いつか、きみと・1-5
「よかったらあげるよ」
「ありがとう!」
わたしはそっと、その【写真】をポケットにしまった。
部屋には大きな窓があるし、緑も見えるしお日様の光も入るけれど、外も気持ちいいな。
「今日も帰ったら勉強するの?」
「うん、そのつもりだよ」
「がんばってるね」
「早くお仕事受けられるようになりたいから」
「そっか」
仕事はみんなそれぞれ自分の部屋で作業をしている人ばかりだけど、彼は今の時代ではとても珍しくて【肉体労働】っていう仕事をしているらしい。
彼みたいに【個人の家】に住んでいる人たちのために、荷物を届けているらしい。
電気で動く乗り物で荷物を運ぶのは、きっとすごく大変だろうな。
彼がどうして今の仕事をしているのか、いつからしているのかはわからない。
今はなんでも自動化になっているし、自動化するためのシステムを作ったりメンテナンスをする仕事をしている人が大多数だし、わたしの両親も”そういう”仕事をしていて、わたしも近い将来”そういう”仕事につく。
自動で機械がやる仕事を、どれもこれも人間がやっていた時代もあったみたいだけど、そんなことをしていたら、人がどれだけたくさんいても足りないんじゃないかと思う。
ゆったり子どもを育てたり、こんな風にのんびり過ごしたりする時間なんて、あったのだろうか…?
昔と今で変わらないものといえば、時間の長さだけ。
昔は1日が24時間じゃなくて、50時間や100時間あったというなら、仕事以外の時間ものんびり過ごせたのかもしれないけれど、24時間っていう長さは変わってない。
そうそう、太陽が少しずつ近づいているとか、温暖化が進んでいるといわれていた時代もあったと本で読んだけれど、いつからか少しずつ太陽が地球から遠ざかるようになったらしい。
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