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劇場版オトッペを一人でも多くの人に見てほしい話

まずは、ありがとうございます。

この記事を開いて『劇場版オトッペ パパ・ドント・クライ』という素晴らしい作品のことを認識していただけたこと。それだけで感無量です。

では本題に入りましょう。

『劇場版オトッペ パパ・ドント・クライ』は老若男女たくさんの人に見てもらいたい、幼児向け作品で終わらせてしまうにはあまりにももったいない出来の作品です。そのおすすめ点をいくつかご紹介。
どうぞ気になる部分からご覧ください。

【2021/12/10追記】もう既に見たい!ネタバレなしで見たい!という方は、現在バーチャルシネマで公開中ですのでよければご検討ください。現時点ではこの映画を見る唯一の手段でもあります。

【2022/4/21追記】バーチャルシネマでの上映も終わり年も明けてしまいましたが、なんと地上波放映が決定!!
NHK Eテレ
2022/5/5(木)15:00~
 
こどもの日に放送されます!!
初めての方ももう一度見たい方もぜひ!!

【2022/6/19 追記】
各種配信サイトでの有料配信がスタートしました!!

一例としてプライムビデオでは、
レンタル400円
購入2500円

で観賞可能です。
是非ともこの機会にパパ・ドント・クライをお楽しみください!!


ミュージカル形式ならではの良さ

この作品はミュージカル映画。60分の中に歌唱パートを8曲分も詰め込み、曲に合わせた展開やセリフで物語が進んでいく様はさながら短編集のよう。大人も、子どもも、退屈することなくひとつひとつの曲の区切りで映画を楽しむことができます。
またその楽曲も、デュエットラップにとさまざま。さすが音を主体とする番組ならではの力の入れようです。
そしてその映像も必見!3DCGのアニメでありながら、アニメーションを描く楽しさも子どもたちに知ってもらいたいと言わんばかりに、印象的な手描きアニメシーンがあります。楽曲によって曲調や映像をガラリと変えることで、見ているだけでとても楽しい作品になっています。

この動画で少しだけ見れますので、気になる方は是非!

また、サウンドトラックも発売されますので、こちらもよろしくお願いします!!


見ていて楽しい表現手法のさまざま

先の項でも紹介しましたが、この作品では3DCGが表現の主体になっています。一部楽曲内やエンディング映像には手描きのアニメやイラストを採用!
ここではツイートを引用させていただいて、その一部をご紹介。

アニメーションというものが作られ始めた頃の味わいを持つ作画に色彩、ふわふわと柔らかく動いていく油彩のようなあたたかな2Dアニメーション、さらにエンディングでは、いきいきとした動きの表現を追求するかのような手描きアニメーションも楽しめます。作中では他にも、絵本を見ているかのような色彩豊かなイラストが登場。絵に注目して映画を楽しむことができるのも、本作の魅力の一つです。
美大などで、アニメ史やイラストを学ぶ学生さんでもとても参考になる映画だと考えます。内容はともかく、一度このイラストレーションやアニメーションを見ていただきたい! きっと良い鑑賞経験の一つになるはずです。


ゲストも含めた声のハマり具合

それでは本作品の、ゲスト声優陣をご紹介!

ウエスティ:西島秀俊!
リル:稲垣来泉!
ウタウーネ16世:藤原紀香!

ラララッタ大臣:斎藤工!
スイスイ・ミホ&スイスイエリコ:阿佐ヶ谷姉妹!
スイスイ・ヴァンガード:MoeMi!
フクビー:チュートリアル福田充徳!
エンディング「TOMORROW」:倉木麻衣!

しかもこの中でウエスティフクビーテレビシリーズからの続投
それぞれどのようなキャラクターかは、こちらのページからご参照ください。

フクビーはテレビシリーズのキャラクター紹介ページにて紹介されています。

ここでは個人の主観にはなりますが、それぞれどのような良さがあったかを一部ご紹介いたします。参考までに。

ウエスティを演じる西島秀俊さんはテレビシリーズからの続投とはいえ、今作では普段より真剣で、情にあふれた良い演技を見せてくれました。必見です。
リルを演じる稲垣来泉さんは、とんでもない可愛さでリルという赤ちゃんの魅力を存分に引き出してくれています。舞台挨拶の際にもお声をお聞きしましたが、本当に可愛らしくて……! リル役が彼女で良かったと心から思っております……本当に……必見です。
ウタウーネ16世を演じる藤原紀香さんは、舞台での仕事で培った圧倒的な歌声で、キャラクターの魅力をより一層引き立てる演技をしていただきました。ウタウーネ16世は私が映画で一番好きなキャラですが、それは彼女の声あってこそのものだと思います……必見です。
ラララッタ大臣を演じる斎藤工さんは、言わずと知れた渋い低音……ではなく、「どこで出てたの!?」と驚かれるような高音ボイスで参加。ですがその声であるからこその魅力が滲み出ており、大変いいキャラクターになっております。必見です。
そしてエンディング「TOMORROW」倉木麻衣さん。作品の中で浮くことも沈むこともなく、見終わった後のあたたかな気持ちをより一層包み込んでくれるかのような、心地よさを引き立ててくれるとてもいいエンディングです。必聴です。

こうしたゲスト声優や俳優さんにありがちな、元からのファンの「ゲストさんだししょうがないな……」という気持ちがほとんどなく、みなさんそれぞれにキャラクターとして素晴らしい演技をしていただいております。是非とも劇場でご覧になってください!

スクリーンショット 2021-10-20 19.21.02 (1)

画像はYouTube本編動画より

また、既存の声優さんの演技、歌唱も素晴らしいものでした。ここではウィンディ役の井口裕香さんとシーナ役の久野美咲さんに注目しますが、端から端までとても良かったです。

ウィンディ役の井口裕香さんは、流石に何年もウィンディの声を続けてきただけのことはあり、普段のアニメシリーズでは見られないような感情を込める歌唱でも、ウィンディとしての最適解、いやむしろそれ以上を全シーンにおいて叩き出しているような演技でした。素晴らしいの一言に尽きます。必見です。
シーナ役の久野美咲さんは、以前から思っていたのですが本当に童謡や優しい歌がとても上手で! 本作でも「ベイビー・ドント・クライ」という曲でとても心温まる歌を演じてくださっています。ぜひこの曲だけでも聴きにきてほしい! シーナとしての活躍もとても可愛くてかっこよくて頼もしいので、ファンの方もそうでない方も必見です。

テレビシリーズからオトッペという作品は、新キャラクターを世界に馴染ませるのが非常にうまいな、という印象だったのですが。映画においてもなんの違和感もなくキャラクターたちが動けるのは、この方々の力あってこそのものだろうなと、そう感じるばかりです。


現代的価値観の子育てへの姿勢

ここからは少し本編の内容に踏み込んだお話を。
タイトル、あらすじからも分かる通り、本作品は「子育て」「家族」をテーマにした作品。
子どもとどう向き合うべきか? 頑張る親に周囲はどうすべきか?
そういった悩みにこうしてみるのもいいんじゃないかという提案もありつつ、家族の形に対する令和的価値観に沿ったさりげない描写もあるように思えます。

例えば。

ウィンディの幼少期はまるで父子家庭のように描かれていたり。
育児に奮闘する中で、男女の役割を固定する様子がなかったり。
育児に疲れ果てた時は、友人たちが「面倒を見るから休んで」と気さくに提案したり。
周囲に大きな影響を与える親の決断を、子のためならばと肯定し支援する周囲の姿であったり。

これらの要素を、さりげなく自然に、当然の価値観として描いているのが、この『劇場版オトッペ パパ・ドント・クライ』という作品なのです。

映画公開記念舞台挨拶で、この作品を統率した飯塚監督はこのようなことを語っておられました。

「お子さんの可能性を一番に考えて、周りの皆にとっても何が最善なのかということを考え続ける集まりみたいなものが家族なのではないかと思っています」
「いろんな形の家族がありますが、現代を生きるお子さんと親御さんへのエールになるといいなと思っております」

コミックナタリーの記事【イベントレポート】「劇場版オトッペ」試写で井口裕香が号泣「マスクの替えを持っていてよかった」https://natalie.mu/comic/news/449659  より


そんな飯塚監督の家族観で、この作品はとてもあたたかな熱をまとっているのでしょう。

これからの時代こうあるべきでは、という価値観に基づいて作られた、令和のファミリー映画としての観点も、この作品を紹介する上で大切なポイントなのではないかなと感じられます。


誰も否定しないやさしさ

この作品の根本的なやさしさは、冒頭のあるシーンでメタルクが言うセリフに込められているように感じます。
冒頭のシーンバレにはなってしまいますが、それでもよければご覧ください。

「私たちもいつか、パパやママになるのかなぁ」とウキウキした様子で言うシーナに「ボクはまっぴらだビュ」とウィンディ。
「パパになるなんて大変に決まってるビュ」と続けるウィンディに、メタルクは「そういう考え方もあるよね」と肯定した。

この作品はファミリー映画でありながら「子どもを持つこと」「家族の絆を深めること」だけを肯定するわけではない。
作品内で肯定するのは「子どものため相対する苦労」「”家族”になること」なのであり、それ以外の意見に対しても「そういう考え方もあるよね」と否定しない。子育ての不安も迷いも悲しみも受け止め、肯定し、寄り道でもしながら歩んでいけばいいのだと背中をそっと押してくれる。
メタルクのこのセリフと、舞台挨拶での飯塚監督の”家族”観。そして作品そのものにつまっているエールのようなやさしくあたたかな想い。これがこの作品のやさしさの形なのだと思います。

スクリーンショット 2021-10-20 20.05.05 (1)

画像はYouTube本編動画より

そんな魅力たっぷりの『劇場版オトッペ パパ・ドント・クライ』は、先述の通り地上波放映が決定しています!(2022/4/21追記)
NHK Eテレ
2022/5/5(木)15:00~
 
こどもの日に放送されます!!
この素晴らしい作品をどうぞご家庭でお楽しみください……!!

【2022/6/19 追記】
現在は各種配信サイトで配信されております!
ぜひこちらでご覧ください!!

全国のイオン系列の映画館などで公開中! 公開二週目で既に上映回数が減少している映画館もありますが、どうか劇場で見れるうちにぜひ見て欲しい作品です。どうぞ、よろしくお願いいたします!!

映画館での上映は終了してしまいましたが、現在イオンシネマの『バーチャルシネマ』にて上映中です。自宅で、早朝から深夜まで好きな上映時間を選んで映画を見ることができるので「映画館が遠くて見れなかった」「時間が合わなくて見れなかった」という方は、この機会に是非!
チケット代は1000円と映画館に比べるとかなり良心的になっております。

劇場での迫力には敵いませんが、内容はとっても素敵なのでよろしくお願いいたします!!

↑バーチャルシネマのページはこちら!↑
(現在上映はありません)

↑公式サイトはこちら!↑
(現在つながりません)

↑映画関連グッズはこちら!西島さんのウエスティのグッズもあるよ!↑
残念ながら販売は終了してしまいました。再販機会を切に願う……。

↑いつものアニメシリーズはこちら!↑
NHK Eテレにて平日6:50〜 再放送17:10〜で楽しいエピソードを放映中!


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