いつか、きみと2-6
「な、」
必死でしぼりだしたはずの言葉が、そんな一言だなんて自分でもあきれる。
「荷物が増え続けたら、この【家】がいっぱいになって壊れてしまう。
そしたら…」
「え」
「だから、せめて一番古くからある一番大きな荷物を届けに、彼は出かけたんです。
…そしたら、連絡が途絶えて…」
「…」
「あなたのことは、見かけたこともあったし、彼から聞いていたので知っていました。
だから、昨日この手紙をみつけたとき、渡さなきゃと思ったんです」
「…」
「でも、もしかしたら、彼は戻れないところにいるのかもしれません…」
さっきから、話がまるでわからない。
【どこがわからない】じゃなくて、【どれも全部わからないしかない】
「とりあえず、ぼくは荷物を届けなきゃいけないので…」
「わたしも、手伝う」
「え?」
今度は、この子がキョトンと目をまんまるにしてわたしを見た。
「これ、届けたらいいんでしょ?」
一番近くに置いてあって箱を手に取る。
「!?」
「どうすればいいの?教えて!」
彼に会いたい。
でも、会える方法がわからない。
ただ、待っているなんてできないの。
だから、今、わたしができることをやってみるしかない。
少しでもいい、彼とつながる手がかりが欲しい。
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