フレッシュ滅亡サラダ(ショートショート)

「フレッシュ滅亡サラダという言葉を知っているか」
瞑想心理学のポセイドン教授は、生徒たちにこう問いかけた。
大半の生徒たちは、答えを導くことができずに、黙り込んでいる。
数時間静かな沈黙が、続いていたが、とある生徒が手を挙げた。
この生徒の名は、宮下みどりという。
彼女は難儀な性分を持ち合わせている可哀想な女だ。
「フレッシュ滅亡サラダという言葉の意味は、国が滅亡するときには、一つの要因だけではなく複数の要因があるという意味を表した単語ではないでしょうか。」
ポセイドン教授は、宮下みどりが、出した答えに、感心した。
「きみは、瞑想心理学の考え方についてまったく知らないようだ」
教授がそう呟くと、黙って聞いていた生徒たちが口々に、「瞑想心理学ってなんだよ」と言い出した。
「まぁ、まぁ、落ち着きたまえ君たち、瞑想心理学において、絶望、滅亡、破壊は、自然の流れによって起こるとされているすなわち仕方のないことだ。そしてさっきの問い、フレッシュ滅亡サラダとは何かということだが、滅亡や破壊信じられないものを素直に受け入れてしまう人間の適応心理をさしているのだよ」
ポセイドン教授は、そう言って生徒たちを静かにした。
しかし、静かにならなかったのである。なぜなら、宮下みどりが「でも、なぜフレッシュサラダが入っているんですか」と言ったからだ。
宮下みどりの問いかけに、頑張ってポセイドン教授は、「それは、人間が、受け入れがたいことを受け入れる時、複数の感情が、芽生えているその主な感情が、呆れだ。あきれるという字は、口に木と書くすなわち自然に芽生えた感情が複数存在しているまるでサラダのように、このことからそう言うんだ。」と答えた。
全て口から出まかせで、これで理解するだろう最近の若い人は馬鹿だからと、鷹を括っていると、「それだったら、滅亡サラダでいいでしょう」と宮下みどりに突っ込まれてしまった。
こまった教授は、「フレッシュをつけといた方が、活力があるように、感じるでしょう」と答えたのだ。
その後、ポセイドン教授は、教授でもなんでもなかった。
学のないポセイドンは、人に教える偉そうな立場に、一度でもいいから、なりたかったのである。

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