演劇ドラフト 劇団『アクタゴン』 「再生する」の感想🎭
noteって、どうやって始めるんでしたっけ?
どうでしたっけ…
・・・
なんて冗談はさておき。
久しぶりにお芝居として、舞台作品として気持ちも感情も熱い今のうちに記録しておかねば…!と感じる観劇体験ができました。
このnoteはX(旧:Twitter)で垂れ流した発言やお友だちと話した内容を含め自分の頭の整理としてまとめたくて、ネタバレしまくり&もしかしてこうなのかな〜と独自解釈した部分もたくさん含まれ、思うままに一旦書き殴ってます。なので、そんなの見たくない!という方はここでバックを推奨します◎
大丈夫だよという方はそのまま…👇
早速、ネタバレ
いや〜まさか、劇団名のアクタゴンが無限演劇地獄になるなんて誰が思い付く!?
変わった劇団名だな〜ロゴも独特で可愛いか怖いかだと怖いよりだな〜何か意味あるのかな?とか色々考えてたんですけども、、
Xの方でも呟いたんですが、今回アクタゴンのメンバーはみんな生前は役者さんで死んでしまってて。
一番楽しかった姿に戻ったのがこの12月10日に行われた演劇ドラフト2024で、八角形の武道館に一生囚われてしまっている=無限演劇地獄、しかも仏教で言う八大地獄の一番重いのがちょうど無間地獄だし、数字の8を横に倒すと∞のマークになるの、あまりにも鮮やかな伏線回収ですごすぎました。
ロゴについては勝手な憶測なんですが、左右非対称の顔って確か心理学的に意味なかったっけ?と調べたら、「演じられた嘘の表情は左右非対称になる」という実験が行われてるんですよね〜このロゴ、めちゃくちゃ非対称だしその意味ももしかしてあるのかなぁ…
脚本家の川尻さんが呟かれた内容を見ると、脚本に合わせてロゴに手を加えているっぽい…?
となると、観客である私たちは最初からこのアクタゴンの名前やロゴにずっと騙されていて、翻弄されているんだろうなぁ〜と思いました。
それこそ、劇団名決定秘話ラジオのこの劇団名に決まった経緯の時点で、嘘が含まれている可能性がある?なんて思ったり…考えすぎかもだと思いつつ、ロゴのくだりが良い意味でテキトーに話している雰囲気もあって、、
演出・お芝居など
小道具も音響も何もない状態、身一つなのがすごい!
引越しがテーマだから衣装が白い作業着なんだなぁ〜似合ってるなぁ〜と思わせてからの、全員死んでるという事実が判明してから、同じ衣装を着ているはずなのに白装束に見えてしまうようになってゾワっとしましたね…
あとステージからみんなが居なくなるのも斬新でびっくりしました、、
お芝居のみで場面が変わったことを伝えるその技量も、冒頭に再び戻ってから最後のオチの「地獄だよ」のニュアンスの違いも含めてゾクゾクしっぱなしで。
想像がつかない地獄の部分は観客一人一人の想像に任せてるからこそ地獄の奥行きも生まれてるし、生前の回想シーンでは演劇ドラフト2024が行われている武道館を活かして、現実と演劇の境界線をあやふやにしているのはむしろ小道具が何もないからこそ成立したのかなぁ…と。
お芝居で気になったのは、淳平くんですね。
嘘をつくと小地獄、役者は嘘をつきつづける→アクタゴン=演劇無限地獄となるのはみなさんご存知のとおりなんですけど、これって生前のことのみに限定してるのかなー。
演劇からは逃れられない宿命、この地獄でも嘘をさらに重なることになってるのは5人共通なんですけど、淳平くん一人だけプレイハウス「叱ってママ」で働いているじゃないですか?他にも焼肉屋さんや1000ソラーカットとかがあるのに。
ある意味、プレイハウスで働くって絶対に演劇しないといけないことになるのだとすれば、なんというか、他の人よりも罪が重い?のかなぁと考えました。
あとは来世相談所の時、淳平くんがしてる行動の石を拾ったり砂を掴んだりについては、これは賽の河原を表現してるのでは…?と。
いくら頑張ってソラー(この世界でのお金)を貯めたとしても結局無限地獄なら意味ないはずなのに貯め続けることの無意味さを、賽の河原の行動をすることで表しているのかなと思いました。
一つどうしても引っかかっているのが、「編集部の人たち〜!いつもありがとう!」の発言なんですよね、、記憶を無くしているはずなのに、明らかに演劇ドラフトの審査員席に向かって言ってて。
これってもしかして淳平くんは実は全て分かっている…?
他にも須賀くんがトゲアリトゲナシトゲトゲになろうとして去りそうな流れで、スーパーグリンゴンを淳平くんが唐橋さんにして記憶を取り戻すじゃないですか?
そのあとはみんなグリンゴンタイムになるけど、よく考えたら須賀くんは四十九日を迎えて生まれ変われることが出来るはずなのに、淳平くんの行動をきっかけとして結局みんな生前が役者であることを思い出す、最後にエチュードとしてお芝居をやろうとするループになるので…
まぁ普通に考えたら上記でも書いた、嘘をつくと小地獄、役者は嘘をつきつづける→アクタゴンに堕ちるの解釈だけでいいのでは?と思うんですが、淳平くんの行動やお芝居が鍵を握っているようにも見えるんですよね〜
ただこれらは全部ただの考えすぎかもしれないです。笑
「編集部の人たち〜!いつもありがとう!」はプレイハウスの雇われ人としての立場としてなので、雇ってる側の人たちに対してありがとうと伝えているだけなのかも?
うーん…ただ4人に話しかけられたとき淳平くんはやや慌ててるように私は見えたので、その部分のお芝居も含めて意味があるのかなとも感じました。ここの解釈が難しい、、
作品タイトルについて
作品タイトル「再生する」も、てっきり魂のお引越しのくだりでrebirthの意味だと思わせておいて、replayの方の再生からの、"再演"が真意なことって…
まんまと騙されたー!となりました。
「地獄だよ。」のあとにすぐ照明が消え、あんなに大きな会場が静寂に包まれてからの、遅れての拍手。あそこで意味を理解したことによる会場の一体感を生で感じつつ、あの場所にいる全員が恐怖に包まれる感触が、個人的になんだか私たちも地獄に堕ちてしまった気分にもなり鳥肌が立ちました。
役者さんが何度も同じお芝居をするこの地獄をタイトルの時点で実は表現していること、役者さんに地獄と言わせてしまうことも含めてめちゃくちゃ面白かったです!
読めない展開をここまできれいに全て回収するすごさ、小説を読んでいる気持ちにもなったし、芥川賞を目指す、芥川龍之介をテーマにしてるという劇団名決定秘話ラジオでお話しされてたことのその意味も実際のお芝居を観終わると理解できて最高でした。
まだ整理しきれていないところ
・↑でも書いた淳平くんのポジションや行動など
特に「編集部の人たち〜」のくだりが引っかかっている
・淳平くんはソラーを貯めたら良いということをいつ気づいた??
・プレイハウスに来る人は子どもの練習をしに来ている→ 他の人もやって来てる?ただそうなると無限演劇地獄ではない?(私の中では無限演劇地獄は冒頭からもう一度みんなでずっと同じことを繰り返しているという理解)
子どもの練習をするのは、もし人として生まれ変わるなら赤ちゃんからやり直す、子ども⇔大人という対比構造を示している?
・来世紹介所に行ったのは須賀くん1人だけのはずなのに、おじいさんには5人に見えていること。乱視があまりに酷いとしても酷すぎるな〜
もしかして、アクタゴンが5人組だから??
🆕・ゴホウビゴンってなんだろ、それも地獄の一つとしたらご褒美を食べさせられ続ける地獄とか…?
最後に
地獄。グリンゴン、キモイゴン、アツイゴン、イタイゴンetc…そして最も重いアクタゴン。
アクタゴンが届ける、いやアクタゴンだからこそ届けられた、この演劇の面白さを知ってしまった私たちもまた、あの鬼に誘われて武道館とアクタゴンに囚われ続けてしまうことになりましたね。
"一緒にいい想い出"が出来た、と。
余談ですが、淳平くんのポスト、武道館ってやっぱり特別だし、強い思い入れがあるから通常の「思い出」表記じゃなくて「想い出」を選んでるだろうなと分かりつつ、、解釈好きとしてはアクタゴンはずっとあの場所に囚われてるんだとしたら…みたいな風に考えるとより考えさせられるものがありますね。(←考えすぎですね、はい!)
・・・
改めて、とても幸せな演劇を届けてくださりありがとうございました!!!
好きな人のチームだからだという忖度など一切抜きで、こんなに心が動かされる演劇を応援している俳優さんが演じてくれたことがとても嬉しく、そして誇らしく思うし、私の中では一番好きで優勝していると胸を張って言える作品に出逢えたことに心から感謝します。
初めての演劇ドラフトはこれからもずっと忘れられないし、一生記憶に残る大切な想い出になりました。
p.s. 1時間くらいでざーっと書いたので、また時間がある限り見返して、ぼちぼち気になったこととか追記していきます。