「ゆづまち時代」が来た？男子フィギュアが異常に面白くなってきた件

やっほージャニヲタでーす！でもジャニじゃないことも書きまーす！

私は長らくフィギュアスケートのお茶の間ファンで、例に漏れず浅田真央ちゃんを応援してきたのだけれど、そろそろ真央ちゃんも引退するのかな、そしたらもう競技会のプロトコル（細かい採点表）を見て「真央ちゃんのあのジャンプを回転不足にするなんて！」「あの選手のエッジエラーはなぜ見逃す」とイライラすることもなくなるだろうし、平和にゆるーく見られるだろうな、フィギュアファン卒業だな、なんて思っていたのです。

が、甘かった。

時代は常に次のスターを用意するんです。まさかの男子で。 

あ、ちなみに真央ちゃんも高橋大輔選手も引退を表明してるわけではないです。ただ、彼らはもう十分に厳しい選手生活を戦ってきたのだから、スケート連盟やファンからのメダルへの期待などに縛られず、楽しく滑ってほしいなとファン心理で勝手に思っているだけです。 

 話は戻って、男子にニューヒーローが現れました。まずはみなさまご存知の羽生結弦選手(19）。まぁ彼はジュニアの頃から活躍しまくっていたので想像できなくはなかった。成長スピードは異常に早かったけど。そしてもうひとり、町田樹選手(25）。こっちが予想外。

町田樹選手はティムシェルをはじめとするその語録でも注目されてるけど、まぁとにかく信念が強い。4年前にバンクーバーオリンピックの第一補欠になった時から、ソチを見据えてコンパルソリー（規定の型を滑るフィギュアの基本）を身につけ着実に成長してきた、らしい。それでも、２年前は町田くんがソチ代表になると思っていた人はあまりいなかったと思う、そんな成績でした。

大体、オリンピック代表になるような選手は既に国際大会での実績を持っていてスポンサーもついているものなのに、町田くんは世界選手権にも参戦経験がなくスポンサーもいなかった。ソチ選考の対象となる全日本選手権だって、シードや予選免除にはならず、地方予選からの参戦。そこから勝ち上がってきて全日本２位。そしてオリンピック５位、世界選手権銀メダル。今や世界ランキング３位。マジか。そんな漫画みたいなことあるのか。

一方、優等生発言と女子のようなスマイルが印象的な羽生選手も、勝利への執念がすごいのだそう。アスリート仲間ですらひくほどらしいから相当なものなんだろう。東日本大震災で被災してカナダのクリケットに拠点を移してから、あのキムヨナ選手を育てた名伯楽オーサーコーチの元で、とにかく「勝てる」スケートを磨いてきた。得点要素をギチギチに詰め込んだ鬼プログラムで、昨シーズンまで世界選手権三連覇の「絶対世界王者」パトリック・チャンを今シーズンで追い詰め、ついに抜き去ってしまった。グランプリファイナル、オリンピック、世界選手権すべて金メダル。もちろん世界ランキング１位。マジか。強いとは思ってたけどそこまでか。

で、これだけなら「日本男子も強くなった！」だけで終わるんだけど（それもものすごいことなんだけど）、このふたりがキャラ立ちしすぎていて、ちょっと目が離せないなーという展開になってきました。

自分は氷上のアーティストだと公言し、演技終了後もガッツポーズなどをせずに最後まで背筋を伸ばし陶酔した表情で演じきる町田くん。「誰も跳んだことのないジャンプを跳びたい」と三冠を果たした後も勝負へのガッつきを隠さず喘息の体にムチ打ち、演技後は息も絶え絶えで氷の上に座り込む羽生くん。

年齢的には町田くんが先輩だけど、先に世界の舞台でトップを争っていたのは羽生くん。その羽生くんに町田くんが今シーズンの最後ににじり寄った（世界選手権での得点差は、わずか0.33！）。世界選手権後のインタビューでは町田くんが羽生くんの金メダルを指さして「来年もそれ目指すから」「容赦なくぶっ潰しにいきます」とあの迫力のない声で宣戦布告し、羽生選手はあのクニャッとしたスマイルで「僕も目指します」と応えました。わ〜、和やかな雰囲気なのにバチバチしてる！でもなんだかふにゃふにゃしててふたりともかわいいな……（うっかりジャニヲタ目線）。

かつてロシア男子がめちゃくちゃに強かった頃、ヤグディンとプルシェンコという兄弟弟子関係にあるふたりが金銀争いをしていました。その「ヤグプル時代」に続くまさかの「ゆづまち時代」が来ちゃったのかも？という感じ。

日本男子はこのふたり以外にも、高橋（世界ランキング６位）、小塚（同１０位）、無良（同８位）と世界のトップレベルの選手がいて、史上最強の時代を迎えています。もちろん世界にも個性が豊かすぎるスケーター達がいる。今まで興味なかった方も、見るなら今からがいちばん面白いと思います！その中でも「ゆづまち」は点数は近くても演技/構成のタイプがかなり違うので見応えがあるし、羽生or町田のどちらかにはハマれるんじゃないかな。

で、私は、来シーズンに向けてルールの勉強をしたいなと思っています。オリンピック後には大きなルール改正があるからというのももちろんなんだけど、ルールを最大限に利用する羽生選手の凄みをちゃんと理解できたら楽しいだろうなと思って。今週末には初のアイスショー観覧に行く予定。どこがフィギュアファン卒業だ、どんどん深みにはまってるじゃねーかとセルフツッコミしつつ、すっごくワクワクしてます。