
2020年頃からドッキリGPで話題になり、ジャにのちゃんねる(現よにのちゃんねる)のメンバーにも抜擢、ドラマにも毎クールのように出演。舞台「DREAM BOYS」の主演にまで抜擢された。
24時間テレビ後に仕事が全然なかったことからは考えられないほど、まさに引っ張りだこ状態になった。
が、私自身は各個人の仕事をきちんと追っているわけではなかったので、なんか風磨くんって売れてきている…?と感じるようになったのは、だいぶ後のことだった。
それまでのSexy Zoneは、ケンティーがグループの顔となり看板を背負って、いろんなところで「Sexyサンキュー」を武器に、お茶の間の認知度を高めてくれていたのだけれど、この頃からSexy Zoneのファンだと伝えると、「菊池風磨がいるグループだよね」と言われることが多くなった。
しかしそんな状況でケンティーの人気が落ちるということもなく、火曜21時枠で放送されたドラマ「彼女はキレイだった」(通称かのキレ)は話題になり、新しいファンも一気に増えた。
勝利くんは久々に舞台で主演、VS魂のレギュラーにも抜擢。
聡ちゃんも体調第一優先ではありながらも、ドラマや舞台に出演することができた。
少しずつ、ひとりひとりの成長が感じられるようになったこの年。
だけど私自身としては、最初で最後の10周年、もっとグループの仕事があったらいいのに、と思わずにはいられなかった。
2020年にデビューしたSixTONESやSnowManは、そもそもJr.時代からグループでYouTubeをやっていたし、King&Princeは地上波でレギュラーの冠番組を持っていた。
人気の差だよと言われたらそれまでかもしれないけれど、ファンとしてもどかしさは募っていった。
事務所としても、徐々にインターネットに対しての制限が緩和されてきてはいたけれど、グループでInstagramのアカウントを持つことすらできない。
(ケンティーはかのキレの企画で個人アカウントを設立していたが、あくまで劇中の役としてのもので、放送終了後も継続はできなかった)
Sexy Zoneが、ずっと5人で活動できていたら何かが違ったのか?
「自分たちらしさを大切にする」というメッセージを10周年コンサートで受け取っていたにも関わらず、アニバーサリーイヤーなのに、とどうしても欲が出てきてしまう。
複雑な思いを抱えた10周年イヤーだった。
【2022年】夢のドームツアー開催。今までのハイライトを振り返り、幼年期に別れを告げる
<5人の年齢>
佐藤勝利 25歳→26歳
中島健人 27歳→28歳
菊池風磨 26歳→27歳
マリウス葉 21歳→22歳
松島 聡 24歳→25歳
それまで、Sexy Zoneとしては長く続いていた春のアルバムリリースとツアーの発表がなく、そわそわしていたところに、6月にアルバム「ザ・ハイライト」がリリースされること、それを引っ提げて夏の時期に「セクシーゾーン ライブツアー2022 ザ・アリーナ」が開催されることが決定した。
Sexy Zoneにとって初めての夏のツアー。
コンセプトとしては、80年代〜90年代のトレンド再現に挑戦し、ステージセットにザ・ベストテンのパタパタランキングボードを取り入れたり、80年代のアイドルになったり…
いまだ声出しが制限される中でも、楽しめる工夫が盛りだくさんでありながら、その根底には「夢」というテーマを忍ばせていて、かなりコンセプチュアルでとっても魅力的な作品になっていた。
(私はこのコンサートが歴代最高傑作だと思っているので、見たことのない方は是非円盤で見てみてほしいなと思います。)
しかしコロナウイルスの脅威は彼らを襲い、途中メンバーの感染が立て続き、福岡公演が中止になったり、1人欠員した3人の状態でライブを行ったりもしていた。
そんな中、その時は急に訪れた。
8月14日の公演で、グループ初のドームツアーを12月に開催することが発表された。
デビューから11年、みんなで願い続けて、やっと実現した「夢」の舞台だった。
メンバーの嬉しそうな表情を見ていると、今まで味わってきた苦しい気持ちが一気に晴れていった。
他のグループよりも時間はかかってしまったけれど、メンバーが大人になり、「ザ・アリーナ」のような作品を作れるようになったこのタイミングで、初のドームコンサートができるということも、なんだか誇らしかった。
と同時に、Sexy冠でドームコンサートの夢を語っていたマリウス本人がいないという事実が、とても寂しかった。
5人でドームのステージに立つ姿が、見たかった。
初ドームが発表されてからというものの、メンバーもファンも“その日”に照準を合わせ、感情の昂りを日々爆発させていた。
そして12月、晴れてドームツアーを迎えた。
冒頭ステージに出てきた瞬間、客席を見て号泣する聡ちゃん。
そんな聡ちゃんを見て笑いながらも他3人も興奮しきっているのが伝わってきた。
ファンも「Sexy Zoneがドームに立っている」という事実に感動し、涙を流し、大興奮だった。
時期的に声出しが解禁されてすぐだったこともあり、このタイミングでの開催で本当に良かったなと感じた。
コンサートは進み、終盤一番の山場で「勇気100%」のイントロが流れた。
Sexy Zoneのデビュー衣裳を着たJr.5名が登場して、センターステージで踊り、本人たちはリフターに乗ってフルコーラスを歌う。
まるでデビューしたばかりの、「勇気100%」を歌っていた頃の自分達に語りかけているかのようだった。
そうさ100%勇気 もうやりきるしかないさ
ぼくたちが持てる輝き 永遠に忘れないでね
初ドームコンサートの山場で「勇気100%」を選曲する彼らのセンスにはとても驚かされたけれど、彼らの作るコンサートが好きな理由がここに詰まっているなと感じた。
楽曲自体が素晴らしいのはもちろんだけれど、この曲が歌い継がれてきた意味と、この曲を使って何を伝えたいのかをきちんと考えていないと、セットリストに入れ込もうとは思わないであろう楽曲だからだ。
そしてその後、「ザ・ハイライト」のリード曲である「Forever Gold」で、Jr.5名とメンバーはハイタッチして入れ替わる。
Remember me Lonely Lonely
年を重ね Lovely Lovely
色褪せない日々は Golden Age of wanders
輝いて 今がある
愛すべき Lonely Lonely
胸を打つよ Crazy Crazy
振り返るハイライト 君との Moments
Shining so bright
Shining so bright
Forever Gold
この曲は、サウンドがヴァン・ヘイレンの「Jump」のオマージュになっている。
つまり、80年代に青春を過ごしてきた層が、この曲を聴きながら、過去を振り返り愛おしく思うことに、焦点を当てて創られているのだと思っていた。
しかし、ドームのこの演出によって、「Sexy ZoneがSexy Zoneの歴史を、振り返り愛おしく思う楽曲」へと進化した。
そして挨拶後、ラストナンバーの「Dream」。
この曲は、「夢」がテーマとなっているアリーナツアーから歌い続けていたけれど、内容的には実は別れの曲。
繋いだままで
いれたらいいね
何度離れ離れになっても
慣れない世界で君を見つけて
それだけで何もいらないでしょう
それじゃさよなら
僕らのたわいない日々よ
たとえどこかで会えたとしても
そっと目を逸らして
また歩き続けるでしょう
夢みたいに綺麗に消えて...
この3曲の流れは、今までのSexy Zoneが歩んできた道をハイライトとして振り返り、自分達を称え、5人で過ごしてきた幼年期の自分達に別れを告げているようだった。
苦しいこと、悲しいこと、辛いこと、本当にたくさんあったけれど、全てが輝かしい愛すべき日々だったと。
彼らは自らの困難な人生を、物語として昇華することに長けすぎていると思った。
そして、オーラスの2日後の12月27日。
マリウスの卒業が発表された。
マリウス葉(Sexy Zone)より大切なファンの皆さまへご報告
この度、「ジャニーズカウントダウン2022ー2023」をもって、Sexy Zoneを卒業し、ジャニーズ事務所を退所することにいたしました 。
11歳から人生の半分近くを共に過ごし 、最高の喜びを与えてくれたSexy Zone。そして、応援してくださったファンの皆さんに、心からの感謝をお伝えしたいです。また、今までエンターテイナーとしてのマリウスを応援してくださり、元気な姿で戻ってきてほしいと願ってくださった方々の期待に応えることが出来なかったことは、とても心苦しく思っています。
この2年の間、非常に長く待ってくださったファンの皆さんに、この場を借りてご説明させていただければと思います。
2020年の12月、芸能活動休止に至りました。その主な理由は事務所からご報告させていただいた通り、心身のバランスを崩したことによる体調不良でした。
幼少期をドイツで過ごし、東京に移り住むことにより、文化の違いに戸惑うことも少なくありませんでした。ファンの方々、メンバー、家族、関係者の方々の期待に応えたい、そして皆さんに喜んでもらいたいという気持ちは芸能界に入ったころから強く、期待に応えることが出来たときには、とても強い幸福感を感じていました。
しかし、年を重ね、期待に応えたいと精進するうちに、自分が本当はどんな人間なのか、何が好きなのか、何が必要なのか等わからなくなり、自分を見失ってしまいました。そのような状態で仕事や学業に励むことが困難となり、休止に至りました。
休止発表後、しばらくはドイツで心身医療の専門家のサポートを受け、治療と療養に専念していましたが、その期間が、自分の人生を振り返り、自分と向き合う機会ともなりました。そして、根本的な解決や、芸能界復帰が可能なまでの体調回復には至りませんでしたが、日常生活を取り戻すために、2021年の夏ごろにまず学業の再開から試みることになり、2021年9月にスペインの大学に編入しました。
グループとの強い繋がりは、常に心の支えとなってくれ、そして、僕の復帰を待ち望んでいる方々の想いに応えたいという強い願いがありました。ただ 、日常生活を取り戻す中で、日本に帰国して芸能界に復帰するという未来図が描くことがどうしても出来ずに、葛藤の末、芸能界引退を考えるようになりました。この葛藤をメンバーや事務所に伝え、何度も話し合いをした結果、4人のお兄ちゃんは「マリウスの健康と夢を応援するよ」と言ってくれ、今年の年末に卒業することになりました。
大学では、政治、哲学、法律、経済学や国際弁護の勉強をしています。まずは、無事に卒業することを目標にして、今の夢としては将来、これらの知識を活用し、世界中の困った人たちや国際社会の役に立てる人間に成長していきたいと思っています。
最後に、、、
健人くんへ
健人くんのエンターテイメントやファンの方々に対する情熱と愛情は、いつも僕の背中を押してくれて、エネルギーとなりました 。健人くんは限りない愛と献身を与える才能があり、僕もその恩恵を受けた人間であり、これからもずっとそうあり続けると思います。振り付けの時間が終わった後も、一緒に残って練習に付き合ってくれた健人くんは、いつも僕にとっての一番上のお兄ちゃんでした。いつも見守ってくれて心からありがとう 。
風磨くんへ
Sexy Zoneと仕事に対する思いやりとクリエイティブなところは、ひとりの人間として、そしてアーティストとしての成長に大きな影響を与えてくれました。僕は、風磨くんの人の隠れた才能を引き出し、それを元に美しい演出やパフォーマンスを作り上げる力にいつも感銘を受けていました。風磨くんは、いつも僕を特別な存在として感じさせてくれて、僕が知らない側面にも気づかせてくれました。たくさんの相談に乗ってくれて、僕の力になってくれたお兄ちゃん、心からありがとう。
勝利くんへ
勝利くんの細部へのこだわり、芸術への情熱。そして、周囲の人々や特にファンの皆さんのことを考える姿勢から大きなインスピレーションを受けました。勝利くんは、僕の中にあるアーティスト性との向き合い方を教えてくれ、アーティスト性を更に高めてくれました。勝利くんの強さがいつも支えになっていました。ギターを弾いてくれて、僕に歌わせてくれた、あの瞬間が本当に好きでした。いつも僕の背中を支えてくれて、心からありがとう。
聡ちゃんへ
聡ちゃんの優しさと努力の精神は、僕を奮い立たせ、様々な意味でマリウスという存在を確立する手助けをしてくれました。聡ちゃんが僕のシンメになったことは、本当に光栄なことでした。聡ちゃんがいなければ、僕はここまで頑張れなかったかもしれません。そして、聡ちゃんの言葉や行動があったからこそ、僕は何度も何度も自分を奮い立たせ、最高の自分に近づくことができました。いつも隣にいてくれて、心からありがとう。
ファンの皆さんへ
皆さん一人ひとりがいなければ、今の僕はなかったと思います。皆さんが示してくれた愛、そして僕が受け取った愛は、永遠に僕の心に残ります。アイドルになったことを後悔したことは一度もありません。その理由は皆さんがいたからです。毎回、ステージに立つ前に、皆さん一人ひとりに精一杯の愛とエネルギーを注ごうと考えていましたが、実際には、皆さんからたくさんの愛とエネルギーをもらっていました。
感謝の気持ちは言葉では言い尽くせません。今までの経験は、一生忘れません。 心から愛しています。
Sexy Zone、ファンの皆さんと過ごした年月は、僕のかけがえのない財産です。
Sexy Zoneのみんながより多くの人に愛され、皆さんと忘れられない貴重な時間を末永く共有できることを心から祈っています。これからは、ファンの一員としてもSexy Zoneを応援していきます。そして僕は、日々の生活の中で人々の役に立ち、何かを与えられるよう、自分なりにベストを尽くしていきます。
未来のどこかで僕たちの道が重なる日まで、皆さんの健康と幸せを祈っています。
2022年12月27日 マリウス葉
発表された直後は、本当に寂しくて涙が止まらなかったのだけれど、その反面「ああ、やっぱりか」という気持ちもあった。
コメントを読んで、マリウスが目指す道を理解したころ、やっぱり彼は芸能活動をしなくても、世の中を幸せにしていけるだろうと強く思った。
そして自分のことを見つめ直し、進むべき道を見つけられたマリウスのことも、とても誇らしく思った。
そこからの5日間は怒涛の毎日だった。
発表直後にグループのInstagramが開設が発表されたと思ったら、「5人旅」という言葉と共に、楽しそうな5人の様子が、とんでもない頻度で投稿され続けた。
発表を受けたファンを寂しく感じさせないよう、そして何より自分達が寂しくならないように、一泊二日の長野旅に出て、その様子を投稿してくれていたのだった。
メンバーとファン、みんなで寂しい気持ちを共有し続けてあっという間に旅は終わったけれど、その後も31日までずっと投稿をし続けてくれた。
何よりもファンの気持ちに寄り添ってくれた5日間。
ここに至るまで、度重なる話し合いとすり合わせが行われたのだろうということは、想像に容易かった。
Sexy冠でラフに話し合いをしたいと言っていたことが、この5日間に活かされたんだなと感じられた。
最終日のジャニーズカウントダウンで、マリウスはたくさんの人に見送られ、「これからも僕のお兄ちゃんたち、Sexy Zoneのことをよろしくお願いします!最高のお兄ちゃんたちなので!」という言葉を残し、表舞台を去っていった。
Sexy Zoneを応援してきて、一番幸せな5日間だった。
【2023年】ジャニーズ事務所の終焉と「Sexy Zone」の終わり
<5人の年齢>
佐藤勝利 26歳→27歳
中島健人 28歳→29歳
菊池風磨 27歳→28歳
マリウス葉 22歳→23歳
松島 聡 25歳→26歳
マリウスが卒業して、Sexy Zoneは正式に4人グループとして活動をすることになった。
が、メンバーとしてもファンとしても、マリウスは活動の形を変えて一般人になっただけで、「Sexy Zoneのメンバーは5人」という認識はなかなか変わらなかった。
5人での活動にこだわっていたグループが、4人でもいいと切り替えるのは容易ではなく、また誠実でもなかったのだ。
そんな気持ちを先回りして察してくれたのか、昨年末のドームコンサートの合間を縫って収録していた、5人での東京ドームでの無観客ライブ映像がFCで公開された。
正真正銘マリウスを含めた5人で、ドームのステージに立つことができていたのだった。
そしてそのコンサートの中で、5人で作詞をしたという新曲が披露された。
それが「timeless」だった。
そういつまでも
握った手離さないで
この先の人生(みち)へ
戻れない? もう踊れない?
何度でも 手をとって
どこまでも そうどこまでも
歩き続けるよ
果てしない空を見つめていよう
You are the angel. Forever
今は嘘だっていいから 笑っていたいよ
(中略)
羽ばたいてよ
強く歩んでく
この先の人生(みち)へ
泣いても笑っても
続くよこのJourney
僕らだけにそう見えてる
景色を探してこう
大丈夫 胸張ってそのままで
You are the angel. Forever
どこかであなたが笑ってるそれだけで…
なかなか5人でいることができなかった彼らが、なんとか5人でいようとした事実。
そして、そこから羽ばたいていく弟を優しく送り出す決意。
それが曲となって遺されたのだった。
それからあまり時間を空けることなく、年末の5人旅の様子も公開された。
映像の中で、5人は子供に戻ったかのようにはしゃぎ切ったあと、このタイミングで言わなければもう放つことができなくなる本心を、涙ながらに明かしていた。
すげえ寂しいんだよな 本当は
でもいいと思うんだよな それで
すっげぇ楽しかったから
だからいいんじゃねえかなと思うよ 俺は
会えてよかったよ
遊べてよかったし 歌えてよかったし
「マリウスのこと応援して背中押したんですよ」
「マリウスも俺らのこと応援してくれてるんですよ」
っていうのはそりゃ言うよ
だって俺らが倒れちゃったらさ
誰も付いて来れなくなっちゃうじゃん
だから前向きなこと言うしかねえけどさ
でもないものになる訳ないしさ
道を分けて違えて歩んでいくっていうのも
またこれも俺達だから
それは別にいいんじゃねえかな 寂しくて
Sexy Zone 5pecial Trip -Complete Edition-より
菊池風磨コメント
今までずっと強がってたのか分からないけど
悲しい所とか辛い所とか
メンバーに見せたくないなって気持ちがすごいあって
でも本当は…本当はすごい辛くて
でも辛いだけじゃないんだよね
楽しいから みんなで笑顔でいられるから
より辛いんだよね
本当にSexy Zoneに出会えて運命だと思ったんだよね
会ってなかったらまじでどうなってるか分かんない
治療の時とかも 暗い時とかも 苦しい時とかも
みんなに会いたいって気持ちはあって
それで救われた所ってすごいあるから
これからもきっと ずっと ずっと ずっと
救われるんだと思う
こういう人達に出会えてまじで
ほんとに幸せどころか 一生の宝物ですよね
これからは自分の道を進むことになるけど
最終的にはみんな一緒で みんな心の中にいて
みんな同じ時代に生まれて 同じ空気を吸ってて
同じこの星にいるんだから
これからもう会わないって訳ないから
ただ一緒に歌って踊ってステージに立つっていうのが
もうこれからないってことだね
旅はここで終わっちゃうかもしれないけど
Sexy Zoneとしての旅は一生続くから
マリウス葉コメント
どれほど5人全員が“5人”を愛していたとしても、もう5人が一緒に活動を続けることはできない。
その事実を理解して、飛び立つ仲間の背中を押そうと思えるほどに、彼らは大人になってしまっていた。
グループを続けることを選んだ以上、4人はいつまでも感傷に浸ってもいられず、4月にグループとしての第2章幕開けを謳ったアルバム、「Chapter Ⅱ」をリリースすることを発表。
4人が新たにどう活動していくか、というところに注目が集まっていた頃。
世間では、ジャニー喜多川の性加害問題が表面化、問題視され始めた。
事務所がどうなるのか全く先行きがわからないまま、Sexy Zoneとしては、第2章となるアリーナツアーを敢行。
椎名林檎からのシングル楽曲提供なども決まり、なんとか少しずつ、4人で活動するための未来に照準を合わせていった。
8月には、2度目のドームツアーの実施が発表。
開催は昨年と同様に12月だった。
メンバーは減り、事務所がこんな状態の中で、とても恵まれているなと思った。
そして、アリーナツアーが終わってしばらく経った10月5日。
彼らから「グループ名を変更する」と発表があった。
すでに、グループ名に「ジャニーズ」を表する関ジャニ∞(現SUPER EIGHT)やジャニーズWEST(現WEST.)の改名は発表されているタイミングだったが、Sexy Zoneにはジャニーズを表するものが入っていない。
それでも改名を決めたのは、このグループ名で活動する上で制限されることや、支障をきたすことが多く、今までも何度か改名するべきではないかという意見が上がっており、今回の騒動を機に実行しようという結論に至ったからだという。
実際にファンとしても、Instagramでグループ名の検索をしようとするとNGワードとして引っかかってしまうなどの現象は起きており、寂しさはありつつまあ仕方ないよねというような感覚ではあった。
けれど今思うと、「Sexy Zone」という5人を指すものの名前を使って4人で活動し続けることに、彼ら自身違和感があったのかもしれない。
12月に予定されているドームツアーは、「Sexy Zone」として行う最後のコンサートということになった。
「SEXY ZONE LIVE TOUR 2023 ChapterⅡ in DOME」は、福岡で幕を開けた。
アルバムを制作していたであろうころには思ってもみなかったであろう、所属していた事務所すら無くなるという状況になり、またグループの改名を前にして「このタイミングの第2章とは一体…?」と、ツアータイトルとの乖離は正直あった。
が、セットリストや演出は素晴らしく、ひたすら楽しませる構成でありながらも「Sexy Zone」との別れに照準を当て、この先新しいグループ名で活動するための、決起集会のような内容になっていた。
私自身も「Sexy Zone」という慣れ親しんだ、珍妙だけれども愛おしさに溢れたグループ名との別れを惜しみ、涙を流した。
そういうコンサートだ、と思っていた。その時は。
東京で行われたオーラスには、客席にマリウスも現れ、メンバーとの変わらない絆も感じて温かい気持ちになった。
未練はもう過去に置いてきたけれど、それでもやっぱり5人って最高だな、という気持ちになった。
のだが、何か様子がおかしかった。
グループ名を改名するというだけでそんなに…?というほど、4人が泣いていたのだ。
鈍感な私は、10年以上もこの名前でやってきたらそりゃ寂しいよね、5人を表すグループ名がなくなるんだもんねと思い、新しいグループ名や次のアルバムのコンセプトを予想したりしながら、事務所がなくなり実施されなくなったカウコンに思いを馳せ、年を越した。
【2024年】衝撃の発表を経て、「timelesz」へ
<5人の年齢>
佐藤勝利 27歳→28歳
中島健人 29歳→30歳
菊池風磨 28歳→29歳
マリウス葉 23歳→24歳
松島 聡 26歳→27歳
「SEXY ZONE LIVE TOUR 2023 ChapterⅡ in DOME」で彼らが流した涙の理由を知るまでに、時間はかからなかった。
1月8日、
突如ケンティーがソロ活動を目的とし、グループを抜けることが発表された。
Sexy Zoneを応援してくださる大切なファンの皆様へ
まず、ファンの皆様には、突然の発表となり驚かせてしまい申し訳ございません。
4月1日からSexyZoneという名前が、新しいグループ名に変わるタイミングで、僕はソロとして“新しい道に進みたい”と思います。
ひとりのアイドルとして、ひとりの役者として、自分が目指すべき場所に向かい、一生に一度しかないこの時間、一瞬一瞬にすべてを懸け、国内外問わず様々な挑戦をしていきたいと思っています。
Sexyと共に生きた、この12年は僕の誇りです。
30歳という節目に、新しい道を進むことを決めましたが、どんな道を歩もうと、これからもSexyであることは変わりません。そして、新しいグループ名で活動する菊池風磨、佐藤勝利、松島聡から受ける刺激が、今までも、これからも一番のエネルギーであることは変わりありません。
12年間を振り返ると、いつも目の前にはメンバーと応援してくれるSexy Loversがいました。
今すぐには、恩返しを出来る訳ではないと思いますが、僕は新しいことに挑戦し、自分なりの方法で、やっぱり応援して良かったと思ってもらえるように、日々、研磨していければと思っております。
2024年1月8日
中島健人
最初聞いた時は、「え?」という言葉で頭がいっぱいになった。
多分、ケンティーのことだけを見続けてきた人からしたら、予兆はあったんだと思う。
2022年の10月に、2024年配信予定のHuluオリジナル海外ドラマ「Concordia」への出演が決まったこと、そして今年2024年に30歳という節目を迎えること。
グループのファンだった私にも、ケンティーが30歳という年齢を意識していることは伝わってきていた。
でもだからこそ「今このタイミングなの?」という気持ちがあった。
なぜなら今まで記してきたように、Sexy Zoneというグループには苦しい時期の方がずっと多くて、個人のことを優先するなら、グループを抜けたほうがいいタイミングなんていくらでもあったからだった。
そんなときも、ずっとグループでいてくれたケンティーが、このタイミングで抜けるという判断をした理由は、私自身いまだによく分かっていない。
マリウスが卒業しなかったら?
誰も休養することなく、ずっと5人で活動できていたら?
事務所がなくなっていなかったら?
3人と聡マリが引き離されることなく活動ができていたら?
もっとみんなが大人になってからデビューしていたら?
そんなifのことを今更考えても、どうしようもなかった。
そこからのことはあまり記憶にない。
ケンティーの個人Instagramのアカウントは先に開設されていたが、このタイミングで他3人のアカウントも開設された。
4人(と一般人になったマリウスのアカウント)の投稿を眺めていると、あまりにも個性が立ちすぎていて、こんなバラバラな人たちが、同じグループとして活動できたことの方が奇跡なのかもしれない、とさえ思った。
最後の日である3月31日に、Sexy Zoneとしての最後の配信ライブが実施されることが発表され、それまでなんとか生活を続け、生きた。
ライブの最後にはFC限定の配信パートがあり、そこにはマリウスも現地に駆けつけてくれた。
なんなら、一緒に歌って踊っちゃったりもした。
マリウスがSexy Zoneを実家のように思っていて、気軽に帰って来られるこの環境、最高だなって思った。
だけどこうやって5人が揃った姿を見られるのはきっと今日が最後なんだろうな、とも感じた。
5人が並んでいる姿は美しくて、最強で、辛かった。
最後に5人が一人ずつ、薔薇の花を花瓶に返した。
デビュー曲で彼らが手に持って歌った薔薇の花は、この日までずっと「Sexy Zone」というグループを象徴する花だった。
薔薇の花を手放し、「Sexy Zone」を大切に宝箱にしまって、5人はそれぞれの道を歩むことになった。
翌4月1日、様々なプラットフォームを用いた生配信にて、グループを続ける3人の名前が発表された。
それが「timelesz」だった。
5人で作った楽曲「timeless」、そして言葉が持つ「永遠」「時代を越える」という意味、そして末尾のszは「Sexy Zone」のことを示していた。
3人は新しいグループ名をもってしても、Sexy Zoneを大事に、大切に、そして永遠にしようとしてくれた。
そして同タイミングで、グループメンバー増員オーディションを実施することを発表した。
それが今配信されている、「timelesz project」だ。
私自身は、もちろん驚いたけれどもその場で意図を理解し、彼らの決断をすぐ受け入れられた方だったと思う。
今までの紆余曲折を都度物語として昇華してきた彼らだからこそ、今回のプロジェクトを意地でも成功させてみんなが掌返しするところまで持って行くだろうという予測がなんとなくできたからだ。
ただこの人たちすっげー根性あるな!!!!!と思った。
思わず笑ってしまった。
こんなにもいろいろあったのに、彼らはまだ何も諦めてなかった。
そりゃそうだ、苦しい経験をたくさんしてきてしまっているけれど、まだ全員20代だった。
「5人」を失った私には、もう怖いものなどなかった。
3人がグループを続ける決断をしてくれたこと、そして自分たちの未来を、グループを出て行った2人と同じように何一つ諦めていないこと、それがとても素晴らしいことに思えた。
しかしチャット欄はどんどん荒れ、SNSでも議論が飛び交った。
3人の表情もどんどん暗くなり、ついには風磨くんが他の2人にヘイトを向けないよう「自分が言い出しっぺだ」と明かした。
しかし、勝利くんと聡ちゃんは、風磨くんが一人で矢面に立つことを許さず、「3人で決めた」と言い切った。
3人は配信の中で、「受け入れられなくて当然。今すぐに理解してもらう必要はない、理解してもらえるように頑張る」と、画面の向こうに伝え続けた。
直後風磨くんは、Instagramのストーリーズで質問箱を設置し、まるで株主総会かのように、異論反論に嘘偽りなく回答をし続けた。
誠実さを見せながら、着実に味方を増やしていく。
絶対に敵に回したくない、クレバーな怖い男だなと思った。笑
そしてtimeleszとして初のEPの発売が決定。
新しいグループになったことによる全国への挨拶回りとして、アリーナツアーも発表された。
Sexy Zone時代からのオリジナルメンバーだけで回る、最初で最後のツアーだ。
EPの発売に先駆けて、リード曲の「Anthem」が公開された。
本人たちの希望により、旧事務所の元先輩である山下智久くんがプロデュースをしてくれたということで、事務所が解体されたからこそできる新しい試みだなと思った。
茨の道だとわかってても
行かなきゃならない時はあるさ
We won't give it up, we won't give it up, we are just
6月からは、EPを引っ提げてのツアー「We're timelesz LIVE TOUR 2024 episode 0」が実施された。
昨年のツアー時点では、というかなんなら数ヶ月前まで想像もしていなかった体制でのコンサートだった。
オープニングナンバーは「RUN」。
フルサイズでの披露だった。
常識も非常識も 君とならば ぶち壊せるよ
悲しみも喜びも全部 半分に分けて感じ合おう
何度も消して壊してやり直して もう一回 立ち上がれるさ
正解なんて意味ない 僕らだけの答えに辿り着けばいい
終わらないだろう? 終われないだろう? 僕らはまだ何も残せていない
忘れないで 忘れるわけない 心に残るあの日の言葉
あの雲のもっと もっと 先にある 光求め
緊急事態宣言中の不安な気持ちを勇気づけてくれていた曲が、聡ちゃんを呼び戻す曲になり、その後もグループの形を変えるたび、そしてなんなら前代未聞のオーディションをやろうとしている今の彼らにまで、歌詞の持つ意味合いが変化し適合していく。
3人がお互いを見つめあって、言葉の意味を確かめ合うように歌うところ見ていると、「RUN」という曲が持つ力を改めて感じざるを得なかった。
「RUN」以外にも3人は既存の曲の歌割りを、歌詞を再解釈しながら割り振りし直し、Sexy Zoneへの想いを真摯に見せた上で、timeleszとしての未来を語った。
3人が発信することは、4月1日から1ミリもブレることはなかった。
「前を向きすぎていると感じさせてしまっているかもしれないけれど、それでも僕たちが前を向くのは、5大ドームも、国立も、チャートを総ナメにすることも全部“5人”で見た夢だから。」
想いを伝える挨拶の時間、今までのコンサートであれば感動的な音楽がBGMとして流れていたけれど、今回はそれもなく、一切誤魔化すことなく、ただただ言葉だけで自分たちが向かう未来への理解を求めた。
挨拶の後、EPに収録されている「timelesz」としての新曲4曲を披露した。
ラストナンバーの「VIVID SUMMER DAYS」。
くっつきあってキラキラ笑う3人の姿を見て、もう私は永遠なんてないと知ってしまったけれど、この時間が少しでも長く続けばいいなと願った。
正直なところ、挨拶前の「Sexy Zone」パートの楽曲を3人で歌う姿を見ていると、この形でグループを続けるのには無理があると思わざるを得なかった。
弦楽器のような力強い高音が魅力的な風磨くんと、優しい低音の響きが美しい勝利くんと聡ちゃん。
高音パートを得意としていた、ケンティーとマリウス2人の声を既に失った状態で、「Sexy Zone」の楽曲を歌い続けるには、風磨くんに高音パートを集中させるか、低音が得意な2人に無理に高音を担わせる必要があるのだ。
幼い頃にデビューをし、声変わりする前にもたくさんの楽曲を出している彼らにとって、グループの発展を考えた上でそれを続けるのは得策ではないだろう。
3人の楽しそうな姿をより長く見続けるには、そして“5人”で見た夢を叶えるためには、新しいメンバーを入れてグループを存続させる必要があると、そう理解するには十分すぎるほど、真摯な言葉と景色を見せてくれたツアーだった。
【まとめ】「グループに対するリスペクト」が意味するものと「timelesz」のこれから、そして3人について
ここまでが私が見てきた「Sexy Zone」、そして「timelesz」の歴史です。
そして、彼らがタイプロで求めている「グループへのリスペクト」というのは、こういった歴史全てを知っていることではなく、かつてあった「Sexy Zone」というかけがえのないグループのことを一緒に愛してくれるか、これから必ず起こるであろう苦しいことも一緒に乗り越えてくれるか、という部分なんだろうなと、私は理解しています。
Sexy Zoneが乗り越えられなかったことは、「5人で活動し続けて同じ未来を生きること」でした。
彼らは今度その夢を、timeleszというグループで叶えたいと思っています。
それを理解し、同じ夢を見ることこそが「グループへのリスペクト」なんじゃないかと思います。
そんな私は、苦しい経験をたくさんしたけれど、彼らを好きになったことを後悔したことはたったの一度もありません。1ミリの迷いもなくはっきりと断言できます。
そんな苦しさなんてちっぽけに思えるほど、素晴らしい景色をたくさん見せてもらったからです。
そしてこれから「timelesz」を好きになる人にとっても、きっと好きになって良かったと思えるグループになると思います。
「timelesz project」が、「Sexy Zone」を知らなかった誰かと彼らを結ぶ架け橋になることを、そして3人にとって素敵な出会いの場になることを願ってやみません。
そして、ケンティーとマリウスも、それぞれ自分で決めた道で彼ららしく生きていくことを遠くから応援したいなと思います。
最後に、これから「timelesz」に出会う誰かに向けて、3人の魅力を私なりにひとりずつ紹介して終わりにしたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
佐藤勝利くんについて
元々は全く芸能に興味がなく、美味しい親子丼に釣られてオーディションを受け、事務所に入った男の子。
なりたくてなったわけではないアイドルの仕事で、歌もダンスも得意ではない中、主張の強い先輩2名を含むグループのセンターに置かれ、その後どんな状況になっても一切屈することなく、誰よりも自分のグループを愛し続けられる精神のタフさを持っているのが勝利。
何がどうなってそうなのかはいまだにいまいちわからないけれど、肝が座りすぎている。
そして実は誰よりも頑固でめんどくささもあるオモロ人間。
ただもともとの性格としては、4人兄弟の中で歳の離れた末っ子育ちということもあり、かなり甘え上手な後輩気質。
言葉遣いがとても丁寧で、文章を書くのも上手。
あるときからなぜか料理に凝り出し、土鍋で米を炊くように。笑
勝利は昔から、今この瞬間の幸せの儚さを感じ取って終わってしまうことを何よりも悲しむ言動が多くて、ハワイでお祝いしてもらった自身の誕生日ケーキのろうそくを「消したくない」と言ったり、最後の5人旅でも「(締めの感想を)話し出したら終わっちゃう」と拒否したりするのも、勝利のめんどくさくて、切なくて、大好きなところです。
松島 聡くんについて
アイドルに対する理想像を強く持っている、スーパーアイドルの聡ちゃん。
大好きなHey!Say!JUMPのバックダンサーを夢見てはるばる静岡県から事務所のオーディションを受け、エリートだったがために早々にデビューをしてしまった男の子。
お休みを経たことで迷いが一切なくなり不安が削ぎ落とされて、まっすぐな揺るがない瞳が光り、他者への優しさが何倍にも膨らんだ聡ちゃん。
聡ちゃんほど優しい人はこの世にいないんじゃないかってくらい、本当に優しい人です。
何か不安を感じた時は、いつも聡ちゃんの笑顔が心を救ってくれます。
これまた末っ子な聡ちゃんは、勝利に負けず劣らず甘え上手で、持ち前の愛嬌を振りまいてすぐにいろんな人と仲良くなっちゃうし、最近は事務所の垣根を超えて、他のアイドルグループの子とも交流を深め、グループの外交担当のような役割をしてくれています。
最近は芸術の方面にも力を入れていて個展を開いたり、パフォーマンス面ではダンスの実力がピカイチでありながら、timeleszとしてのツアー「episode 0」では信じられないくらい歌が上手くなっていて、これから聡ちゃんが見せてくれる景色がどんなものなのか、本当に楽しみです。
菊池風磨くんについて
もう今や知らない人はいないんじゃないかってくらいお茶の間の人気者。
グループの中では今のところ最年長で、実際にも長男坊で面倒見のいい男。
クレバーで頭がキレる。
そして私が見てきた6年半の中で実は人間性が一番成長した人。
「嵐になりたい」と思って事務所に入ってきた風磨くんは、誰よりも”グループ”というものへの執着が強いんだと思います。
以前は自分が理想とするアイドルグループの姿と、実際のグループの姿の乖離が大きくて、アプローチに悩む姿も見てきました。
そこを乗り越えてからは、誰よりもグループの魅力を理解して、演出面では「俺以上にSexy Zoneの魅力が引き出せる人はいない」とまで言い切って、そしてそれがなかなかファンより外側に伝わらないことに悲しんできた人だなと思います。
感受性が強く、感情が動かされるものが大好きで、歌詞を書けば全部エモエモエモになるのが風磨くん。ラップ詞を書けば信じられないくらい韻が固い。笑
歌唱力はピカイチでグルーヴィー。
風磨くんが新しいグループでどんなコンサートを見せてくれるのか、新メンバーをどう捉えてどう演出していくのか今からとても楽しみにしています。
おしまい