いつか、きみと・1-3

基本のカリキュラムをクリアするまでは、親と一緒の部屋で暮らさなければならないけれど、クリアしたあとはそのまま暮らしてもいいし、1人部屋を借りてもいい。

わたしはせっかくいいタイミングだから、1人部屋を借りた。
両親と弟は、1つ先の駅の3人部屋にうつったけれど、よく一緒にご飯を食べているから今までとそれほど変わった気はしない。

「お仕事大変?」

「うーん、相変わらずだよ」

彼は、今でも【個人の家】に住んでいる。

世界が大きく変化したときに、人口も大きく減ったらしい。
理由は、貧困問題だったって教科書で習った。

今まで、人がやっていた仕事を機械が代わりにし始めたことで、仕事がなくなって生活ができない人が爆発的に増えてしまったと。

そして、貧困問題が悪化すると同時に少子化がどんどん進んで、国が大きな危機に直面した結果、国民をすべての建物に集めて生活をすることになったらしい。

あちこちに立っている建物は、すべて電車でつながっているし、必要なものは注文をすると届く。

でも、それはわたしの生活の場合であって、彼は必要なものは【買い出し】に行かなければならないらしい。

昔は【バス】っていう大きな車が地上を走っていたらしくて、個人でも車を持っている人が多かったらしいけれど、車は【自動化】にはデメリットが多すぎて生産が中止されたらしい。

たしかに、個人がそれぞれに【家】という建物に住んでいたら、移動や配送も大変だろうな…。

「次のお休みはいつ?」

「うーん、予定では5日後かな」

「そうなんだ」

昔は同じ年齢の人が【学校】っていう建物に集合して、授業を受けていたらしい。
土曜日や日曜日は、学校や仕事が休みだったらしいけれど、今は個別に授業を受けられるから自分のペースで勉強を進められる。


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