嵐「Song for you」について本気で考えた

あなたは、国民的アイドルと聞いて誰を思い浮かべますか。

私だったら、迷わず嵐と答えます。

嵐の中では櫻井翔くん(以下、櫻井君)が好きで、櫻井君一人が掲載されている雑誌や櫻井君が出ているドラマなどもよく見ます。

でも、嵐は5人そろった時が一番強いです。断言できます。嵐というアイドルは他のグループと何が違うのでしょうか。また、1人1人魅力的なのに、5人揃ったときに出る力とは何なのでしょう。

それを、アルバム「untitled」に収録されている「Song for you」という曲から紐解いていきます。

まず、嵐はアルバムと同名の「untitled」全国ツアーを2017年11月~2018年1月にかけて行いました。その中でもアンコールを除いて最後から二番目に歌われた曲が、「Song for you」です。

この曲は普通のPopsとは違い、組曲となっています。曲の長さは11分30秒と長めです。アップテンポになったかと思えば、いきなりアカペラかと思うくらい静かな曲調になったりと、途中で曲調がガラッと変わることがあります。この曲はまるでオーケストラのようで、楽器の重なりも美しいです。そして、曲とともに嵐のストーリーが進んでいきます。

嵐は2019年1月に活動休止を発表していますが、実はこの「untitled」で活動休止を決めていたという噂があります。私はその説は本当なんじゃないかなと思っています。そう考えたのは、

①嵐からの挨拶

と、

②「Song for you」のコンサートでの構成

にあります。

①嵐からの挨拶について

今までのコンサートでは、嵐が客席に向かって自分の想いを吐露しつつ、来てくれたことに対して挨拶するタイミングは最後の曲と最後から数えて2番目の曲の間でした。しかし、この時は曲の間奏で挨拶をし、挨拶を終えると曲が再開するという流れになっています。

しかも、今までに比べると圧倒的に嵐の挨拶の時間が短く、言葉数もかなり少ないです。嵐からの想いはこの曲の中にこもっていて、挨拶は短くともファンにに曲を通じて思いが届くと考えていたのではないかと思っています。

挨拶の順番は、大野さん→櫻井くん→相葉くん→松潤→ニノ。

挨拶の内容は、それぞれ

大野さん「みなさん、本日はどうもありがとうございました。嵐ライブツアー「untitled」、楽しんでいただけたでしょうか」

櫻井くん「みなさんと過ごしてきたたくさんの時間が、今、輝いていると感じます」

相葉くん「これから先、どのような道が待っているかわかりませんが、これからも僕たちは歩いていこうと思います」

松潤「この先の未来で、またみなさんと会える日を楽しみにしています。」

ニノ「皆様の想いが僕たちに、そして僕たちの想いが皆様に伝わりますよう。本日は、ありがとうございました。」

大野さん以外の言葉、全員意味深じゃないですか……?むしろ、大野さんはあえてコンサートだけに絞ってお話されているように思えます。

櫻井くん…「みなさんと過ごしてきたたくさんの時間」とはこのコンサートだけではなく、今まで一緒にファンと、嵐とともに歩んできた時間のことだと思います。

相葉くん…「どのような道が待っているかわかりませんが」というのは、これからの嵐がどうなるか分からない、活動休止について仄めかしているのかなととらえられます。

松潤…「この先の未来」という言葉ですが、松潤にしてはフワッとした言葉遣いのように思えます。何年後になるかわからない、といった意味があったのではないかと考えられます。

ニノ…「皆様の想いが僕たちに、そして僕たちの想いが皆様に伝わりますよう」僕たちの想いが伝わっていますよう、ではなく、「伝わりますよう」となんとなく未来の話をしているように思えます。未来で起こる「重大発表」から、僕たちの想いを感じ取ってほしい、ということなのでしょうか。

と、考えることもできます。



②曲の構成について

コンサートでのこの曲の構成を、写真付きで見ていきたいと思います。

「Song for you」は、暗闇から徐々にスクリーンに光が広がっていくところから幕を開けます。

そこに5本の光が差し込み、

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舞台の真ん中に青色の光が落とされ、そこから大野さんのソロが始まります。

「ありがとう 君といたすべての奇蹟に

同じ景色を 同じ想いを抱きながら歩いてきた

いつの日も僕ららしく Get Started」

という歌詞から始まります。

ここでいう「君」とは「嵐」のことだと思います。

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大野さんは歌もダンスもピカイチなので、歌とダンスで観客を魅了します。

そこに相葉くんとニノが現れ、

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三人でダンスをします。

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しばらく踊った後、大野さんだけ別れ、暗転で消えます。この場面、本当に悲しいです……。これ、曲中ですよ。演劇とかじゃないんですよ。

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相葉くんとニノは嵐のメンバーの中でも特に仲が良く、Jr.時代に二人とも総武線でジャニーズのレッスンに通っていたことも有名です。そんな二人は、嵐を結成すると決まった日からの想いをリズムにのせて歌っています。背景もヤシの木が生えててなんとなくハワイっぽいです。

「聞きなれないネーミング、突然乗り込んだCruiser」

「続編(はなし)はこれから」

嵐の結成当時、つまり”今まで”を歌っています。

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次に登場するのは櫻井くんと松潤。

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相葉君、ニノの反対方向に現れます。

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櫻井くんはニュースキャスターとしてジャニーズの道を切り拓き、松潤は花男で嵐を爆発的人気に導いた男です。嵐に革命をもたらした二人は、嵐の"これから"を歌いあげます。

「新しいページを開いてゆこう

動き出した夢のもっともっと先へと」

「まだまだ物語の途中さ」

(余談ですが、二人のハモリ好きなんです。。。Come Back超好きです)

と盛り上がったところに、もう一度大野さんが舞い戻り曲調もいきなり落ち着きます。

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そして、「A・RA・SHI」の歌詞を彷彿させる言葉を出し、相葉くんは過去のことを「忘れない」

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松潤は、「届けたい」と未来の話をしています。この対称的な描かれ方、まるで詩のようです。

そしてまた一気に曲調は盛り上がり、5人並んでの歌唱となります。

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「どんな試練も思わぬ向かい風の中もきっと一緒なら挑めるはず」と嵐は嵐で居続けたい、という思いを歌います。

オーケストラのような背景が映し出され、いろんな楽器の音と大勢のJr.ともに嵐は踊ります。

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するとまた、曲調が静かになり、伴奏もピアノだけで、Jr.もおらず嵐5人になります。

嵐が一番言いたいのは、ここなんじゃないかなと思います。

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一番左にいる櫻井くんは、4人に体を向けて歌っています。

「途切れずに誰も離れずに 今日まで僕らが辿った季節」

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暗転し、先ほど取り上げた5人の挨拶が入ります。挨拶のあと、曲は5人並んで再開。

「ありがとう 君といたすべての奇蹟に

同じ景色を 同じ想いを抱きながら歩いてゆこう

いつの日も僕ららしく be with you」

あれ?はじめの歌詞とほぼおんなじ!!!

ただ、「歩いてきた」と「歩いてゆこう」、「Get Started」と「be with you」と歌詞が異なっており、そこにまた嵐5人としての想いを見ることができます。

嵐5人が歌う「君」とは「嵐」でもあり「ファン」のことも指しているんじゃないかなと思っています。

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曲の最後、光が狭くなっていき幕を閉じます。曲のはじめとの対比も美しい構成になっています。

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そして、暗くなってからも手を伸ばし続ける5人。

暗いときでも、嵐はファンに向かって手を差し伸べ続けます。再び光が差し込むその時まで。

活動休止と、ファンにとっては悲しい期間ではありますが、嵐はもう一度光を浴びるその日まで、ずっとずっと待っているのかもしれません。

とはいえ、「挨拶だけを見て深読みしすぎじゃない?」「一曲にここまで詰め込んでないでしょ」、という感じもありますし、

何を言おうが、いま嵐は活動休止しているので後付けでいくらでも深読みしようと思えばできちゃうのが現状だと思います。


そうであろうとなかろうと、私はこの曲が大好きです。歌詞もさることながら、この曲に関わったオーケストラの方々の多さ、ダンスの品の高さ、曲調の緩急に合わせた演出、すべて嵐にしかできないことです。他のグループには決して真似できない品格とカリスマ性を持ち、メンバーへの愛であふれたこの曲を歌い上げるところに嵐が国民的スターであることを見ることができます。



嵐を好きになってちょうど10年。当時新参者だった私も、今では次鋒くらいにはなれたでしょうか。


嵐5人の姿がもう一度見られることを信じて。

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