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Walking on the SquareとSing a Wing Songという大好きなアイドル二人が歌うソロ曲の話

期限設けないと書けない人のための Advent Calendar 2022 5日目の記事です。今回のジャンルはミリオンライブ。2018年4月からのメインジャンルです。長い付き合いですね。
過去一良いと思えたソロ2曲について話すだけの記事なんですが、思ってたより長くなってしまったので暇な時にでも読んでみてください。

ミリオンライブといえば、52人全員のソロ曲が収録されているCDシリーズ「
M@STER SPARKLE2」が去年9月から展開され、先月末の10枚目を持って完走しましたね。
自分は半分ぐらいしか買ってないしそのうち多分10曲ぐらいしかちゃんと飲み込めてないユーザーなのですが、相当力の入った楽曲ばかりで楽しませていただいています。楽曲の個人的な好みでいったらブランドの中でもミリオンが一番だな~と再認識する今日この頃です。
全部聞いてないのにそんな巨大主語言うなやと怒られそうですが、9thまでにはサブスク解禁されて予習のために聴くと思うので許してください。1曲聴くだけで咀嚼に時間かかる人間だし、52曲となると体力と時間の消費がすごくてハードル高いし、そもそもCD取り込むのすら億劫になってしまって……ミリオンライブならちゃんと最新CDまでサブスクやってくれると信じてます。→やってくれました!!ありがとう!!ぜひ2曲とも聞いてからこの記事を読んで下さい。

初っ端から話が逸れました。
CDがどうとかサブスクがどうとか全部で52曲あってすごいとか、一旦どうでも良いので置いておきましょう。

最近、ふと思ったことがあります。
自分はアイドルマスターで大好きなアイドルのソロ新曲に、あと人生で何回出会えるのか?と。
根っからの単推し気質である自分においてソロ曲は最重大事項なのに、アイマスは多人数コンテンツである都合上どうしても頻度が低くなってしまっています。

9年続いたミリオンライブですが、初期のLTPとLTHでソロ1,2曲目、そこから2年半ほど経って2017年からのMSで3曲目(なぜかここでは先輩たち13人はありませんでしたが)。そして3年半ほど経ってからようやくMS02で4曲目。どんどん間隔が広がっていきます。52人と人数が多くコストがかかるコンテンツにおいて、ソロ5曲目の製作があるとするなら、いつになるんでしょうか。
いきなりシビアな物言いをしますが、当たり前なんてどこにもありません。10年後もコンテンツがちゃんと続いてる保証なんてありません。コンテンツの終わりには売上が奮わずサービス終了する以外にもやむを得ない理由なんていくらでもあります。コンテンツ全体が終わらなくとも、何らかの事情で大好きな子の声が聴けなくなることだってあり得ます。冗談じゃないです。ある日突然そうなります。
他ブランドにも目を向けると、初期から曲がたくさんあるASはともかくとして、8年続いたSideMはようやくソロ2曲目のシリーズが始まったところだし(サブスクでGO NEXT良い曲なんで聴いてください。)、シャニは4年続いてもユニット重視なためまだ1曲でそもそもSHHisの二人はなぜかソロ曲がない。デレマスに限っては大半のボイスありアイドルが1~2曲しか存在せず3曲目のラインが動き出しましたがソロ曲もらっていないアイドルも10人ほどいます、そしてそもそもボイスついてない子が半分ほどいる。

こんな風に現状を整理していると、気付かされます。
この大好きな声だけでメロディが奏でられる、その子のためだけの楽曲に出会える機会は、もう残り少ないんだって。未来を信じる力が今弱まっている自分にとっては、もしかしたら最後なのかもって考えてしまうことがあります。

そんな臆病なことを考えていたら、ワガママになってしまいました。
数年に一度の、大切なアイドルのソロ曲は、自分にとってはただ良い曲ってだけじゃダメなんです。
「あ~、いい曲だな~」で終わりになんてしたくないんです。
自分がソロ曲に求めているモノ。それは。

革命。

聞いただけで、脳に衝撃が走り。自然と涙が溢れてきて。
歌っているアイドルへ長年構築してきたイメージを、より良い方向へ、そのアップデートできるような。もしかしたら、ガラリと変えてしまうような。
この一曲が披露されるライブなら、世界中のどこにだって行っていいと思えるような。
自分が今見ている世界を、変革してくれるような。
そんな、気づきと感動に溢れた、自分が大好きになれる、最高の楽曲がいい。

そして、
MS02 09収録の宮尾美也ソロ4曲目「Walking on the Square」
MS02 10収録の田中琴葉ソロ4曲目「Sing a Wing Song」
この二曲は、まさしく自分にとって革命とはっきり断言できるものでした。

なので、今回はその2曲について語るだけの記事です。

前置きがありえないぐらい長くなりましたが、本題に入りましょう。ここまでで1800字もあんのありえないだろ。もはやこっちの方が長いわ

Walking on the Square

MS02 09の2曲目に収録されている美也ソロ曲。
作詞 松井洋平
作曲・編曲 藤原彩豊

ミリオンライブのシアター組のソロは、3曲目までで一つの物語になっているような印象があります。
美也の場合は少なくともそう思っています。1曲目の「ハッピ~ エフェクト!」で美也特有の幸せに対する価値観と壮大な夢を語る。2曲目の「初恋バタフライ」は雰囲気をガラリと変えたラブソングでギャップを出しながらも、美也の情熱的な一面を象徴する一曲。3曲目の「ふわりずむ」はゆったとした曲調で美也らしさが溢れ出る彼女の在り方が詰め込まれた楽曲で、1曲目2曲目を想起するような歌詞も盛り込まれておりこれまでの集大成のようにも感じられます。

美也は今シリーズの9番目のCDまで出番が回ってこなかったので、4曲目を楽しみにする時間が長いアイドルでした。
他のアイドルのMS02の4曲目に目を向けてみると、これまでとは違う新境地とも言える楽曲が多い印象でした。大した数聞いてないとか言わないで
だから、どんな曲がやってくるのか、ひたすら予想してました。
正直全く読めませんでした。今どきっぽいEDMみたいな曲が来てもおかしくない。王道アイドルソングでも今までの3曲にはない感じだからギャップがある。
ラウンジの友人たちとも予想し合っても全然イメージできません。「初恋バタフライ2(ニュアンス。)なんじゃないか?」みたいな予想ぐらいしか記憶に残ってない。二度目の初恋って意味不明じゃん→いやFirst Love Againじゃね?の流れ今でも忘れられない

そうして一年以上期待して待ち、ついにやってきたソロ曲がWalking on the Squareでした。

ミリラジの試聴を開き、飛び込んでくるおしゃれなエレクトロポップ。
軽快ながらも確かに一歩ずつ踏みしめていくかのようなその曲調。
伸びやかに、楽しそうに、歌い上げる美也の声。

完璧だった……

予想とか全部意味なかった……
4年半ぶりの宮尾美也のソロ4曲目はこれです!!!!!!!!!と言われたら、納得せざるを得ない。
個人的な好みで言ったら、過去の3曲を越えていました。
試聴の段階でそんな感じだったので、フルを聞いたら本当に大変でした。
宮尾美也を知る人、全てに届いてほしい。そんな楽曲。

自分は音楽については詳しくないし、歌詞のオタクなのでそちらについて触れます。
将棋の駒の名前が言葉遊びで組み込まれていたり、「誰の歩みにだって重なったりしないようにね」という歌詞が二歩とかけつつ宮尾美也らしさ全開なのがちょっと天才の所業すぎたり、「小さなこともいつかきっと未来のきっかけになるから」がバタフライエフェクトっぽくて原点回帰感あってたまらなかったり……天才すぎて無限に語れるのですが長くなりそうなのでここでは最もグッときた部分についてだけ話します。


ラスサビの歌詞がズルすぎて、フル初見で味わった衝撃を未だに覚えています。
一番ラストの以下の歌詞。

素敵なミュージカルナンバー 世界が歌うの
最高な時間がまた一曲!

Walking on the Square - 宮尾美也(桐谷蝶々)

これが、ラスサビで変化するのがさいっっっっっっっこう。

素敵なミュージカルナンバー 私も歌いたい
届けたい曲があるの
また今日を歩こう 最高の時間をもう一曲!

Walking on the Square - 宮尾美也(桐谷蝶々)

私も歌いたい 届けたい曲があるの」

こんなん聴いてしまったら最初のツイートがジョニィ・ジョースターになりますよと。

一番二番では気になる香りに誘われて、次の角で出会うのを期待して、世界自体を将棋盤のようにきままに楽しんでいた宮尾美也。それが、楽曲の最後では、世界の歌声を聞くだけじゃなく、「自分も歌いたい」と宣言するのです。
それは、宮尾美也という一人の少女がアイドルになった瞬間を表しているようにも感じられました。

ここでミリシタメモリアルコミュ1の美也のセリフを振り返ってみましょう。


このソロ曲の1番2番の歌詞を見ればわかる……というかこの記事読んでる人なら知ってると思うけども。美也はアイドルになる前から、自分らしくのびのび生きている、素敵な人です。
ですが、そんな彼女でも、「何にでもなれない」という諦観を抱えている事実が既にこのメモリアルコミュ1で示されています。もう高校二年生で子供ではないし、自分の足元が見えている賢い子ですからね。仕方ありません。
そんな彼女が、アイドルになりたい!と思えたことがどんなに尊いことか。

人生は、選択の連続。
美也には、たくさん選択肢が、数え切れないほどあったでしょう。
でも、彼女は「私も歌いたい」と願った。
他でもない、アイドルという道を。
自分の感じた幸せの世界を、自己完結させるんじゃなく、誰かに届けるために。
その決意が、あまりに、美しい。

そして彼女は、高らかに宣言します。
「最高の時間をもう一曲」
現状に満足せず、時には欲張りに、前に進み続ける。
いつか、本当に歴史に名を残しちゃうんじゃないかって、信じられるぐらいの力強さで。

自分が宮尾美也という人間を好きな理由が、このワンフレーズが一番グッと来たという事実でより言語化できるようになりました。
ありがとう、Walking on the Square。
1月の武道館で美也の作り出す最高の時間がまだ待っているので、彼女へのありがとうはその時まで取っておきます!

Sing a Wing Song

MS02 10の5曲目(なんとシリーズのトリ!)に収録されている琴葉ソロ曲。
作詞 高瀬愛虹
作詞・作曲 鈴谷皆人

美也と同じく、琴葉のソロ3曲目までは三部作だと思っています。1曲目が時系列で言うならラストって考えの人が一定数いるのも分かるけど、個人的には朝焼けで自分を信じたはずなのにそこからホントウノワタシに至ってしまう方が迷いがちな琴葉っぽいかなって。
夢を抱えて自分を信じながら歩む「朝焼けのクレッシェンド」。変わろうとしても変われない苦しさと、それでもいつか自分は明日より強くなれると信じられる本当の強さを歌う「ホントウノワタシ」。これまでの二曲を踏まえた歌詞がありつつも、自分のまま光る私を見届けてほしいと歌った「シルエット」。
個人的にシルエットの「あなたがくれたヒカリ」ってフレーズは田中琴葉アニメ一期の最終回感があってめちゃくちゃ気に入ってます。気に入りすぎて二次創作妄想する時このタイトルが使えないのが悔しいぐらい。

じゃあ田中琴葉二期のオープニングソングは何かって?
それがSing a Wing Songだよ。

これまでの3曲全て、琴葉は「自分」に焦点を当てて歌っていた。
何よりも「自分」という存在について、真摯に向き合い続けた琴葉らしい楽曲群だ。
そうして、田中琴葉という人間のまま光ることを最終的に受け入れることができた。
だが、彼女の物語は、まだ序章に過ぎなかった――

琴葉のソロ4曲目も、美也と一緒で想像つかなかったんです。
キュートでポップな曲が欲しかったから、スタマスで半分彼女のための描き下ろし曲である「KAWAIIウォーズ」がやってきてしまったから。
だから、何が来てもいいと思っていました。
しかしその時、わたしは知らなかった。
簡単な答えに、至れていないことを。
少し考えれば琴葉が好きな人なら予想できるような、たったひとつの冴えたやり方。

まぶしい朝 今日がまた始まってく
(Sing...Sing...Sing a Song...)
鞄に不安をしまったキミへ
(Sing...Sing...Sing For You...)
自分のこと好きだと思えないときも
この声を聞いて

Sing a Wing Song - 田中琴葉(種田梨沙) 

田中琴葉のソロ4曲目は……
応援ソングッ……!!

ミリラジの試聴を聴いた時、本当にびっくりしました。
なぜこれまでわからなかったのでしょう。
そう。奇しくも美也と同じように。
琴葉も、ソロ4曲目は「誰かに歌を届けるアイドル」の一面を出した曲だったのです。
自分の弱さを受け入れる壁を乗り越えたからこそのテーマに、脱帽。
今の琴葉が過去の自分に歌っているようにも聴けるのが好き。自分で自分を救う文脈が好きだし、SSRホントウノワタシ覚醒後がまさにそういうイラストで印象深かったので。

曲調はこれまでの3曲よりもハイテンポで王道アイドルソングっぽく爽やかながら、明るさに溢れていてまるで彼女の晴れやかな気持ちが現れているような音で。琴葉の落ち着きがありながらこちらに寄り添ってくれるような歌声もまた心地よくて。
こちらも、完璧な楽曲でした。

2年前のnote開設当初の記事で語ったのですが、アイマスの中で一番シンパシーを感じているのが彼女です。

>琴葉は「自分に近い考えを持っている」タイプ。同じことで思い悩んでしまうし、吹っ切れられたと思ってもまた悩んでしまうこともある。自分は琴葉ほど出来た人間ではないけど、このことはほんとに痛いほどわかる。

毎日自分の弱さと向き合わされることばかりで、一度乗り越えたと思ったことにもまた迷うし、ようやく前に進んだと思ったらそんなことはなくて、ずっと悩んでばかり。自分のことを心の底から好きになれる日なんて来ないと思っている。
だから、自分がまだ越えられない大きな壁を打ち破った後の琴葉が、こちら側に歌いかけてくれるのは本当にグッときました。ミリオンのソロ曲で一番泣けるの、Sing a Wing Songだと思う。いつかライブで聴いたら絶対号泣する。そうやって泣くのが生きる理由の一つだね。

「言ノ葉」という言葉遊びが昔自分もブログでやったからなんか感動したり、「うまく行かないときも また笑えるようにと歌うよ」というフレーズに成長っぷりが表れてていて鳥肌止まらなかったり、ラスサビで増える「今この歌を聞いてる人たちへ」というワンフレーズが自分の声が届く範囲でできることをしようというアイドル田中琴葉の等身大な願いに溢れているようでグッときたり。こちらの曲に関しても無限に語れますが、例によって今回も一番印象的な歌詞を抜き出して語ります。

11月、どうしようもないことに悩まされっぱなしでした。
自分のずっと信じていた未来予想図が、突然崩れていくことが連続で起きました。
それはどうしようもないことだったり、そもそもどうしてなのかわからなかったりしました。そのどれもが、自分という一個人ではどうしようもないことでした。仕方ないと口にするのは簡単だけど、実行するのは少し難しすぎました。
人生トップクラスに好きなジャンルたちについての話ではありますが、そもそも趣味を生き甲斐にしており、そうしていないと生の実感を味わえない人間である自分にとっては死活問題でした。前置きに書いた「当たり前なんてどこにでもない」というのはこのことから来ています。
そんな状況だったので、ミリオンライブに触れるのすらちょっと怖い状態でした。自分の触れているコンテンツだから、また関係者の誰かがやむを得ない事情を抱えてしまったらどうしよう、と。因果関係なんてあるはずがないのに、そんなことを怯えていました。
ずっと大好きなものを追いかけてきた人生の中で、未来に希望を持つのを初めてやめてしまおうかと本気で思いました。

そんな自分に、琴葉は手を伸ばしてくれました。

二番サビ部分。
前向きになれない日も(大丈夫!)
立ち止まって分かることもあるよ
(Cheer For You)
どうしようもないことをどうにかしようって
焦らないでね(Yell For You)
無理しないでここにいてよ
(Let's Fly)

Sing a Wing Song - 田中琴葉(種田梨沙)

涙が本当に止まりませんでした。
まさに、琴葉が今の自分に向けて歌ってくれているようで。
いや、違う。本当に歌ってくれていたんでしょう。目の前に彼女がいて、自分に向けて手を伸ばしている姿がはっきり見えたので。
焦らないで。無理しないで。ここにいていいよ。
こういう単純だけども、安心する言ノ葉が、どれだけ救いだったか。
6thSSAのあの時から琴葉をずっと好きでいてよかったって、心の底から思いました。

今は毎日、この曲を聴いています。苦しくなった時に、琴葉の歌が耳に入ってくるだけで自然と落ち着くんです。
もしこの曲がなかったら、もっと心が弱っていたことでしょう。
正直ミリオンライブの記事を書きたい気持ちも薄れていたんですよね。想い入れが強すぎる未完結コンテンツと向き合うこと自体が、なんだか怖くて。
でも、琴葉が自分に向けて歌ってくれたから、今こうして言葉を紡ぐことができています。

これから先、何が起こるかなんて当然わかりません。
今まで以上に、楽しいことが待っているかもしれない。
でも、もしかしたら、もっと悲しいことが待っているかもしれない。
それでも、悲しいことより、今までもらった楽しいことの方がたくさんあるから。
だから、今はミリオンライブという心の居場所を胸に歩いていこうと、改めて思うことができました。
ありがとう、Sing a Wing Song。

ありがとう、田中琴葉。
やっぱり君は、紛れもなく、アイドルでした。




というわけで長くなってしまったし、時間もギリギリなのでここまで。
琴葉の部分だけ少し長くなってしまったのですが、両者順位つけられないぐらい大好きな楽曲です。ちょっと事情が特殊すぎただけで……

最後に宣伝させてください!
かびが思う宮尾美也像を詰め込んだ8000字ほどの小説を、こちらの合同誌に寄稿しました。

この記事を読んだ後だと、より分かりやすい内容になってるんじゃないかな、と思います。
難産でしたが心を込めて書いたので、興味のある方は是非手にとってみてください。BOOTHでの頒布予定もあるそうです。
サンプルは後日掲載しますので、よろしくお願いします。


では、ほんとのほんとに終わりです。
ここまで読んでくださってありがとうございました!
宮尾美也と田中琴葉という二人のアイドルが歩んでいく道が、彼女たちが納得できるものでありますように。

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