2024/07/03(水)
6月下旬。ずっと見続けていた「ブラックリスト」という海外ドラマの最終シーズンがネットフリックスで公開されました。長く続くにつれ、スタッフが変わったり演者さんが抜けたり、色々ありました。最終回も割と賛否両論のようです。私的には、ブラックリスト独特の美学が表現されてるようで割と気に入ってます。(長~くなっちゃうので、これ以上の感想は割愛です!)
「ブラックリスト」は、レイモンド・レディントンというオジサマが主役なのですが、このオジサマにはとんでもない正体があります。
実はこのドラマの主役であるレディントン役のジェームズ・スペイダー氏は、最初からレディントンの正体を聞いていたそうです。これについては相当なネタバレになるのでここには書きませんが、「やっぱり」と思うところは最初からありました。それは、設定(交友関係とか趣味とか)やセリフの端々にも都度都度にじみ出てました。
それだけでなく、演じる方が真実を知ってたからこそ振る舞いや雰囲気からもそれが醸し出され、とんでもない真実を内包したレイモンド・レディントンという人物像が出来上がったように思ってます。
同じように「役の正体を自分だけは最初から知っていた」といえば、ハリー・ポッターシリーズのセブルス・スネイプ先生役、アラン・リックマン氏でしょう。原作者さんから本当の正体を聞かされていたというのは有名な話ですよね。
私が一番印象的だったのは(じゃっかんネタバレになりますが)映画版の「ハリーポッターとアズカバンの囚人」。狼男になっちゃったルーピン先生が暴れてるとき、ハリー達を守るように前に立ったスネイプ先生が、子ども達を守るように腕を広げてました……あの雰囲気は、「教師だから」といえばそうですがもっと深い愛を感じたのです。あれって役者さんが“本当の正体”を知ってるからこそなんじゃないかなあって、しみじみ思いました。
スネイプ先生ってただの悪役教師じゃないのかも? と思わせる良い伏線になってますよね。(いまちょっと調べたらこのシーンは映画オリジナルらしいです。確かに、原作にはなかったように思うのです)
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私は演者ではないのですが、そういえば「書き手」にとっても行動原理ってとても大事ですよね。慣れ親しんだうちの子(自キャラ)ならまだしも、お預かりするキャラや、お客様のキャラとなると、おいそれと好きには動かせません。いつもそのキャラの「行動原理」に思いを馳せつつ、書き進めております。
フロンティアワークス様のCRPGの「ヒロイックソングス!」シリーズにて関わらせて頂いたパブリックシナリオが公開されました。
https://s-avatar.jp/scenario/guide/STR0003328
今回はシリーズも最終回ということで、関連NPCだけでなく、それに関わってくださったPCの皆様にとっても最終回となるよう、1キャラ1キャラ、いわゆるマスタリングというPBWならではのゲーム的な処理とはまた別のところで、様々な考えをめぐらせながら制作させて頂きました。
今回は趣向を変えて、お話した2作品2シーンの関連曲のプレイリストを貼ります。
(1)ブラックリスト8:エリザベスの死の直前の走馬灯(最後の夢)でレディントンの正体に気づくシーンで流れていた曲。このシーンは本当に素晴らしいのだけど、この曲と曲名がそれを完璧にしてる。
(2)ブラックリスト10:最終話最終シーンで流れていた曲。最後のほうのエピソードが闘牛士だったからかジプシー・キングス。ロックやオーケストラより彼に似合ってるように思う。ここでこっそり書いておくと、レッドはやっぱり“彼“で、正体は過去の姿でしかないなって勝手に思ってる。エリザベスのような走馬灯を描写せず、すべての想いはレディントンが胸のうちに秘めて逝ったというところに、かっこよさと制作側の強い意図を感じた。
(3)ハリーポッターと死の秘宝2:ハリーの母(リリー)のテーマ。映画の冒頭に流れるのでとても印象的。
(4)ハリーポッターと死の秘宝2:スネイプ先生から託された「思い出」をハリーが“憂いの篩”で目の当たりにするシーンで流れる曲。原作は映画よりずっと1キャラ1キャラの描き方が丁寧で、ペチュニアおばさんやスネイプ先生やハリーパパ達についもかなり深く描かれてる。そんな原作で何ページにもわたって描かれたスネイプ先生の内面を、この1曲のあいまにどわーって再現したのでかなり忙しいけど、それなりに感動。映像ってやっぱパワーがある。