『再開*成長見せてハイタッチ!』感想
まずは何よりも…仁兎なずなさんの、アイドルへの本格復帰を祝って、心よりおめでとうございます。
2020年7月5日現在、あんさんぶるスターズ!!で現在開催中の『再開*成長見せてハイタッチ!』イベントストーリーの感想を記します。
これはイベント初日に撮影した写真です。
この薔薇は現在いい感じに開いているところです。
1.「居場所」の獲得
仁兎なずなさんはかつて、コンプレッス・実態と求められる自分との差という悩みを抱えていました。
その悩みは自分の存在価値の揺らぎに繋がり、求められる一部を失い、大切な存在を守ることも叶わなかった彼は半ば強制的に、半ば自主的にそれまでの居場所を手放すことになってしまいました。
そうした経緯から、『Ra*bits』のリーダーとして活動していた時期の大半も、自分は「お客様」「みんなが独り立ち出来るまでのお手伝い」というスタンスでアイドル活動を続けていました。
しかし、『Ra*bits』の他の皆さんはそうではなかった。
自分たちの、『Ra*bits』の頼れる「に~ちゃん」として必要不可欠な存在としていました。
『キャロル 白雪と聖夜のスターライトフェスティバル』で、『Valkyrie』の窮地を救いたいと申し出た時、真白友也さん・天満光さん・紫之創さんは『Ra*bits』に戻ってくることを信じ、その上で仁兎なずなさんが不在でも立派にやれるくらいに成長したという証を見せてくれました。
並びに、このイベントストーリーの素晴らしいところは、「一瞬だって本当は離れたくない、戻ってこないかもしれない不安がある。」という負の感情を打ち明けた上で「大切な人の大切な人を救いたいという心を尊重したいから戻ることを信じる」と双方の思いを尊重した点です。
『Ra*bits』の皆さんが仁兎なずなさんの帰りを待つというお話を先駆けて『キャロル 白雪と聖夜のスターフェスティバル』と『モーメント 未来へ進む返礼祭』でやった上で今回『再開*成長見せてハイタッチ!』が開催されたわけで。
その内容が仁兎なずなさんがアイドル、『Ra*bits』という居場所に戻ってくることを心から喜び、心から祝福したいと頑張る『Ra*bits』の皆さんのお話であって…。
私は心から嬉しく、感動しています。
「自分の存在が必要だと言ってくれる存在」「一時離れても戻ってくることを信じてくれる、帰ってくるべき居場所」が仁兎なずなさんの人生を後押ししてくれたのだと思うと心が温まります。
2.「完璧」でなくていい、ということを受け容れること
「完璧」でなくていいということを受け容れること、仁兎なずなさんがそう言えるようになったこと、それは仁兎なずなさんが自分自身の存在価値の自己肯定が出来る様になったことは、前述した「自分の存在が必要だと言ってくれる存在」「一時離れても戻ってくることを信じてくれる、帰ってくるべき居場所」という、絶対に安心出来る居場所を獲得したことの証明です。
かつて求められる「完璧」に息苦しさを感じており、遂には「完璧」ではない自分は不必要なものとして捨てられてしまう、という不安感を抱えていました。
その不安感は、「自分」という主体が無いことから発生する不安感とも言えます。
「自分」という主体が無いからこそ他人の作る居場所に存在させてもらう、縋ることで「自分」という存在を証明せざるを得ませんでした。
それが「捨てられてしまうかもしれないという不安」です。
仁兎なずなさんにとって『Ra*bits』は他人が作り他人から与えられた居場所です。
なので長らく一時的に身を置く場所としてのスタンスを保っていました。
しかしそこで過ごす中で、自分を頼ってくる存在、その存在の為に強くなろうとする自分自身、必要とされることを体感します。
そして結成したての『Ra*bits』は駆け出しのアイドルで、新鮮さが売りと言えば聞こえがいいですがほぼ素人の集まりで、しかしだからこそ良かったのです。
何故なら、そういった存在は「失敗しても次がある」という「期待」をかけてもらえる可能性が、成熟した存在よりも圧倒的に高いからです。
失敗が許されない環境で過ごし、一度の失敗で全てが崩壊した経験を持っていることを考えると、「失敗しても次がある」と思えることや失敗しても見放さず変わらず自分を頼ってくれる存在はどれだけ救いのあることでしょうか。
そういったことを踏まえるとやはり私は「完璧でなくても受け容れてもらえる」と自分で気づけるようになった仁兎なずなさんと、その土台となる自分を受け容れてくれるだろうというと絶対的安心感を持つ居場所として『Ra*bits』があることに深い喜びを感じます。
そこにはやはり視野が広がったことも助けているでしょうから、アイドル一本だけではなく大学へ進学することを決め、自分から世界を広げて多種多様な価値観に触れたことがプラスに働いているという点でも見事な繋げ方と感じます。
3.最後に
『再開*成長見せてハイタッチ!』、本当に仁兎なずなさんが「今」を肯定することでこれまでの選択を仁兎なずなさん自身が受け入れているものだと思えるのであれば、私はとても素晴らしいことだと思います。
真白友也さんがリーダーを任され、プレッシャーと上手くいかないもどかしさで自分を責め、仁兎なずなさんのことを責めるシーン。
仁兎なずなさんの「信頼」が真白友也さんを追い詰め、傷つけていました。
けれど、それに対し仁兎なずなさんは真白友也さんを抱きしめ受け容れて、『Ra*bits』という愛し愛される為に存在する「良い子」の集団が持つ武器を教えました。
ここで自己嫌悪に陥らず真白友也さんをはじめとした可愛い後輩達への信頼があってのことであると同時に、自分の選択を後悔していないということが伝わってきました。
自分の選択で大切な誰かを、ファンを、傷つけたという事実を彼はしっかり認識して、向き合っています。
そんな彼だからこそ、自己肯定が出来るようになり、価値観が広がり自分の影響力を自覚した今は、全ての「選択」に対して「責任」を持っているのだと思います。
一時離れて不安な気持ちにさせたことの謝罪より、今の幸福な時間を保ってそのままの状態でライブを楽しんでもらうことを「選択」したのは、無責任ではなく逆に責任ある行いだと私は感じるので。
『Ra*bits』という存在、『Ra*bits』を愛する存在、その全てに祝福が訪れることへの祈りを込めて、締めとさせて頂きます。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
X.感情の備忘録(読まなくていいです)
最後に、で締めさせて頂きましたが…
これは書くことが本当に正しいのか?とすら思うことではあります。
なんならこの感情そのものが不誠実でこれを公に出すこと自体が失礼にあたるという可能性もあるのですが…
それでもストーリーを読んでいる途中でも、このnoteを書いてる途中で何度も苦しみが発生してしまったので、この感情は『Ra*bits』への祝福の気持ちと同じくらい本物の感情なのだろうということにして、備忘録的に綴っておきます。
その時の感情を残しておく術として。
仁兎なずなさんが現在の居場所を獲得するまでの経緯、を『再開*成長見せてハイタッチ!』を踏まえて考えてみたものの、やはり途中途中『Valkyrie』で過ごしてきたことが頭を過ってしまいました。
ストーリー中でも名前は出さずとも何度も言及されて気が触れたような反応ばかりとってしまってましたが。
そこについて考えれば考えるほど、『Valkyrie』で愛されていた事実も本物なのに、どうして上手くいかなかったのだろう……ということを考えて堂々巡りになってしまいますね。
ステージ上では勿論、プライベートでも完璧を、人形であることを求めてはいたもののそれはそれとしてどんな仁兎なずなさんでも愛し続けることには変わりはないし…でもその愛は結局当時は伝わっておらず(そしてそうとしか捉えられないような態度をとっていたという面もあり)、次第に追い詰める結果になってしまい、『Valkyrie』から離れて世界が広がり相手の立場になった時に仁兎なずなさんが初めて見えるようになった愛であることを考えるとやっぱり「今」を肯定してくれることが最善である…しかし…という思考の無限ループです。
これは私が過去の彼らへの愛の他に、私的な執着がかなり強い為に離れがたく、また適度な距離感を保てていないので…そこを考えると祝福しながらも苦しむのは不誠実では…?と思うわけです。本当に本当の個人的感情ですね。
仁兎なずなさんが過去を踏まえた「今」を肯定すること、そして周囲の人間はその事実を肯定してくれる事実、その全ての流れを愛しています。
が、この事実を肯定しながらも自分たちへの裏切りという行為そのものへの怒りを持ち続けるであろう(返礼祭の会話やあんさんぶるスターズ!!メインストーリーを見る限り)の影片みかさんの存在に救われるという面もあります。
自分でもよくわからないです。いえ、私の中で一応筋は通った話なのですが…。
諦めないことを是とすることも大切ですが、何とか折り合いをつけて毎回この手の話になる度に奇声を上げることにならないくらいにはなりたいですね。
長くなりました。本当に以上です。それでは。
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