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結局新車が一番安い

若い頃の私は、本当にお金がありませんでした。

それでも免許を取った私は、どうしても2000ccの車が欲しくって、当時その予算で変える車というと
不人気で多走行、記録簿なし、程度最悪という車しかありませんでした。

当時の私は中古車業界の事など何の知識もなく、安くても良い車は探せば有るものだと思っていました。

そして普通なら絶対に手を出してはいけない車を、私は買ってしまいました。

それはとんでもなくボロボロのローレル乗り出し15万円で購入しました。

そのローレルは走行距離10万キロ手前で、年式は確か10年落ち位だったと思います。

しかし3か月後、なんとタイミングベルトが切れて不動車となってしまいます。
購入前からお店にはその事は指摘されていたのですが、本当にこんなにすぐ切れるとは思っておらず、レッカー代金5万5千円も払う羽目になりました。

本当に不条理な事に貧乏人には、常に問題が降りかかるものです。

そして同じお店で別のローレルを探してもらい、今度は30万円で前回のローレルよりも程度の良いローレルを購入しました。

しかしそのローレルがまた問題山積でした。

走行距離は6万9千キロ程度だったのですが、足回りは死んでいて車が揺れながら走るし、内装はボロボロ、ステアリングも握り跡でへこんでいるし
エンジンは冷間時おかしなふけ上がりをします。

その為2000ccのツインカムエンジン6気筒なのに、出足は軽自動車よりも遅かったです。
実燃費はリッター5キロでしかもハイオク仕様でした。

恐らく本来のパワーの6割位しかなかったのだと思います。

あまりにエンジンの調子が悪かったので、ディーラーに見てもらったらなんとタイミングベルトがずれているという事でした。

しかもディスクローターの厚みは、最低使用限度を遥かに下回るほど減っています。

恐らくは実走行距離は、ゆうに20万キロは軽く超えていたでしょう。


そうです。
つまり完全にメーター戻しの車両でした。

販売店もメーター戻しの事を知っていたのかは、分かりませんが
今の私の知見からすると恐らく知っていたと思います。

というか下手するとその店が、20万キロ超えのローレルを3万円位で仕入れて、メーターを戻していたのかも知れません。

何故なら彼らはオークションで車を競り落として仕入れている訳ですが、あんなにボロボロの状態だと値段が付いたら良い位のもので、本来なら廃車が妥当な判断です。

あのローレルは乗り出し30万円だったので、お店が仕入れたのは恐らくは3万円位でしょう。

当時のローレルが6万キロ台で、あそこまで酷い状態な訳はありません。今の私でも走行距離と車の状態が、全く合わない事は分かります。

それが業者ならメーターを戻している事が、分からない訳が有りません。

まあこれは” 中古車業界の闇 ”です。


そんな事もあって次の車は記録簿付きの、走行距離がたったの2万7千キロの軽自動車を買いました。

その車は本当に丈夫で結局13万8千キロまで故障なく走り切りました。


そして私が痛感したのが、なんだかんだ言って新車が一番安いという事です。

新車は確かに新車プレミアム価格が付いていますが、なんと言っても新車の最大のメリットは

● メーター戻しのリスクが無い
● 手厚い新車保障
● 部品の供給が長いから安心して長く乗れる

この3点に尽きると思います。

特にスポーツカーや高級車などの元々の価格設定が高い車は、メンテナンス、修理費用が高いので
いくら中古で車両を安く買っても、故障が発生すると結局その後で高くついてしまうからです。

先ほど話した私のローレルですが、あれを完全に治そうとすると間違いなく新車を購入するよりも高くなります。

あのローレルはトランスミッションも、ヘタッていてギアが変わる度に
ぽこんという音がしていました。

そして私が痛感したのが〝中古車業界でお買い得な車は存在しない〝という事です。

結局安い中古車は本来するはずの整備をしないで、その整備代金を差し引いて販売しているにすぎません。
だから購入後に必ずその個所が壊れて、結局は購入後に修理する羽目になります。

つまり中古車は〝安物買いの銭失い〝が必ず発生するという事です。

私は若い頃新車を購入している人は、ただ単にお金持ちで新車にこだわりを持って買っているのだと勝手に思っていました。

今の若い人も、恐らくそう思っている人もいるでしょう。

しかし今思えば当時新車で車を買っている人は、新車が一番安いという事を既に経験から学んでいたという事だと思います。



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