【住人紹介】シーシャで醸成されるコミュニティ
アオイエは「みんな表現者」をコンセプトに東京、京都、大阪で計17軒を運営しています。アオイエ住人紹介ではアオイエに住む人たちの「好き」や「夢中」を取り上げていきます。
今回は金髪とやわらかな笑顔が特徴の東詩歩さん(以下詩歩さん)です。大学を休学し、上京し、アオイエに入居。カメラやコーヒー、ウイスキーなどの奥深いものが好きな彼女が今夢中になっているのがシーシャです。
今回はシーシャの魅力と詩歩さんの今後叶えたい「夢」についてお話を聞いてきました。
東詩歩(Twitter:@ts5267)
97年生まれ。和歌山大学を休学し、上京。2018年11月にアオイエ@東松原に入居。
メディアの立ち上げを経験し、現在は株式会社CURBONの編集/ライター。
10月から復学し和歌山に戻るため、9月にアオイエを卒業。
「何者でなくていい」を認めてくれたアオイエ
ー詩歩さんのお話は住人伝いで聞いていました。今日はよろしくおねがいします。さっそくなのですが、アオイエに入居した理由は?
休学をし上京したはいいものの、ほぼホームレス状態で…(笑)当時は家がなく、友達の家にお世話になったり、映画観で夜を明かすこともありました。周りの友達や知人がアオイエに多く住んでいたので不可抗力で入居が決まり、休学して1年経ったくらいに住み始めました。
ーアオイエを9月に卒業するとのことですが、詩歩さんにとってアオイエとはどういう場所でした?
休学し始めて1年目は東京でなにか結果を残さないといけない、何者かにならないといけないとい焦りでいっぱいでした。しかし、アオイエでは何者でもなくていい、素のままの私でいさせてくれたことが嬉しかったです。アオイエは「ただいるだけ」の空間を提供してくれて、とても助かりました。
ーアオイエは詩歩さんにとって鎧をかぶって自分を大きく見せることをしなくてもいい場所だったんですね。
アオイエでは弱音を吐いて「つらかったね」と慰めてくれる時もあるし、「いつまでも弱音吐いていたらダメでしょ!」と叱ってくれるメリハリがあったので、安心できる場所でもあり、自分がやりたいことを見つけるためのエネルギーを溜める場所でもありましたね。
シーシャの魅力
ー詩歩さんはアオイエのイベントでよくシーシャを持ってきてくれますよね。シーシャに夢中になったきっかけなどはあるんですか?
休学でよくあるあるなことだと思っているのですが、1年目は東京に出てきてスタートアップなど新しい世界を知って、2年目は自分何がやりたいんだ?みたいに迷走してしまう…。自分は結局何がしたいんだっけ?と悩んでいるときにシーシャをしながら誰かと居たり、本を読んだり、店員さんと話したりしたことで、とても救われたんです。
もともとコーヒーやウィスキーなど、深みがあるものが大好きで、より探求してみようと思えるんです。
ーその中でもシーシャの魅力は?
シーシャはコミュニティととても相性が良いところですね。シーシャを使うと人を巻き込みやすいです。コミュニケーションが苦手な子も「シーシャやってるの?」といってきてくれたり。無理やり「話そうよ!」って強制しなくても、シーシャを仲介に人が自然と集まってきます。
あとはシーシャを使うと自己開示がしやすい傾向にあります。けむりで相手の顔がよく見えないからかあまり緊張しないんですよね。さらに、シーシャのけむりが醸し出す雰囲気に酔うことができます。お酒だとアルコールの力を使って自己開示しやすいけど、悪酔いする可能性がありますし…。しかし、シーシャは健全に酔うことができる。
ーへぇー!すごい!私はシーシャを吸ったことがないんですが、吸ってみたくなりました。(笑)シーシャを使ってこの人の本音きけて嬉しかったみたいなことってありますか?
アオイエ@東松原のキーパーをしてたんですが、周りの人から何考えているかわからないって思われてたらしくて…。一緒に住んでいたあきゃりーにシーシャを吸いながら「もっと感情を出してほしい!」と言われて、はっとしましたね。私は人より感情が伝わりづらいんだと気がつきました。
※キーパーとは、 備品の管理から住人同士のコミュニケーション促進、来客の窓口などアオイエに関わる様々な役割を担う人。
ーコミュニティとの相性のよさ以外にもどんな魅力がありますか?
シーシャはフレーバーが何万種類とあって、その中でもお酒によく合うものや、食事に合うものなどもあります。シーシャにウイスキーをいれたりして、食界隈とも相性がいい。
私はよく「旅するシーシャ」といって、コミュニティやイベントにシーシャを持っていくことが多いのですが、その場に出ているご飯や飲み物を見て、シーシャのフレーバーを調合しています。他にも、その場にいる人の雰囲気を加味したり、時間の経過によってどのような味にするかは調節してますね。
アオイエのイベントにシーシャを持ってきてくれました!
シーシャを使って安全に弱音を吐ける環境作り
ー復学し和歌山に戻るためにアオイエを卒業されるとききましたが、今後はどういった活動や目標がありますか?
将来臨床心理士になりたいと思っています。でも、「心理士です」といったら変に構えちゃう人が多いと思うんです。だから、「シーシャやってます」といってコミュニティに入ったり、悩みを吐ける環境を作っていきたいですね。
スナックみたいに「本当にいやになっちゃう」みたいな安心して弱音を吐ける場所って案外少ないと思っていて。マイナスな感情を間違った方法で発散してしまうとSNSでひどい言葉を使って炎上したり、ストレスが溜まって思わず大切な人を殴ってしまったり…。
マイナスな感情を安全に発散することって案外難しいです。でも、シーシャを使うと空気に酔って弱音が話せたりする。
ー確かに普段言えない話って気の知れた友人ではない限りしにくいですよね…。
わたしは常につかみどころのない人間でありたいと思っています。心の健康を目指すお手伝いをしてくれるイメージのある臨床心理士が、一方で、一般的には不健康とされるシーシャを提供している。それが私のつかみどころのなさを表現しているのかなと思います。
あと、シーシャって切り替えにもなると思うんですよね。火が消えるまでは悩みや弱音を吐いていいけど、炭が切れたら「はい、ここからスタートです。」みたいな。そんなメリハリがあるところも素敵だなと思います。
【編集後記】
アオイエで「何者でなくても認められる」という感覚と、夢中になれるものを見つけた詩歩さんのまっすぐとした眼差しと言葉が印象に残るインタビューでした。詩歩さん、素敵な想いや夢を教えていただきありがとうございました。またアオイエに遊びにきてくださいね。
(企画/構成/編集 辻野 結衣)
コミュニティハウス アオイエでは随時住人を募集しています。
休学を機に上京する方や、多分野で活躍する同世代との出会いを通じて、選択肢や価値観を広げたい方は是非ご応募ください。
https://www.community-house.jp/contact
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