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UberEatsで1日2万稼いだ日の走行ルート解説

講談社よりご依頼いただいて上記の記事を執筆し現代ビジネスで掲載いただいたのですが、その中で1日2万円稼ぐ日の走行ルートの項がでてきます。しかし、記事の文字数の都合でカットになってしまった部分があるので、補足として今回noteの方でも解説していきたいと思います。

UberEatsで1日に2万円稼げるって本当?

率直に言えば「そういう日もある」というのが答えになります。歩合制なのでやはりそういった日は限られます。ただ、誰でもエントリー可能で、1日に2万円稼げる可能性があるという仕事はなかなかないのではないでしょうか?今回はUberEatsで2万円稼げる日について少し解説したいと思います。

稼ぐことを一番の目標にしてはいけない

「稼ぐ」と掲げておいて難ではあると思いますが、UberEatsはあくまで配達業務をすることが目的です。事故を起こさず、他者にも迷惑をかけずに自分にも怪我や損失がなく、正確でスムーズな配達をするというのが基本であると思います。「金儲け」の意識があるとどうしても自己中心的な運転やふるまいになりがちです。受け取りにいく店舗、道中の車や歩行者、配達先の建物の管理者やお客さまへの配慮を常に怠ってはいけません。安全のためや、配慮のために時間を割いたため、目標金額に届かなかったりクエストを取り逃がすこともしばしばあるのです。その覚悟をしておくことが大事になります。

いつも2万円稼げるわけではない

配達リクエストが少ない日はどれだけ長い時間オンラインしても、2万円まで到達することはまずありません。そして運転可能な時間は、安全上の理由から12時間というタイムリミットが設けられているため、クエスト・ブーストなどのインセンティブを活用しない場合厳しいことが多いと言えます。

朝から晩まで走り続ける覚悟が必要

これは私が実際にUberEats2万円稼いだ日の例で6/29土曜日の自転車での配達記録になります。配達ルートのコースを時間帯別で色分けし地図の上からなぞっている図です。朝10時から2時間ほどの休憩を挟んで深夜24時手前まで14時間ほどかけて、34件配達で達成しています。走行距離は合わせてちょうど約100kmほどになりました。だいたいこれぐらいの距離が2万円の目安になると思います。

インセンティブを活用しないとかなり厳しい

この日は前日の天気予報で1日中雨の予報であり、当日の早朝にクエストが予告されました。早い時間帯に4件のブーストエリアでの配達と、ランチタイム10:30〜15:00の間に12件、ディナータイム17:30〜22:00の間に12件の両方のクエストをとって3600円のインセンティブがついてやっと達成しています。これがなければ1万7千円ほどなのです。

10:00〜10:30 クエスト前2件

水色のルートがクエスト前に走った2件になります。クエストで件数を稼ぐならクエスト手前はクエスト開始時刻直後にピックアップを受けられるようにしておく必要があり、10:15以降は一旦リクエストを受け取らない設定にしておくべきです。

10:09の配達ですが、実際に店舗にピックアップしたのは10:19頃でした。このピックアップ前にリクエストを停止しています。地味ですが1.1倍のブーストがついています。クエスト中はあまりブーストが敷かれない傾向にあるのでクエスト手前のブースト狙いも案外よいと思います。

このクエスト手前の時間帯で稼ぎすぎると売上調整が働くのか、クエスト中にもかかわらず、注文が来ないためクエストを落としてしまうことがあります。できれば2件程度にするのがいいでしょう。

10:30〜12:00 昼クエスト前半

オレンジのルートがこの時間帯にあたります。90分間に6件の高密度になっていますが、距離が全体と比べて短いことがわかります。高田馬場をまたいで郊外へ流れるように動いています。配達員の密度の薄い地域へ誘導されているのがわかります。

8の配達は交差点をまたいで向かい側という近さだったため数百メートルしか運んでいません。この距離なら自分で買いに行った方が早い気がしますがこういった距離の注文は案外多いのが不思議なところです。

マクドナルドが多い印象ですが、マクドナルドは配達距離が短い傾向にあります。店舗での待ち時間も少なく、運びやすいオーダーが多いのでクエストでは非常にありがたいですね。

12:00〜15:00 昼クエスト後半

イエローと黄緑のルートがこれに該当します。12:00過ぎから傾向が変わりピックアップ距離も配達距離も長くなっています。多くの配達員が活動しはいめたことや、注文が12:00を境に一段落を迎えたということがこのような変化を生んでいると考えられます。大きく郊外に走らされるカタチになり。桜上水まで走っています。

ペースとしては早めでしたが、13:00頃に桜上水でリクエストが止まってしまいます。雨もあがってしまっていたので、配達がくる見当もつかずという感じでした。しかたがないので都心、新宿方面へ走っています。こういう時はあえて休憩をとるなどしてもいいと思います。

14:00手前から初台でリクエストがとれはじめます。クエストを諦めた配達員とゆっくりと遅めのランチを頼むお客さんの注文が重なるカタチでそのまま15時までに6件と高密度でとれています。

14は神宮球場の敷地内を抜けてショートカットしています。クエスト終盤はルート選びも重要になってくるところです。これでクエストクリアだったのですが、まだしばらくリクエストがつながっていたので続行しています。

配達距離がいずれも長いので、注文数はそれほど多くなかったという見解です。14〜17の配達は往復で同じ場所に戻ってくるような配達になっています。こういったケースは案外多いものでその場で固定したいというAIの意志を感じ取ることができます。

このあたりは坂が多いためかなり脚に負担がかかっています。地形を熟知していないと無駄に登ったり降りたりのルートを走る羽目になってしまいます。こういった疲労の蓄積が翌日に響いてくるので注意が必要となります。

15:30〜17:30 休憩

この時間帯で休憩にはいっています。時間帯的にランチ営業が終わっているのでチェーン店か弁当屋という選択肢になってしまいます。この日は松屋で昼食をとりました。そしてその後カフェで待機し身体を休めています。17時からのクエストに備えるためです。

17:30〜20:30 夜クエスト前半

クエスト最初のリクエストは驚いたことに17:13受付のリクエストでした。配達員が全くいなかったのでしょう。前まではUberシステムでの受付時刻がクエスト時間の単位になっていたためこういったリクエストが来た場合クエストとしてノーカウントだったのですが、仕様が変更されてしっかりカウントされるようになったようです。

配達距離は長めですが、ピックアップ距離はかなり短くかなりおいしい展開になっています。21の配達ですが、時間帯的にも交通量が多い為走りにくい大通りを避けるルートをとって大回りしています。品川駅付近の交通は東西に抜けにくい構造になっているのでいつも悩まされるところです。

24の大勝軒では店主がひとりでオーダーをさばいていましたが、ひっきりなしに注文が入っていました。「まったく、シンドイからそろそろやめさせてくれよ〜」と笑顔で料理を作り続けていたのが印象的でした。

流れに乗って五反田から郊外方向の碑文谷付近まで走り抜けたところでリクエストがピタリと止まりました。雨もあがっていたのでここで諦めムードで目黒方面に向かっています。

20:30〜22:00 夜クエスト後半

大鳥神社の交差点で池尻大橋方面に進んだところでリクエストが出始めました。ちょうど雨も少しずつ降り出してきたところです。

28の受付時間が27よりも早い時間になっていることに気が付きます。配達員が付近におらず待たされたのか、もしくはお客さんが時間指定予約をしていたかです。雨の日の配達はこういったパターンが多く、リクエストを受け取った時すでに40分以上も前のものというケースがあります。こういうところでなぜか配達員側にBAD評価がつくことが多いので、ゴールドパートナーを狙うなら雨の日の配達は避けましょう。

29でギリギリクエストクリアになっています。半ばAIがクエストクリアのためにリクエストを集中的にまわしてくれた感じがあります。こういった調整に動くこともあるので最後まで諦めないことです。

22:00〜 クエスト後

夜クエストをクリアしてからもリクエストがあったので続けました。31で一度止まりますが、初台方面へ向かうとまたリクエストが新宿方面でとれ始めます。

しかし雨天で一日中運転してきた疲労が溜まっているはずです。無理はしないと心に決めて走ります。このあたりでは極端に遠いピックアップは避けます。

新宿駅を東西方向にピックアップや配達で往復していますが、この新宿駅の東西方向の移動はとても悩まされるところです。歩行者も多ければ、信号も多く動きづらいうえに、ガードを抜ける場所が限られるのです。

最後は歌舞伎町の中の中華屋でピックアップしていますが、歩行者が多く時間がかかりがちですのでできれば渋谷センター街とともにあまり行きたくない場所になります。

以上が2万円のルートになります。けっして2万稼ぐ意気込みでやったというよりはやれるだけやろうの精神でやった結果この金額になるという感じです。

基本的に雨天日などが稼ぎやすい

クエストがつくのは配達員が少ないと予想される日、雨天日が中心になります。まれにクーポンやプロモーションの期限などで配達が極端に増えている時にもつけられることがありますがこれは予測で狙いにくいです。

この日の雨の予報は少し外全般的にパラパラとした小雨であったため配達はしやすかったものの。1日を通して20℃前後と過ごしやすい気温で配達員が多くリクエストが分散してとりにくい日でもありました。稼げることが予想できる日は、他の配達員も狙ってるということなのであてが外れる危険性ももちろんあるのです。

休憩のタイミングが難しい

12件目と26件目、32件目の手前はかなり時間があいています。こういった場合は休憩するかもしくは場所を移すかを選択することになると思います。

1日中走る場合、休憩のタイミングがものをいうことがあります。基本的には15:30〜17:30が狙い目ですが、雨が降っているなどの状況によってこの時間も稼げることがります。

またクエスト中にぴったとリクエストがやんでしまった場合、体力温存のためあえて休憩に入ることがあります。

距離の短い配達を短い間隔で受け取るのが効率が良い

全般的に2km程度の長めの配達が多くなっており1件にかける時間は長めになっています。10:30〜12:00のランチタイムは配達距離が短かめで、件数も90分間で6件と最も多くなっています。このような状態が一番稼げると言えます。これはピックアップ料(300円)や受け渡し料(170円)の存在があり、これらは距離に関係せず定額で、距離料金(150円/km)と比較すると3km走った分以上の額という高めの設定であるからです。

また、配達距離が長い場合、金額も大きいですが配達にかかる時間も多くかかり、疲労もたまってしまいます。そして、信号待ちなどのタイムロスも距離が長いほど発生しやすくなります。

配達エリアという概念がない

この日は文京区本郷からはじまり、山ノ手線内を飛び出して、西は桜上水、南は碑文谷までとかなり広範囲を走って新宿で終点というコースになりました。

よく「配達エリアはどこか」「配達地域を指定できないのか」と聞かれることがありますが、基本配達先の地域で次のピックアップ先が提示され配達可否を決めることになるので配達エリアという概念はないということになります。

配達先も、店舗で商品を受け取り出発ボタンを押すまでどこへ行くのかわからないようになっているため、このように大きく移動していくこともあるのです。

ここが他のデリバリーサービスと違うところであり、配達完了のたびに一度自店に戻る手間がなく、常に配達が集中する地域に流動的に配達員が流れていくという効率化が図られているのが大きな特徴と言えます。

地図からは読み取れない障害に注意

地図からは坂であるとか、高低差が確認できません。また交差点も行きたい方向に曲がれないものや、道路や線路で横断できないもの、自転車通行禁止の陸橋、商店街などの人混みでスピードが出せないもの、タワーマンションや高層オフィスなどの管理上の理由で配達手続きで時間がかかるもの、さまざまな見えない障害が配達のタイムロスに繋がります。こういったことが予想される地域では、特に時間を縛られるクエスト中はなかなかシビアな配達になります。

3ヶ月程度で状況は変化する

2018年の12月から7ヶ月配達を続けてきましたが、その中でも状況は変化してきました。配達可能な店舗は常に増加しており、他にも配達エリアが増加したり、現金払いが可能になったり、配達時間帯が拡大したりとさまざまな変化がありました。アプリの仕様やシステムも刻々と変化しているため、今後も大きく変化していくことが予想されます。

2017年、2018年あたりの配達員のブログや記事を確認すると、1日に3万、4万稼げると題されているものが散見されます。しかし、現在はインセンティブの設定が下がってきているため、このような売上を出すことは非常に難しいといえます。

以上が配達ルートの解説でした。今後もいろいろと解説していけたらと思います。

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