【映画レビュー】ハナガサイタヨ惡の華が
本記事は映画、漫画、惡の華のネタバレを含みます。僕は原作ファン、アニメ視聴済みです。
漫画の実写化は荒れる傾向にありますが、もうアニメの時点で荒れに荒れていたので何が来ても大丈夫だぞ、という気持ちで見に行きました(アニメはロトスコープ自体は割とアリ、最終回はちょっと…派)
率直な感想を言うとめちゃくちゃ良かった!ただ不満な点もなくはないので両方触れていきます。
キャスト陣の熱演
玉城ティナが良い、めちゃ良い!仲村さんは強烈なキャラクターなのでどうかなと思っていたが、多分、目が良いんだろうな、あと姿勢。仲村さんの不安定さを表現できてた。
正直中学生には見えないし(主人公の春日他もそうだが)美人すぎるのでかなり浮いていてそりゃ春日もついていくよなぁ!?って感じはしてしまったが、途中から原作とは違った仲村さん、仲村ティナさんが爆誕していたように思う。仲村ティナさんは官能的過ぎるし原作とは違って顔をくっしゃくしゃにして泣く。玉城ティナの中の仲村さんといった感じで役に自分を落とし込んでいた。最高だ。
主人公春日役の伊藤健太郎の演技も力入ってる。身体が仕上がりすぎている。読書好きのなよなよ春日には見えないが、叫びや衝動は良かった。露骨に裸を見せるシーン多かった。女性への配慮だね!
佐伯さん役の子が一番それっぽかった。撮影時15歳らしい。芋っぽさはあれど、将来しっかり化粧とかしたら美人になるなっていう本当に中学校に居そうな可愛さのリアル感。高校生編の「がっかりした」も良かったね。
常盤さん、かなりそれっぽかった。高校生編は尺の都合上かなり削られているので見せ場がないのが残念。
春日の友人、それっぽくキモいしウザくて原作ファン歓喜。(まぁ中学生には見えないが)
佐伯さんの友人、木下さんはかなり好きなキャラなのだが尺的にほぼカットされていた…しかし、めちゃくちゃイメージぴったりのキャスティングだったので救われた。
場面構成、演出について
不満が残るのは場面構成。原作は時系列順に話が進むのだが、本映画は中学生編の区切りごとに高校生編が挟まる。これによってクールダウンしてメリハリつけたいのは分かるんだが、かなり原作の良さを殺してる。
まず、高校生編で春日は佐伯さんに偶然会い、もう仲村さんとは会っていない、という。これ展開の公式ネタバレなんだよなぁ…この後に櫓の上で演説するクソムシ櫓祭りがあるのに…(僕が勝手にそう呼んでるだけです) 櫓にガソリン撒いて春日を突き飛ばす注目のシーンなのにもう二人とも助かってることが分かってしまうんだよなぁ…
他にも、いきなりヤンキーのおでん蹴っちゃってカツアゲされるシーンで春日が「クソムシが」とか言うから仲村さんのこと引きずって高校生を生きてるのが中学生編見る前から分かってしまうし、なにより、高校生編入ったらラストシーンまで仲村さん出てこないっていう喪失感がかなり重要なのに、交互に挟まってすぐ出てくるから空白の期間が感じられない。非常に残念。
演出は監督がホラーよくやってる井口昇さんということもあってか、惡の華のCGとか音響周りがホラーっぽいなと感じることが多々あった。
中学校の校舎に忍び込んで教室をぐちゃぐちゃにするシーン、かなりこの作品のキモなのだが、あそこは満点。春日の吹っ切れ方もいいし、仲村さんの興奮も伝わってきた。魅せ方もリーガルリリーの歌も合ってた。
クソムシ櫓祭りのとこは実写だから予想はしてたけどかなり演技臭い。ギャラリーの反応も嘘くさいしwまぁ仕方ないかな。
原作との相違について
予告見て、「えっ、ラストまでやるの!?尺足んないでしょ!」って思った訳ですが、案の定バサバサカットされてましたね。でも概ね削れるとこを頑張って削ったねって感じだった。
佐伯さんや常盤さんのエピソードをかなり削っているので初見だと、なんで佐伯さんはあんなに春日に執着すんの?とか、常盤さんと付き合いたいからスッキリするために仲村さんに会いに行ったの?ってなってしまう気がする…それでもスポットを仲村さんに絞ったのは英断か。中途半端になるからね…。
特に初見だと謎のシーンは、春日と仲村さんが山を越えて自転車で向こう側へ行こうとするシーン。なんで佐伯さん追ってこれたのエスパー?って思ったかもしれませんね。あの町はかなり閉鎖的であんな山道を中学生が自転車で登るなんて珍しいので、それを目撃した町人が覚えていて、町中を聞き込み探し回ってた佐伯さんがその人に聞いて追った、という流れです。
佐伯さんってかなり重くて、春日に捉われているんだけど映画だと急にテントに放火するヤベーやつって見えてしまうかも…
常盤さんに関しても原作だと、仲村さんにラスト会うより前に告白してます。まぁそのエピソードが長めなんで辻褄合わせるためには仕方ないんだけど。ラストシーンも、海に常盤さんを投げ飛ばす感じになってたけど、あそこは春日と仲村さんの世界へ常盤さんを一時的に引きずりこむシーンなので海に引っ張って欲しかった…(オタク特有の細かさ)
ちょっと批判が多くなってしまったので、削られなくて嬉しいとこを挙げると、仲村さんが、カラスの数を数えるシーンが地味に好きなので嬉しかった。あと語録的には教室ぶっ壊すシーンの「月がぱっつんぱっつんに膨らんでるね」と「まんじゅうども」ってのが残ってて嬉しかった。
総括
不満点多めになっちゃったけど、実写化としてはかなり満足していて、ラストシーンも高校生仲村さんが完成されててマジ玉城ティナマジって感じになったし、空を見上げて黒目がむちゃくちゃ上にいって目玉が惡の華に見えるってとこめちゃ重要なんだけど完璧でマジ玉城ティナマジって感じになった。
まぁとにかく映画良かった人は原作も読んでほしいと強く言いたいね。
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