いつか、きみと・1-2

「もう、だいぶ昼だけど」

彼はそういってはにかんだような笑顔を向ける。
わたしは、この笑顔がだいすき。

「これ、」

さっき届いたばかりの【手袋】を彼に差し出す。

「手袋?くれるの?」

「うん。」

「ありがとう。うれしい。」

「うん。」

彼の笑顔をもっと見ていたいけれど、照れくさくて目をそらして隣に座る。

「暖かい。ありがと。」

彼はニコニコしながら、左手の手袋をはずして、わたしの左手を取る。

「??」

スポッと手袋を左手にはめられた。

「暖かい…」

「でしょ?」

「うん。」

恥ずかしくて、会話が続かなくて、自分のつま先を眺めていると、

「勉強、大変?」

「ううん、楽しい」

「それはいいことだ」

わたしは最近、基本のカリキュラムをクリアして、その先を学ぶカリキュラムに進んだ。

基本のカリキュラムをクリアすると、仕事を受けることもできる。
進み具合はそれぞれちがうから、10歳でクリアする人もいれば、25歳でクリアする人もいる。

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