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人がいつまでも孤独な様に


何度か記事にしている通り、好きなものが多い私の最たる趣味が音楽を聴くことだ。幾度となく背中を押してもらったし音楽に救われる経験を何度もしてきた。そんな中でも隣り合わせの友人たちがいて、それぞれのフィールドでやれることをやっていて。それがとても格好よくて、眩しい。


小さい頃から人と関わることが好きだった。
学生の頃はバスケ部でチーム競技だったし、人と一緒にいることが好きだったし、高校でクラスが変わってもつるむ人間も多い方だった。社会に出て、東京へ来て、ここが今までと違うとふと気付いたことがあった。

朝起きて、電車に乗る。ここまでずっと無口で、耳にイヤホンをさして世界を遮断する。ずっと1人だ。たわいもない会話もなく、会社に着くまで声を発することもない。特別寂しさを感じたことはないけれど、なんだか学生時代を想う時間が増えた時もあった。そんな毎日を過ごして音楽をランダムで聴きながら、行き着いた歌がこの「LONE WOLF」だった。

”別れるために出会った仲間なんていないけど”
”でもこのままずっと一緒に居られない気もするんだよ”

毎日一緒に居ようだとか思わないし、言ったりもしない。人と一緒にいる時間と同じくらい1人の時間も好きな私にとって、とても優しく響く歌だった。ひとりでできることが少しだけ増えて、日常生活で出来ないことが少なくなっていく日々に寄り添ってくれる歌詞だ。仕事に行く前というか、日々の生活に少し疲れて、好きなものの世界に触れた時に感じる「ここではないどこか」に憧れた時に、より一層強く響く。気を引き締めて地に足をつけろよ、と。

そこでようやく気付いた。学生の頃だって変わらず一人一人だったんだ、と。そのひとりひとりが集まって、同じ方向を見て生活していただけに過ぎなかった、と。

”過ごした時間場所や年齢は関係ない”
”大切な俺の仲間に 1番も2番もないからな”
”幸せや喜びは 半分分けてやるけど”
”悲しみや苦しみは 分けてやるつもりもない”

個々で生活している私たちは今、様々な危機に直面して毎日の生活すら脅かされている。でも、私は私で、あなたはあなただ。隣り合った人生という道を歩く私たちはいつもひとりだ。もしあなたが挫けそうな時は、私と肩を揺らして馬鹿話をしよう。どんな関係でもいいよ、そして会えるようになったらもっと笑って美味しいものでも食べよう。きっとそうして過ごした先に、幸せが待っていると思うと、なんだかスケールが大きくて笑っちゃうくらい現実味がないけれど。でもちょっとだけ、前を向けそうな気がしてくる。

なんにでも全力投球とはいかない毎日だ。
疲れ切って寝てしまう日にも、何もせずぼーっとして過ごした日にも、等しく同じ時間が流れている。ひとりじゃないよなんて綺麗事は言えやしない。でも私は「友人」という言葉はとっても便利で美しいと思っている。それがバーチャルな世界でも、歳の差でも、人種でも、飼っている動物でも、亡くなった方でも、なんだっていい。私が愛した友人たちが隣で頑張っているような気にさせてくれる一曲だ。

人生の勝負曲。今日を乗り切るための一曲として、朝に夜寝る前に流れるプレイリストにいつまでも入っている。

#私の勝負曲

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