いつか、きみと。3-6
【それ】が【涙】だってわかるまでの、タイムラグ。
わたしの心と身体が、ちょっとだけ離れたところにあって通信しているみたいになる。
レンはわたしよりも幼いはずなのに、ときどきわたしよりも年上なのかと思うことがある。
…でも、年齢っていうのは身体ができあがったときの【記号】みたいなもので、知識や経験にはなんの関係もないものだと思う。
それに、おなじ年齢だったとしても、身体の作りや成長、大きさだって違うんだから、やっぱり年齢はただの【記号】のひとつなんじゃないかな。
離ればなれみたいになっているのは、わたしの【心】と【身体】だけじゃなくて【思考】もなのかもしれない。
そう思ったら、ちょっと笑えた。
「ふふふ」
取り乱して、涙を落としたあとに、笑い始めたわたしを不思議そうにレンが見つめていた。
「ごめんね。大丈夫。」
レンにそういいながら、涙をぬぐった。
今日、思い描いていた明日が、明日になったら来ないことはきっとめずらしいことじゃないんだ。
むしろ、今日思い描いている明日がくるって、信じて疑わないその感覚の方がずっとずっとおかしなことなのかもしれない。
…でも。
だからって、受け入れられるわけじゃない。
みんな、今日思い描いている、自分が望む【明日】が来ることを期待してるの。
「明日も手伝いたいけど…
明日は、お昼から手伝いにきてもいい?」
「うん、もちろん。」
レンがやさしく微笑む。
「じゃあ、明日のお昼にここで待ち合わせしよう?」
それでもやっぱり、わたしが望む明日を望んでしまう。
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