いつか、きみと2-3
「…?」
差し出された紙を、受けとる。
「それじゃあ…」
そういって、去ろうとしたその子の腕をがっちりつかまえる。
「待って!」
「!?」
「ちょっと待って!」
そんな衝動的なことをしたのは、受けとった紙に彼の名前が書いてあったから。
この子が誰なのか知らないけれど、今は彼とつながる方法を知っている人はこの子しかいない。
「ちょっと待って、ここにいて」
わたしはそっと紙をひらく。
「ルナちゃんへ
ちょっと遠くへ荷物を届けにいくことになりました。
…ごめんね。」
たった、それだけ。
ぽたり、ぽたりと涙がおちる。
意味が、わからない。
「あ、あの…」
つかまえたままのその子が、困惑した表情でわたしを見ている。
「この紙、誰に頼まれたの?」
「…そ、それは」
くちごもる。
「どこで、だれに、いつ頼まれたの?」
「…」
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