とあるシェアハウスで、虹を手にするまでのおはなし
これは私が、とあるシェアハウスで過ごした2年間を通して、虹を手にするまでのお話。
◼️プロローグ
一つの、忘れられない出来事がある。
「るかさんるかさん、ねえ、起きて。」
自室の扉の前から、隣の部屋の住人が慌てたように呼び掛けてくる。
勘弁してくれ、と思った。だって今は土曜日の朝7時。休日くらいもう少し、いやあと3時間くらい寝ていたい。どうして彼女は平日も休日も朝早くから活動できるのだろうか。若いって良いなぁ。
「一瞬でいいから、お願い。見せたいものがあるの」
私は