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2024/11/13(水)

アマプラで「ルックバック」を見ました。
物語が1時間で終わることは知ってたので、「てっとり早く燃やすにはどっちかが◯◯のが一番だけど、安易すぎてがっかりするなあ」と思ってたら本当にその展開。「やっぱそうするしかないよね」とちょっと興ざめしつつも、作品の持つすさまじい勢いと熱に当てられ、巻き込まれ、結局たましいを吸い取られていました。

なお、尺が短いのは、余計な雑味(例えば家族や環境についての説明)を排除して描かれているからであって、情報不足やエピソード不足は感じず、むしろ濃厚で、没入感が凄まじかったです。

「ルックバック」という映画は、君の分も私はがんばるね、という薄っぺらい使命感やそれに伴う感動を描いた物語などではなく、創作をするものが創作によってズタズタに壊され、それでも創作のために自分を再構築する物語だと思いました。すべてが創作の上に成り立つ人生……壮絶ですが、憧れます。

見終わってすぐ、「ハチミツとクローバー」のはぐちゃんを思い出しました。羽海野チカ先生は作中、はぐちゃんの創作人生の破壊と再構築を丁寧に描いています。ルックバックとは表現が違いますが、どちらも作者が創作と真正面から向き合ってるからこそ絞り出たストーリーだと思われます。

「ルックバック」には、「これが創作だ! 俺は、創作をするんだ!」という作者さんのぐわぁぁぁ! という烈火が見えます。「ハチクロ」のはぐちゃんのエピソードからは、羽海野先生の「創作は、創作者の幸せの上に成り立ってほしい」という願いのような祈りのようなものが感じられます。どちらにしても、作者が「創作」と向き合っているからこそ生まれでたストーリーです。それこそ煮詰めて煮詰めて煮詰めた塩水から、たった1粒だけ生まれた塩の結晶のような。

思い起こすと私が創作に心血をそそいだ時期は、独身の頃のほんの数年間だけです。寝ても覚めても仕事もサボって言葉を綴っていました。それから人生は進み、いまだに世界の片隅で創作を続けてはいますが、今はどうしても家のことが優先されてしまいます。そんな私でも、

「どんな形であっても創作を続けたい。たとえどんなに苦しくても」

藤野ちゃんの背中を見ながら、そう強く誓いました。

「ルックバック」は、まるで起爆剤のような映画でした。


フロンティアワークス様のCRPGの「ヒロイックソングス!」シリーズにて、関わらせて頂いたパブリックシナリオが先日公開されました。

https://s-avatar.jp/scenario/reaction/STR0003393

マスターページでもお伝えしましたが、こちらのリアクション制作作業はしばらくお休みさせて頂くことになりそうです。中途半端な時期で心苦しいのですが、なにとぞおゆるしください。


キングダムハーツのシリーズに、シオンちゃんというキャラがいるのですが、彼女は最終的に、大切な人(ロクサス)に自分自身をやっつけてもらいます。実は、かつて自分自身をやっつけてもらうために戦った某NPCちゃんを書くたびにこの曲を聞いています。(他のキャラにもテーマ曲がいっぱいあったりします。私ってば、どれだけキャラが好きなのでしょう…)
今回はその曲のプレイリストを貼っておきます。特にXionは本当によく聞きました。今でもこれを聞くと、最後の戦いが思い浮かびます。

(了)