子供を自立させたいならまず親の自立
息子が単身での長期留学を開始したのは中学3年生の2学期から。
高校生の正規留学のスタートはだいたいその時期から始める場合が多いかと思う。
子供が『留学する』と大騒ぎした時はそりゃ驚いたけれど、いざ実現!となった時でさえ、私は手放す恐怖というのは今に至るまでは感じたことがない。
よく周囲の人にこんな事を言われる。
『よく家から出す勇気があるね』
『子供と離れて暮らすなんてありえない』
とにかくそんな幼い子供を異国の地へ放り出すだなんて凄すぎる…と。
”正気の沙汰じゃない”
恐らくそんなことが言いたいんだろうと思う。
確かに親も子も、ある意味、気が狂っていなければ辿り着かない進路なのかもしれない。
たとえば特別な教育をしている家庭は違ってくるだろう。
スポーツやダンスなどの驚異的な才能があり、海外進出するお子さんならあり得る話だけれど、
ただ単に読み書きが不自由な発達障害児が『英語を学びたい』というだけのある意味ギャンブルのような試みに周囲の人たちも唖然としたのかもしれない。
しかし時折そんな私たちの教育方針と、生き生きと海外生活を送る息子の姿に関心を持ち、自分の子供も海外留学をさせたいのだという相談を息子の同級生の親などの身近な人から受けることがある。
やはりこれからの時代、自分の子供も自立心を鍛えてやりたい。
そんな風に話を振られたら私としても嬉しくなる。
何かお役に立てるならば何でも聞いてよ…という想いになる。
しかし話を進めていくうちに首をかしげるしかなくなる内容に、私の表情にも陰りが出る。
なぜなら留学させたいんだと言っても、『誰かが何とかしてくれる』と思っている親が多いように思う。
短期か長期か?すらもはっきりと決めていない。
留学の目的もよくわからない。(ただただ自立というワードを口にはする)
行かせたい国のリサーチもしていない。
行き先に関しては、ウチの息子と同じ場所でいいのだとか言い出す。
挙句の果てには、留学の段取りの一通りの流れを知っている私に全て押し付けようとしている意思も見え隠れするではないか…
(エージェントや学校にちょっと聞いてみてよ~etc)
はぁ?
本気ならば自分で問い合わせてね!である。
私はよっぽど暇そうに見えるようだ。
我が子の留学の段取りやら何やら仕事を抱えながらも当然自分でやってきたのだから。
このような甘えた考えの人間に腹が立つのも仕方がない。
そんな人に伝える言葉を私は既に決めている。
『自立させたいなら友達と同じ場所だと意味ないかもよ?』
その言葉が気づきの”きっかけ”になっているのならば幸いである。
そのまま留学の話はフェードアウトという展開が一般的だから。
子供の自立心を鍛えてやりたい。
本気でそう思っているならば、まずは親が自立しなければならない。