筋肉由来の腰痛。
腰痛の原因は多くありますよね。
椎間板性のものや、椎間関節性のもの、精神的ものから筋肉由来のものがありますが、自分はもう少し組織を絞って痛みの原因をまとめました。
●固有背筋外側群
–触診–
主に最長筋と腸肋筋
最長筋:腰部の棘突起から外側に約3cm、腸肋筋より膨隆がわかりやすい。
腸肋筋:最長筋の外側。腰部では筋腹が厚く外側まで触りやすい。胸部では筋腹は薄いが肋骨角の内側に位置する。
–機能–
伸展モーメントの80%を担っている。
伸展運動は最長筋、伸展+回旋運動は腸肋筋のほうが作用が大きい。
–なぜ疼痛が発生しやすいか–
抗重力姿勢により生じる胸背部への伸張ストレス
胸最長筋は姿勢を正した状態(腰椎の伸展)で体幹を前に倒す動作で一番働く。
腰腸肋筋は姿勢を崩した状態(腰椎の屈曲)で体幹を前に倒す動作で一番働く。
それぞれの動作で疼痛があれば異常な筋肉が見分けられる。
●固有背筋内側群
–触診–
椎骨の横突起と棘突起の間に存在する。
1椎体間を繋ぐ短回旋筋、2椎体間を繋ぐ長回旋筋、3椎体間以上を繋ぐ多裂筋が存在する。(半棘筋、棘間筋もあるが多裂筋に含める)
鼻先が宙に浮くほどの軽い伸展で膨隆する。
–機能–
生理的前弯位で最も活動性が高い。後弯位で最も低い。
深層繊維は椎体間の安定性に関与する。下肢への影響あり。
–なぜ疼痛が発生しやすいか–
腰部の多裂筋は胸腰筋膜の深葉に完全に取り囲まれている。
後弯位で内圧が上昇する。
●胸腰筋膜
–触診–
固有背筋外側群を取り囲むように浅葉と深葉に別れる。
浅葉:上部では広背筋と下後鋸筋が起始し、下部では大殿筋と連結している。
深葉:多裂筋を完全に取り囲み、腹横筋、内腹斜筋の起始部となるのでL4レベルで密度が著しく増加する。
–機能–
胸腰筋膜の血管周囲には機械受容器type1(ルフィニ小体:低閾値で反応が遅く、関節の位置と運動を感知)とtype2(パチニ小体:低閾値で反応が速く関節の素早い運動と振動、横方向のストレスに反応)が存在する。このことから、安静時の姿勢制御や運動時の体幹制動を担っていると考えられる。
–なぜ疼痛が発生しやすいか–
腰部の多裂筋は胸腰筋膜の深葉に完全に取り囲まれている。
後弯位で内圧が上昇する。
#参考資料 :運動機能障害の「なぜ」がわかる評価戦略
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