いつか、きみと2-4
「お願い!教えて!」
両方の肩に手をおいて、揺さぶるみたいにしているのが、自分だなんてびっくりしてしまう。
「…あの」
「…お願い」
涙がとまらない。
だって、書いてないんだもの。
だから、納得なんてできない。
「あの、それは…」
「お願い」
「…ついてきてもらえますか?」
くるりと背を向けて、歩き始めた後ろ姿を追いかける。
知らない子。
よくわからないけれど、今を逃してしまったらもう彼につながる手がかりをつかむチャンスがなくなってしまう。
公園から、どれくらい歩いただろう。
道は整備されているけれど、歩いている人もいなければ、建物もない。
駅からもどんどん離れている。
ぽつんと建つ、白い建物の前で、足を止めた。
「ぼくは、ここで彼の仕事を手伝ってます」
「…彼の?」
「だけど、彼からの通信が途絶えたのが5日前で、その手紙をみつけたのが昨日です」
その子は、白い建物の入口の扉を開けた。
入ってもいいということなのだろうか。
一瞬迷ったけれど、わたしは建物の中に足を踏みいれた。
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