学校見学④ エフタスコーレ
こんにちは!デンマークに留学中のきりです!
今回は、エフタスコーレと呼ばれる学校に見学に行ってきました!
エフタスコーレとは?
エフタスコーレとは、高校に上がる前に1年間、親元から離れて仲間とともに暮らしながら学ぶデンマークの全寮制の学校です。
選択制の10年生(15〜17歳)をエフタスコーレで過ごす子が多く、3分の1ほどの割合でエフタスコーレに進学しています。
義務教育段階(9年生、日本の中学3年生)の生徒もいるので教科の学習もしながら、全寮制のため親以外の大人や同年代の生徒との共同生活を通して、「将来何をしたいか」「何が好きなのか」などと自分自身に問いかけ、模索することが学びのコンセプトとなっています。
多くのエフタスコーレは、音楽や演劇、スポーツなどという専門性を持ち、卒業後の進路選択に活かすことが可能です。
生徒たちは、この学校に通いながら卒業後の進路(高校、職業学校等)を考え、これからの人生を自分で選択していきます。
エフタスコーレ見学
今回、私が見学させていただいたエフタスコーレは、体操に重きを置いたエフタスコーレです。
この学校には、ナショナルチームの先生がいたり、大会で入賞するような子が生徒に多くいたりと、体操が好きな子たちが、好きなことに没頭できる学校です。
科目
この学校には、9年生(義務教育段階の生徒)も入学可能となっています。
基本的には、10年生の1年間のみの在籍となりますが、9年生で入学した場合、2年間在籍することが可能です。
9年生の授業は、義務教育段階のため、社会、歴史、体育、生物、地理、物理、化学、英語、デンマーク語、数学など必須科目が多くなっています。
10年生の授業では、体操、数学、デンマーク語、英語が必須。
デンマーク語、物理・科学が選択科目
その他の時間の選択科目には、
ダンスや、アウトドアライフ、フットボール、体操など。体操や体育に関わる科目が多くあります。
授業見学
朝は、アセンブリーから始まります!
エフタスコーレソングブックの曲を毎日歌っているそう!(フォルケホイスコーレととても似てるなと感じました!)
1クラスは、20人から24人程度となっています。
全員がパソコンを持っており、teamsで各クラスの情報が共有されていました。
どの教室・授業も、ホワイトボードとスライドがあり、座席は4人1グル―プ。
問題を解く時間や考える時間は、席を離れることが可能でとても自由な雰囲気でした。
9年生Danish
デンマークの伝統的な曲を聞き、その詞の意味や歴史を分析しレポートにまとめるという授業。
グループごとに調べ学習が行われていましたが、一人ずつ調べている班と、ドキュメントを共有してみんなで進める班と、班ごとに進め方が違うようでした。
10年生English
英語でアボリジニについての説明を読み、自分の意見を発表したり、英文を読解して問に答えたりする授業が行われていました。
この授業を見たとき、日本の英語学習とは大きく違うように感じ衝撃を受けました。
日本より英語を使う機会が多く必要意識が高いため、ほとんどの生徒が英語を使って意見を自由に交換できるほどの英語力がありました。
それだけでなく、読解する文章の内容にも驚きました。
英語を勉強するための内容ではなく、英語を使って知識を得る、世界のことを知る。
今回は、アボリジニについての英文、この題材の前には、児童労働についての英文を実施したそうです。
デンマークに来て、歴史や海外の出来事は、英語の方が情報が多く、中立なものも多いため英語で情報を得ることの大切さを痛感しているのですが、15,16歳の子たちが、すでに英語で歴史を学んでいることに衝撃を受けました。
この授業をしていた先生は、生徒たちがあまり知らないような内容をとり上げているそう。英語で学ぶからこそ、世界の問題や歴史を学び生徒が考える時間を作っているそうです。
授業のまとめでは、生徒がトピックに関することから自由にテーマを決め、調べ、プレゼンテーションを行うそうです。
プレゼンテーション
この学校では、授業の一環やプロジェクトの一環としてプレゼンテーションをする機会が多く設けられています。
9年生は社会課題について、個人・グループで調べまとめて発表。
また、職業について調べて発表したりもしたそうです。
自分たちで興味のあるトピックを決め、調べ、追究する。
授業やイベントとしてみんなの前で発表し表現する。
興味をもったことに時間をかけて調べたり表現できたりする機会があるのは、これからの進路や自分について考える時間をとるなかでとても有意義な時間になるのではないかと感じました。
Special Class
この学校には、Special Classという生徒がプロジェクトを企画・実行するクラスがあります。
現在進行中のプロジェクトは、ポッドキャスト。
テーマは、「スポーツ選手のメンタルヘルスについて」だそう。自分たちが感じている課題・問題を調べ、実行。ポッドキャストをして外の人にも紹介する企画を実施しているそうです。
自分たちの切実な問題を調べ、実行し、他の人にシェアをする。
とても楽しそうに活動をしている様子を見て、こんなクラスに参加してみたかったなと感じました!
まとめ
今回エフタスコーレを見学して、高校に入る前の年で、仲間と共同生活をする。自分と向き合う時間をつくることができる。そんな学校のシステムにとても惹かれました。
生徒たちは、好きなことにはげみ夢中になる。
プロジェクトも体操関連で追究できる。
成績や周りの目を気にすぎることなく、自分の好きなことに夢中になっているすがたを見て、自分自身も好きなことに夢中になる時間をつくりたい、と刺激を受けることができました。
1月から、私もエフタスコーレでボランティアを行います。
どんな学校で、どんな生徒がいるのか、今からとても楽しみになりました。