いつか、きみと・1-7
いつもこのくり返し。
だから、わたしたちが会うのはいつもこの公園。
ちょっぴり困らせることはできるけれど、それ以上ふみこめないのは、【嫌われたくない】とか【こわい】からかもしれない。
なんの接点もなさそうなわたしたちが出会ったのも、ただの【偶然】
「あの日も、こんな風に天気がよくて少し寒い日だったよね」
「…そうだね」
彼が目を細めて笑う。
わたしの右手をぎゅっとにぎりしめると、わたしの右手ごと彼のジャケットのポケットにいれた。
あの日は、今から3ヵ月前のこと。
冬の初めの肌寒い日だったけれど、わたしはこの公園に散歩にきていた。
さっき乗ってきた電車を、もう少し先まで乗っていった駅には、トレーニングルームやプールがある施設があるけれど、その日はメンテナンスで使えなかった。
部屋は大きな窓があるし、空調設備は整っているし、ターミナルから電車に乗るとトレーニングルームやプールに行けるから、わざわざ外に出るとか散歩をすることは滅多にない。
お知らせメールに気づかずに、運動をしようと思って出かけてしまったから、なんとなく外を歩いてみようと思ったんだ。
ちょうどこのあたりをキョロキョロしながら歩いていたら、荷物を抱えた彼にぶつかってしまった。
わたしもよそ見をしていたし、彼もよそ見をしていて、ぶつかってびっくりして、わたしはしりもちをついてしまったけど、全然痛くなかったのに、彼はものすごく慌ててたくさん謝ってくれた。
「痛くなかったし、わたしがよそ見してたのが悪かったのに」
そのときのことを思い出して彼にいう。
「ぼくもよそ見してたから、ぼくが悪いよ
痛い思いさせちゃったし…」
「わたしが勝手にしりもちついただけだよ」
「…ごめんね」
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