受講生・修了生と良い関係性を構築する
私が主宰する教室では、 受講生からの、「修了しても卒業はしませんから」という嬉しいお声により、修了された方対象の継続サロンを構築し、修了後もご縁が繋がっています。
普段は、「受講中の方」も「修了後の方」も、「受講生」と表現することはありますが、それぞれで関わり方が異なるので、ここでは「受講中の方」を「受講生」、「修了された方」を「修了生」と分けて綴っています。
関わり方の違いとしては、「受講生」とは「師弟関係」を持ちますが、「修了生」になると「仲間」として接しています。
通常、受講を終えられた方とは疎遠になってしまう教室も多いかもしれませんが、私が主宰している教室では、むしろ修了された後にさらに関係性が深まっていきます。
▼ 「受講生」との関係性
「受講生」との関係は、必ず結果を出すためにあえて「先生と生徒」という距離を保っています。
そのわけは、「お友達」感覚だと「またいつでも聞けるから」という甘えが出てしまうため、最短のレッスンで結果を出すことが難しいからです。
実際、初めて知ってくださった方と、古くからの友人とで比較すると、初めて知ってくださった方の方が、習得が早いです。
「先生と生徒」だからといって厳しくするというわけではありませんが、講座(レッスン)の中では「先生と生徒」としての関係性を持ちます。
些細なことで言うと、例えば終日講座がある場合、合間のランチタイムは、同行しません。それにより、講座の合間が受講生同士のシェアタイムになるという効果もあります。講師がいるとどうしても講師に質問し、講師が主体の会話運びになることが多いですが、講師がいないと自分たちで「さっきの〇〇ってこういうことだよね?」といったアウトプットをする時間となり、学びを深めることができます。インプットしたことをアウトプットして初めて学びが自分のものになるので、そういった時間を持つことはとても大切だと考えています。
▼ 「修了生」との関係性
「受講生」とは「先生と生徒」の関係性を保つと書きましたが、「修了生」とは、「先生と生徒」という関係性ではなく「少し先行く先輩と後輩」という関係性でいるようにしています。
そうすることで、良い関係性を長く続けることができます。
優秀な修了生とずっと良い関係性を築いていることから、「どうしたら成長した方ともずっと良い関係でいられますか」と、起業仲間から聞かれることが多いです。
これはどういうことかというと、たいてい、能力が高い受講生は巣立ってしまい、コミュニティには残らないという傾向にあるようです。
これに関しては、「講師が修了生をどのように扱っているか」に大きく起因すると思います。
例えば、講座やイベントを開催する際に、修了生に報酬を支払わずに手伝ってもらっていると、成長して、自信が持てたら巣立っていくのではないでしょうか。
私自身、無償で5年間着付け教室のアシスタントをしていましたが、やはり自分で教室を開講するとなった際は、その教室から離れましたし、そういう選択肢しかありませんでした。
つまり、修了生を見習いのような扱いをしていたら、見習いから卒業したいと思ったとき、そこには居場所がないからです。
これを防ぐには、先ほども挙げたように、修了後とは「先生と生徒」としてではなく「仲間」として迎え入れることと、自身の講座などでサポートしてもらう際は、「見習いであっても自分と同じ算出方法で割り出した「報酬」を受け取ってもらう」という点が大きいように思います。
▼ 「修了生」と一緒に教室を作る
教室やコミュニティは、自分一人で創るのではなく、自分を選んでくれた「受講生」や「修了生」の意見も取り入れるようにしています。
意見をすべて受け入れるわけではありませんが、「要望」や「まだ言語化されていない心の声」も受け取り、それがビジョンに沿ったものであれば、採用しています。
それにより教室の一員として関わってくれるようになります。
さらに、修了生の中で、希望してくださる方には教室内での「役割」も付与していきます。
「あなたからずっと学びたい」と言ってくださっている方に、得意なことで貢献してもらうことは、講師にとってありがたいだけでなく、修了生にとっても「先生から頼られた」ことは喜びにもなりますし、成長にも繋がります。
さらに、教室に「居場所」を感じてもらうことができ、長く関係性を続けることができます。
起業初期は特に「まだ人に頼るのは早い」と思うかもしれませんが、最初は「ごっこ遊び」感覚でよいのです。
お任せする内容も、難しいことではなく
◎おいしいものを食べることが好きな人にはお店を選んでもらう
◎イベントを企画するのが得意な人にはイベントの企画をお願いする
◎リーダーシップのある人にはランチ会の幹事をお任せする・・・など
それぞれの得意な分野をお任せすることで、強みを発揮してもらうことが出来ます。
☆
特に、頼ることが苦手な人が、人に頼れるようになると、「頼ること」と「頼られること」の両方ができるようになって、人生の幅が広がり、成長すると言われています。
そういう点からも、任せることや頼ることは、お互いにとって良いことばかり。
私自身も、以前は、人に頼ることが苦手で、「こんな面倒なことを人にお願いするのは申し訳ない」とか、「自分でやった方が早い」と思い込んでいました。
しかし、家族が入院して限界がきたとき、修了生のコミュニティに「誰か助けて―」と言えた時が自分の転機でした。
「教室のお掃除します」「お子さんの送り迎えします」「なんでもします」などと言ってくれて、人に甘えることを覚えました。
その流れもあり、継続サロンメンバーの得意なことを、どんどんお任せするようになりました。
秘書的なことや事務管理、動画編集などで人の手を借りることで、自分は、自分にしかできないことに注力ができ、格段に効率があがったのはもちろんのこと、頼られた方も「先生から頼られた・任された」ということが自信となり、とても良い循環を起こすことができます。
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