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無心のタックルの前で。

最終節、入替戦をやってる今。
15節のことを。
すごいドラマでしたよね。

静岡BRが王者・埼玉WKを撃破する。
全敗だった花園Lが神戸Sに後半逆転勝ちする。

15節、私の現地観戦の思い出は野次とdisに囲まれて、ラグビーってもう見に行くとか、好きだとか、限界なんかな、、とおもって土砂降り帰ってきたのに、この2試合が私とラグビーをつなぎ止めてくれた。

目の前の相手をタックルする、し続ける、凄みみたいなのをしかと目に焼き付けとけ、これがラグビーや!という試合でしたよね、両方とも。

きっと無心ではないんだろうけれど、なんだか両方の試合とも、あんまりいろんなこと考えず、タックルしてる方が勝ったのかなぁ、と思っています。

今日も勝てないのか
とか
もしかして今日負けるのか
とか
今日いけるんちやう?
とか

そんなすべてを超える目の前の相手を止める。
仲間が倒したら、倒れたら、サポートにいく。
また前にぶつかっていく。
その繰り返し。

もちろん負けたチームがやってないとかじゃなくて、ただ、その無心の連続の勝利ってすごいよなぁと。

いや、あの野中さんのジャッカルは背負ってきたキャプテンの重圧に打ち勝った瞬間のようで、胸をうたれた。

ファンもそうなのではないか。
タックルの前では無心になる。

ラグビーはルールも難しいし、
観戦しても、ノットロールアウェイとかわからないし、スクラムはどっちが勝ったか負けたかなんて、見た目じゃわからないし、
分かろうと見つめる段階になると、いろいろストレスも多くなってきたりするのですが。

タックル。
前進。
タックル。
タックル。

これは、いつ、いかなるときもわかる。
会場にいてもその衝撃を想像して、どよめいてしまうし。
テレビでみていればマイクがその音を拾う。

あの時の「わ、すごいタックル!」という瞬間にはファンはひとつになると思う。
ホスト、ビジター関係なく。

ものすごい複雑な戦術とか、
ルールの適用の問題とか、
応援してるチームの調子とか、

目が肥えてくると、
さらに好きになると、
また違う面白さや、
不満点が浮かび上がってくるものだろうけれど。

ひとつのすごい、素晴らしいタックルを前には、無心のまま、どよめき、賞賛してしまうのがラグビーの素晴らしいところだと思う。
(いや野次を飛ばすような応援をしてるおっさんはここでも、カードだとか叫ぶとは思う。私、あの体験をしばらく根に持つ。)

昨今、ラグビーに関して嫌な話題ばかりタイムラインに流れてくる。

2019年を経てラグビーを好きになった人に「いわゆるにわかだろ、、」という古参の嫌味があるとか、
逆にずっとずっと昔から応援してきた人に対して、最近ファンになった人が失礼なこと言うとか、
はたまた無視されたとか、
観戦に行ったらグッズ盗まれたとか、
最前列に座ってたのに、後ろから人が押し寄せてきて最後なんも見えんとか、
フラッグをブンブン顔の横で振られて、試合中怖かったとか、
チームや選手に対しての誹謗中傷がひどいとか

ラグビーって、、こんなんやったっけ?
こんな気持ちになるスポーツやったっけ?
こういうことしか流れてこないのかい?

モヤモヤし続けてきたことが、
15節。
あの二試合をみたことで、軽くなった。

ラグビーは面白い。

タックル。
前進。
タックル。
タックル。

そのすごさに無心でどよめいている自分でいる限り、
まだ私はラグビーが好きだ。


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