いつか、きみと2-2
「…はぁ」
結局、彼から連絡がないまま2日経ってしまった。
【会いたい】っていう気持ちよりも、不安の方が大きいのはどうしてだろう。
手袋を持って、公園へ向かう。
電車に乗っているあいだ、ずっと心臓が痛いくらい緊張して、公園の近くの駅についたときには、もう走りださずにはいられなかった。
息を切らして、いつものベンチに行くと、きっと彼が…。
半分、予想通り。
望んでいなかった結果が、そこにはあった。
いつものベンチに、いつもの彼の笑顔はなくて、身体じゅうからチカラが抜けてしまいそう。
ベンチにストンと腰をおろして、ずっとにぎりしめてきた手袋を手にはめた。
暖かいはずだけど、彼が手袋をはめてくれたときみたいな温かみは全然なくて、指の先が感覚を失っている。
ちょっと遅れているだけ。
…ほんとうに?今までこんなこと、なかったのに?
きっと、彼は来てくれる。
…ほんとうに?連絡もなかったのに?
わたしの中の、わたしとわたしが、戦い始める。
「くしゅん」
くしゃみがひとつでて、下を向くと、視界に黒い靴が見えた。
「!!」
思いきり、顔をあげた…けれど。
そこには、わたしの望んでいた姿はなくて、
「ルナさんですよね?」
子どもではないけれど、大人ともいえないくらいの姿をした、男の子がわたしに紙を差し出している。
「これ、届けてくれ、って頼まれました」
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