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【プロジェクトセカイ】髪カプの会う頃に業

※今回のイベントストーリー、報酬サイストのネタバレを含みます。ご注意ください。


時は、4月1日――
優しい嘘にまみれたソーシャルゲーム業界の中。
美しい桜が咲く季節の中、『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』はエイプリルフールを行わず、通常通りのイベントを開催する方向へ舵を切った。

そのイベントとは……

イベント『君と歌う、桜舞う世界で』。
桜の季節を舞台にした、混合イベントだ。

さて、こんな奇想天外なタイトルの記事をわざわざ開くような奇妙なプロセカの楽しみ方をしているみなさんには、ワンダショちゃんねるでこのイベントのロゴだけ発表されていた当時からお分かりであっただろう事実があった。
プロジェクトセカイには、ロゴに登場するキャラクター達のイメージカラーを載っけておくという同社のバンドゲームからお決まりの流れがある。というわけでロゴの時点で「君」がミクで「歌」が一歌なんだろうな、と容易に察することができる。ハーフアニバに相応しいメンバーだ。
では、ここでこのイベントロゴの読点を見ていただきたい。

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そう、これは紛れもなく宵崎奏のイメージカラーそのものなのである。そして案の定、告知で答えが明かされた登場メンバーはレオニミク+(司以外の)主題歌を歌うユニットの看板キャラ4人であった。

というわけで、髪カプを愛好している人々は、このロゴを見た瞬間から髪のことしか考えられなくなる病気にかかってしまうこととなったのだ。そんな状態で1日半も待たされるという前代未聞の事態。そんなに髪のことを考えて人生で過ごした経験、普通の人はないだろう。まあ推しキャラの髪の毛のことばっか考える人はいるかもしれないけど。

星乃一歌と宵崎奏は出会うのか。
穂波やまふゆといった共通の知り合いのことは認識するのか。
音楽の話で盛り上がるのか。
みのりやこはねといった他の主人公組と奏の繋がりは生まれるのか。
そして、あのエリア会話のことは、覚えているのか。

全ての答えが、このイベントで明かされる――――


イベスト8話。
もしかしたらこのまま奏が最後に少しだけ出て終わるんじゃないか、となった時。(正直司とぶつかりそうになって終わりなんじゃないかって焦った)

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出会った。

あのエリア会話が実装されたサービス開始から、半年と2日が過ぎ。
ついに2人は出会ったのだ。
一歌とこはねとみのりの歌に――否。3人が歌う、「ミクの歌」に、惹かれて。

プロジェクトセカイは、ボーカロイドによる音楽のさらなる発展を願い作られた作品である。
ストーリーも当然この記事を読んでいる方ならご存じの通りではあるだろうが、セカイの初音ミク達バーチャル・シンガーのサポートにより、今を生きる高校生達が悩みながらも自分達の答えを見つけだし歩いていくものとなっている。

中でも一歌は、"初音ミクが大好き"という気持ちが根幹にあるキャラクター性を持つ、プロジェクトセカイの顔に相応しい少女である。一歌にとってミクは昔から幼馴染達との想い出を与えてくれ、バラバラになっても本当の想いに気づかせてくれ、悩む時はそばで一緒に悩んでくれ、そして一緒に歌ってくれる――大切な人なのだ。
そんな一歌のミクが好きという”想い”が、みのりやこはねと縁を紡いでいったことがわかるのが今回のイベントストーリー。そして、その縁は、ただの通りすがりであった宵崎奏の心を一時でも引き止めた。

現実世界で様々な人達がボーカロイドを通して繋がっていったように、それぞれ違う夢に向かって歩いているキャラクター達でも音で心を繋げることができた、初音ミクの歌。
まさしくプロジェクトセカイという作品のハーフアニバーサリーに相応しい最高のイベントストーリー……そして一歌と奏の出会いであった。

……だが、これだけで終わりではない。
なんと。今回の奏の報酬☆2カード後編では、奏が一歌の演奏と歌に大きく影響を受けた様子が描かれているのである。

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こはねとみのりも一緒に歌っていたが……奏の心に一番強く残ったのは一歌が生み出す音の力強さと優しさと不安定さだったのだ。
一歌にしか出せない雰囲気が出ている、この世にただ一つの歌。
そこから受け取った想いは奏の音楽にも反映され、最終的にはニーゴの新しい歌を生み出すに至った。

ミクは何にでもなれてすごい、と憧れて。
ヒーローみたいに取り戻したい、ずっと僕は何者にもなれないといった歌詞を歌っていた少女は。
確かにあの瞬間、「誰か」になっていたのだ。
例えば、「誰かを救う曲」を作り続けるヒーローに、新しい道を指し示すような……そんなもう一人のヒーローに。

このサイドストーリー後編は、前編で父親に見せた桜をプレゼントしてくれた穂波への奏の感謝の気持ちで幕を閉じている。
穂波と奏はあくまで仕事上の関係なので、お互いのプライベートのことはそこまで知るわけではなく、まさかあの時歌っていた少女と穂波がバンドメンバーだとは当然分からないままだった。
一歌が再びギターを持って歌うようになったのは、穂波と一緒になれたからこそだというのに。
でも、そういうビジネスライクな関係だからこその。「知らない」けど、暖かい。そんな雰囲気が、宵崎家のキッチンには満ち溢れていたように思う。


一歌と奏が、これからどういう関係になろうと。アフターライブでどのような会話を交わそうと。この美しい出会いは変わらない。
桜が咲くたびに思い出すのだろう。初音ミクの繋いだ、二人の少女の運命の交差を――――



あれ?

何か忘れてないか?


そうだ。

私達は、忘れていた。

最初にプレイヤーが見た、二人の出会いは――


桜が舞う乃々木公園で、

ミクの歌に足を止めたあの時でなく――

音楽ショップで、

髪に見とれてしまった、あの瞬間――



花より団子、歌より美髪。



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そう、

我々は、

髪からは一生逃れられないまま。

これが、

プロジェクトセカイの生み出した、

業。






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