【映画ネタバレあり】ドラゴンクエスト ユア・ストーリーの良いところと悪いところ
視聴済みの方向け、ネットでネタバレだけ見てクソ映画だと断じてしまった方向けです。
ネットでかなり評判が悪いとされている本作ですが、結論からいうと僕は楽しめました(評価が荒れているので気になって見に行きました)。ドラゴンクエスト自体はほぼやったことないのでファンの方からしたら納得されない部分があるのはよく分かります。この映画はドラゴンクエストⅤ天空の花嫁ではないからです。
ストーリー全体
序盤はゲーム本編の映像がパパパッと流れていく。全てを2時間でやる訳にいかないのでかなり端折られています。面白い演出だなと思いました。このゲームのドット絵から3DCGへ切り替わる時、時代の流れと技術の進歩を感じるし、ドキドキさせられる。初見でもなんとか大まかな流れは把握出来ました。
そして本編に入っていく訳ですが…思ってたより重い…主人公リュカの母は幽閉、父は息子を庇って焼かれ、リュカと王子ヘンリーは奴隷へ。かなり凄惨な幼少期を過ごし青年へ。原作との相違は分からないけどラストまでは子供も大人も楽しめるストーリー構成なんじゃないかな。
音楽、グラフィック、凄いなぁと。表現はかなりアニメ的で表情が良く動く。奴隷から脱出するためにオークの監視をタルで躱したりとか、荒野をバックに魔物から逃げるシルエットとか、フローラとリュカのやり取りで顔真っ赤になる(可愛い)ところとか。それでいて魔物たちの質感とかビアンカやリュカの痛そうな生傷の跡とか。
ビアンカは特に可愛くて好きで、目とか口の動きがアナ雪のアナを思い出した。日本の技術でもやってやれんぞ!って気合いが見られた。ビアンカ好き。有村架純も好き。
ラストシーンに繋がる伏線として、ドラゴンおじいちゃんのプサン(好き)が妖精のダンジョンに向かう前、リュカとやり取りします。リュカ「ロボットが妖精を守るなんて変じゃない?」プサン「知らんわ今回はそうなっとるんだわ」
あっ…これパラレルワールドかゲームの中の話だわ…っとこの時点で気づいた。他にもリュカの母が今回のって言葉を使ってましたね。ドラゴンクエストってゲーム原作だし、ほぼゲームの中の世界だなと。そんでタイトルユアストーリー。これ主人公はゲームをする人だなと。
ラストシーン
ミルドラースの姿を借りてゲームをぶっ壊しに来たウィルスがやってきます。主人公は体感型ゲームをプレイしているだけの存在だとネタばらし。ここでフローラプロポーズの際のじこあんじや、今回はそうなってる発言の伏線が回収されます。只の設定だったんだと。これは所詮ゲームだと。
僕自身はメタフィクションって結構好きなんですが、子供からしたらよくわかんない展開だと思うし、ドラゴンクエストを見に来た人からしたら「それ虚構だよ」って言われたようなもん。とってつけたようなスライムのアンチウイルス要素、主人公もいつもビアンカだし今回はフローラにしとくか!みたいな軽薄発言、この世界は確かにあったんだ、とか言われてもそれ以前の喪失感が凄くて説得力がなさすぎる。これドラゴンクエストの名前冠する必要あるか?ってなもんで、いや、こんだけ話題とインパクトを与えるのはドラクエだからって考えもあるけど…
と、ラストシーンの悪いところをあげつらったけど良いところもあって、最初のドット絵ゲーム画面は演出だけじゃなくてゲーム世界を表していたんだという回収。あと重要なのはフローラが占いばばあに変身して、本当はリュカはビアンカが好きだと気づかせたシーン。ゲーム設定ではフローラルートに行くつもりだったのに、それをフローラってゲームの存在が壊してるんですよね。これは良い設定だと思っていて、ゲームの存在にも意思があることを示してるんですね。まぁ謎の薬はどっから来たんだとか一番最後のビアンカが話しかけてくるシーンとかが虚構過ぎて(怖い)そんな設定も飛ばしてしまってるとか突っ込みどころは満載だが…
終わりに
ラストシーンとそれまでを別個で見れるなら楽しめるのではないかな。ゲームの世界に没入出来る人であればあるほどこのラストは裏切られた気分になると思う。
僕はゲーム自体は大好きで、ゲームの世界に入ってみたいって思ったことは何回もあるしワクワクした。軽薄そうにみえた主人公のフローラビアンカルート発言もゲーマーなら普段やってることなんだよね。
メタフィクション的にもそんなに納得のいく出来ではないので、ラストシーンは微妙だった。ありきたりだしね。タダでさえ時間がないのにラストシーンを尖らせたせいで時間が足りなくて取ってつけた感が凄いし。でも前述した通り楽しめる要素もいっぱいあったなと思いました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?