他人の話を聞くのが嫌いじゃないよって話

コミュニケーション能力が低いのは重々承知だ。それでも他人の話を聞くのが嫌いじゃない。
話を聴くことでその人がどんな人生を歩んできたのか、どんな家族なのか、何が好きなのかという背景を知るのが好きだ。

大学生の頃障害を持つ子のデイサービスで働いていたことがあった。その時に話し出すと止まらなくなってしまう子がいた。その子はとにかく話すのが好きなようで行動の一つや見たものや今思ったことをすぐに口に出してしまう子だった。天気の話から今思っていること考えていること、ご飯が美味しかったこと昨日夢で見た話、とにかく止まらなかった。私はそれをずっと相槌をしながら聴いていた。他の職員からは良いとこで切り上げるのよと言われていたがその子の話している時の笑顔を見るとどうしても切り上げようという気持ちは少し心苦しものがあった。
とある日のこと。その子を送迎した日母親に今日一日の出来事を話したりトラブルに関して話していたのだが、母親も母親で息子に負けじと話が長い。昨日の息子の話や体調と気圧の関係、遂には自分の身内話まで本当に止まらなかった。他の職員は送迎する時には子を親に確実に預けた時点でさようならするらしい。今思えばあの頃の私は若さもあり元気だったし後先をあまり考えていなかったのもあっただろうと反省。

人それぞれに人生があり生きてきた道筋がある。それらを知る事でより一層その他人を好きになれるような気がする。反対に嫌いになるかもしれないけどね。

それでも私は他人の話を聞くのが嫌いじゃないよって話。