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高校留学から学んだ子育てとは

2020年に世界を騒然とさせた流行病
新型コロナウイルス感染拡大により人生の方向性が大きく変わってしまった人は珍しくない。
中学3年生から単身留学を頑張っていた我が息子もこのことで帰国を余儀なくされてしまう。

高校卒業までセブで頑張らせようと思っていた矢先の思わぬ事態だった。
意地でも継続しようと思えば出来ないこともない、しかし私たちが選択したのは完全撤退

子供を一人で留学させているとなれば留めさせるわけにいかない事態が現地ではあった。
ロックダウンや様々な規制は日本のように要請ではなく強制という文化である国とっては、本当の死活問題が起きている。

失業者が国に溢れかえり、経済破綻は犯罪を増加させた。
話を聞いているだけでもう住めないと判断し、やむなく留学断念となる。

マレーシアにて9年生を終了し、そのままフィリピン・セブ島にて10年生をスタートさせ11年生までの2年9か月の留学生活。
その終着点は12年生の卒業式だと思っていた。
高校生活修了の晴れ姿を私も現地へ飛んでいき見届けるという景色を想定していたのに全く違う未来が待っていた。

高校3年生という微妙に編入が難しい時期にこれから新たに学校選びと受験が待っているのだから。
考えただけでゾッとするけれど、コロナによる予測不能な生活に迷い込んだのは我が家だけではない。
与えられた道筋を良い事と考え進むしかないのである。


思い返せばこの東南アジア留学は無謀な試みだったのかもしれない。


学習困難児が進路に困り唯一大好きな英語を活かすために日本を飛び出した。
マレーシアでは留学エージェント選びに失敗したスタートだった為に随分と苦労をしてしまった。
日本からサポートする私も大変だった。
けれど現地に放り出された中学生の息子が何よりも想像もつかないほどの苦労をしたのだろう。
マレーシア時代の息子は中学生とは思えぬ、大人のような面構えをしていたことからも苦労が感じ取れた。

セブへ転校してからはマレーシアよりも恵まれた環境に気が緩み、一気にワガママボーイになってしまった。
お世話してくれる人たちに生意気なことをたくさん言って、たくさん迷惑をかけた。
しかしフィリピンという日本とは異なる文化の中で生きることは苦労ナシではいかなかっただろう。


そして何よりも親の私も学んだこともある。


子供はみんなで育てるという意味を深く理解したこと。


これは大きな学びだった。


マレーシアでもフィリピンでも学校のお友達が家族ぐるみで息子にとても良くして下さったことが気づきのきっかけだった。


親御さん達のご厚意でお腹いっぱい食べさせて頂いたり、旅行に連れて行って下さったり、中には「モデルになりなさい」とモデル事務所に連れて行ってくれたり(笑)少し変わったお世話をしてくれる人もいた。


そんな風に縁もゆかりもなかった方々から信じられないくらいの恩恵を受けてきたにも関わらず、私は言葉が不自由なために(日本語しか出来ない)直接お礼を言うことが出来なかった。
贈り物をしたりとつまらないことくらいしか…

世界には見返りを求める事なく息子を育てて下さる人がいた。


感謝してもしてもしきれないという経験。


自分もそうでなければならないんだと私は知ることになる。

その人たちがしているように見返りを求めずに自分の手の届く範囲で出来る事をすればいい。
私の周りにいる子供たちを大事にすることなら私にも出来る。
息子を大事にして下さったという感謝を別の誰かに与えていけばいいだけのこと。
そしてそれがまた連鎖になる、かもしれない。


みんなで子供を育てる


子供を旅立たせることによって得た収穫であった。


ありがとうございました


東南アジア


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あおいろ
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