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01 「あおいほし絵画教室」を始めた思い

今から10年ほど前、僕は幼稚園教諭として働いており、日々子どもたちと遊びを中心とした生活を過ごしていました。

幼児教育や小学校の絵画制作、図画工作の現場では、子どもたちに対して一斉に進められる活動が多く、制作活動も先生が決めたテーマや内容の範囲で進められていることがほとんどでした。

授業ではあらかじめ決められたモチーフ、画材、表現方法の範囲内で作品作りが行われます。その目的の多くは、絵具の扱い方やハサミの使い方など、知識や技能の習得が優先されています。

現場の先生たちは、子どもたちみんなが等しく学べるために、授業の計画や準備に多くの時間をかけ、一生懸命に子どもたちのことを考えています。
どうやったらみんなが上手く描けるかな?失敗なくきれいな作品ができるかな?と。

しかしその副作用でしょうか。壁に飾られた作品たちを見ると、どれも同じ構図や表現で、まるで先生が考えた絵を、こどもたちの手を借りて描いたかのような作品になってしまうことが多い現状です。

僕はその様子を見て、「子どもたちがそれぞれ好きなものや、心に思い浮かべるものを形にしていける、自己表現の環境があればいいのに」と感じ始めました。

一人一人の経験や感性が、それぞれの表現となっていく。それぞれの思いに寄り添い、ゆったりとした時間の中で、子どもたちが自分の考えと力で取り組む過程や、そこから生まれる充実感・達成感を大切にしたい。そんな思いから、あおいほし絵画教室を始めました。



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