戦力外通告者(ショートショート)

1308は、食品に毒物を入れた疑いがあるとして、殺処分されることになった。
1308は、看守の2808と3095に連れられて、地下の処刑場へとむかう。
ガラガラガラガラ
処刑場へと向かう途中ガラガラという音ともに、車椅子に乗っている子供がどこかに連れられていくのをもくげきした。
1308「あの子供は」
2808「かわいそうになぁ、あの子は重度の障害を持ってて、労働者として適性がないと国から判断された戦力外通告者だ」
1308「まさか、あの子殺処分されるんじゃないでしょうね」
2308「……君が知る必要はない」
3095「先を急ぎましょう」
1308は、何か底知れぬふつふつとした感情が湧き出した。
まるで、私たちは奴隷のように扱われているからだ。
1308は、子供を助けようと決心して、2308と3095の肩を薙ぎ払い車椅子を追いかけた。
2308「あの、わからずや何をする気だ。」
3095「おれら、工場出身者に人権は適用されないというのに、あの子を助けたところで何になるんだ。」
2308と3095は、暴走した1308を、おいかけて、国に発砲の許可を、申請した。
国は、「はぁ、貴重な労働者を失うのは、悲しいが、反省する気がないのなら、しかたない予定通り殺処分しろ、逃げた場合は、発砲を許可する」
これが、国の答えであった。
1308はやっとのことで、車椅子に乗っている子供のところにたどり着いた。
8808「あなたは、だれですか。」
1308「どおいて、この子は、私が預かる」
8808「ダメですよこの子は殺処分するということになっているんですから」
1308「あなた、この子を何で殺されないといけないの、何の罪も犯してないというのに」
8808「しかし、国の方針ですから」
1308は、どいつもこいつも腐ってやがると思った。
8808がもっている車椅子に乗っている子供と1308は、不用物殺処分場へと着いたのだ。
プルプルプルプルプルプル
8808の電話が鳴った。
2308「もしもし、こちら2308、1308はきていないか」
8808「1308かはわかりませんが、部外者が現れて車椅子に乗っている子供を拐おうとしています」
2308「そいつが、1308だ射殺しろ」
8808は電話を切って、あたりを見渡すと、1308と車椅子に乗った子供はいなかった。
1308は、車椅子に乗った子供とともに、一階ロビーに向かい。国際処刑場からそとにでた。
1308は、頬に書いてある番号を押さえながら、工場で生まれていない普通の家庭がならぶ住宅街へとやってきた。
その入り口には見張りがいる。
先程、8808から奪った銃で、狙いを定め見張りを打つことに成功し、住宅街に侵入することができた。
工場出身者であると、バレてしまっては、いけないと思った1308は、マンホールの蓋を開けて、車椅子から子供を抱き抱えながら、中に入って、マンホールの蓋を閉めた。
時々、1308は中から、マンホールの蓋を開けて外に出て、ゴミを漁り、食料を確保して生活していた。
そんな生活をしていた時、捨てられている新聞を拾った。
その新聞には、片栗玄弥のことが、書かれていた。
国が人間を作るようになったのは、片栗玄弥の思想のせいである可能性がたかく、今では歴史に影響を与えた人物である。。彼は生前蘇生術に興味をしめし、死後から50年経ったら、蘇生して欲しいと頼んでおり、死後彼の意向により、片栗家の地下には彼の遺体が保存されているという記事が記載されていた。
1308は、片栗玄弥の遺体が保管されている片栗さんの家に向かった。
1308は、彼と出会ったら、なにか変わるかも知れないという期待を持っていたのである。
片栗玄弥さんの家のインターホンを鳴らすと、片栗玄弥の孫娘がでてきた。
孫娘は、1308を見ると、鼻を摘み嫌な顔をした。
1308は、ドアに足を引っ掛けて「お願いです片栗玄弥さんにあわせてください」と言った。
孫娘は、1308を家にあがらせて、お風呂で体を洗ってからあわせてあげると約束してくれた。
1308は、片栗玄弥さんを目覚めた後、障害のある戦力外通告者が殺処分されない世界を目指そうとこころにきめたのだ…



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