昆虫入りのクッキーを食べた話
今朝、ミルダム配信者のかわけんCHさんから直筆のお手紙と共に手作りクッキーが届いた。
ミルダムギフトのわんこボックス、わんだふる(1%)が出たら手作りクッキーを贈ります!の企画。
何を隠そう私、わんだふるを出したのである。
思い返せば男性から手作りクッキーを贈られるのは初体験だ。
どこか高揚感に満ち溢れた私はペーパーナイフを使い、ダンボールを丁寧に開封。
『わぁ⸜(*ˊᗜˋ*)⸝』
大きめのまーるいクッキーとジンジャーブレッドマンや星型のチョコチップをあしらった一口サイズクッキーが可愛いボンボン付きのモールでラッピングされている。
『絶対びっくりするよっ!』
と彼が言っていたのを思い出す。
お手紙やラッピングされたクッキーをまじまじと眺めていたら、この素敵なギフトに込められた想いを胸に、顔をしわくちゃにしながら少しうるうるした。
"びっくりするよっ!"ってこういうことだったのね。
と、口元を綻ばせ、安堵の表情を見せる私。
ちょうど小さい子供が母親の誕生日に『びっくりするから開けてみてね』って言っているようなシーンを彷彿させる。
ここで人生の大きな岐路になるともつゆしらず、私は大きめのクッキーが気になったので手に取ってみる。
ふむふむ( ˙꒳˙ )
手作り独特の優しいバターの芳醇な香り。
一口かじってみる。
ほろほろと口の中で踊るクッキー。
『砂糖の代わりに塩しか使わない激マズクッキーを贈るとか言って、実はめちゃくちゃ美味しい普通のクッキーを贈るのでは?』
と、以前彼に聞いたが、強く否定されたことが懐かしい。
なーんだやっぱり美味しいクッキーじゃん!と思ったのも束の間、僅かな衝撃で真っ二つに割れる。
………あれ?
ここで黒光りする物体が"やぁ"とでも言わんばかりに顔を出す。
ギャーーーーー!!!!
なんと、化石のように発掘されたのは昆虫の下半身だった。
びっくりした拍子に手から放り出されたクッキーはさらにその昆虫から剥がれ落ちる。
丸ごと1匹タガメが入っていた。
タガメが大きいつぶらな瞳でこちらを見ている。
食べて欲しいのか、食べられたくないのか私には読み取ることが不可能だったが
30分くらい見つめ合った挙句、ダイレクトに口へ運ぶことを決心。
が、しかし口元まで持っていくものの心と身体が本能で拒否しているのか寸前で脳からの司令が入る。
やめておけ、と。
興奮と恐怖と好奇心に心をかき乱された私はとりあえず脚だけちぎってみた。
それを恐る恐る口元へ運び、苦悶の表情を浮かべながら前歯で噛んでみる。
硬い。
一気に唾液の大洪水が起きたのは一種の防衛反応であろう。
決して、ご馳走を目の前にした犬の条件反射と同じではないことを理解していただきたい。
第1関節までを口の中で転がしながらガリガリ噛むとうっすらエビのような風味。
そのままの勢いで第2関節も口へ運ぶ。
おや?第2関節の方が味が濃い。
そして片脚を失った本体と相談。
君も食べられてみるかい?
これ以上詳細に書くと吐き気を催す人もいるであろう。
こうして…ああして…本体を…
割愛。
どうにかこうにか胸の部分を食べてみた。
そう、小学校の理科で習う頭、胸、腹の胸の部分である。
脚より多少、肉厚感があり、さすが王道むね肉と言ったところ。
ザクザクしてスナック菓子のようなテクスチャー。
ここまで食べて気づいた。
1時間くらいこの素敵なギフトとの死闘をくりひろげた挙句…
見ることすら厳しかった私が昆虫をダイレクトに触れる、いや…持てるようになったということ。
なんなら食べてしまった。
そしてこの開封の儀から早5時間。
これから先、食糧難に苛まれたあかつきには地球全体でこういう未来が待ってるのかもしれないと考えたら予行演習だと思えなくもなく。
その体験をサプライズというかたちで贈ってくださった、かわけんさんには感謝しかない。
封入されてたお手紙のこの言葉が胸に刺さる。
P.S.スクラッチ?当たったよ(¯v¯)ニヤ
終
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