May J.がメインになる時が来た……のか?
May J.がアツい。
もうみんなMay J.を無視できなくなっている。
というか私が今までスルーし続けてきていたのだけれど、さすがにそうはいかなくなった。テレビをつければMay J.が幸せじゃなさそう(不幸そうではない)に歌っているし、街を歩けば♪ありの〜んままの〜ぅとMay J.版の「ありのままで」が流れてくる。なんか自分語りするCMにも出始めたし。
Wikipediaを見てみる。May J.は名前の「芽生」とミドルネームの「ジャミール」から来てるそうだ。へー。スクロールしていくと、青山テルマや宇多田ヒカルや一青窈と同じ学校だったという、ビックネームと並ばせることでなんとなく箔をつけているように見えなくもないエピソードが書かれている。
ああ、こんなところでもMay J.はサブっぽさを醸しているのか……。
そう、May J.はサブカルならぬサブ感歌手である。幼い頃からの輝かしい経歴はあるし本人名義でのCDも出してはいるものの、売れているのはカバーアルバムのほう。Wikipediaのディスコグラフィーを見ると、本人名義よりもカバーとコラボの曲名のほうが圧倒的に量が多い。デビュー曲からしてVERVALとのコラボだ(ちなみにVERVALには「フィーチャリング力」という著作があるそうだ)。歌は上手いのにどうも響いてこないのも歌っててもなんだか幸せそうじゃないのも、サブポジを自覚してるからだとしたら悲しい。
バラエティで有名になったのも、カラオケで採点マシンからどれだけ評価されるかというのど自慢対決で強かったからだ。他人の歌のカラオケ歌唱が抜きん出て上手い。サブ感。
大ヒットの『アナと雪の女王』の劇中歌「ありのままで」も、May J.版はエルサ役の松たか子が劇中で歌うもののサブとしてエンドロールだけで流れ、あとは「みんなで歌おうキャンペーン」のイベントに駆り出されエルサのコスプレをして一般観客と歌うというサブらしい仕事をしていた。
とはいえ、バラエティ(『関ジャニの仕分け∞』)のカラオケのど自慢では26連勝の無敗の王者。May J.がコーナーのシンボルつまりメインであったわけだ。May J.メイン!(ダジャレです)
ところが、先日ついにサラ・オレインに敗れてしまった。よりによって「ありのままで」のオリジナル英語詞版「Let It Go」対決で。なんという皮肉。……でもサブ感歌手May J.としては花マルだよ!おばちゃんこれ見て応援したくなったもの!
ちなみに「ありのままで」は松たか子版とMay J.版では歌詞が違っていて、May J.版では松版にはない「私は自由よ」というフレーズがサビに3回も登場する。「ありのままの自分になるの」「私は自由よ」……May J.が声を張り上げれば張り上げるほど悲しい。がんばれMay J。
しかし、先日May J.がついにメインになるのではと思わせることがあった。ものまね歌手の出現である。ものまねのベテラン西尾夕紀が、May J.の歌真似をテレ東の番組で披露していた。すごかった。May J.の歌声の甘ったるさやブレスの大げささが増幅されて、May J.よりもMay J.らしいほど。
世間でなんとなくモヤモヤしたものを抱えつつすっきりしないまま受け入れられているものは、あざやかな批評によって解釈が与えられると、とたんに受け手のスタンスが明確になり消費しやすくなるものだが、西尾夕紀のものまねはまさにあざやかな批評であった。あれが多くの人の目につくようになったら、みんながMay J.の個性を認識して(サブポジからの脱却!)、ものまねの真似をしたりするかもしれないし、スルーせずに好きか嫌いかというスタンスを示したりするのではないだろうか。よかったMay J.!May J.メイン!
というわけで、サブにサブ(ものまね)がつくことでメインになるかもしれない予感があり、わくわくしている。サブって二番手の意味だけどサポートの意味で使われることもあるし。
ただ、この西尾夕紀によるMay J.のものまね披露だが、フルコーラスで歌われたのはMay J.版よりも似ていない松たか子のものまねのほうであって、歌披露のあとのトーク部分で「May J.さんのもできるんですけど、松さんのほうがいいかなと」という文脈でさらっと触れる程度になされたものであったことを言い添えておく。ここでもサブ。まけるなMay J.。
【余談】
May J.の芸名は最後にピリオドがつく。というのを全文を書き終えてから知った。note上で書いていたものをわざわざテキストエディターに移して置換するのもなんだか面倒に感じたので、ひとつずつピリオドを打ちなおした(そのほうが面倒だというツッコミ、そのとおりです!)。せっかくなのでひとつだけピリオドを打たずにおいたので、お暇な方は探してみてください。。
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