あさぼらけ 全曲解説#1 「未来少女」
はじめに
初めまして。藍と申します。あさぼらけという4ピースロックバンドで、作詞作曲とギターボーカルをしております。
あさぼらけは、去る2024年の4月1日に1st Single「未来少女/たしか」をリリースいたしました。月日が経つのはあっという間で、現体制での活動がスタートしてからまもなく1年を迎えようとしています(あさぼらけは元々3ピースバンドだったのです!)。わたしが島根県にある離島・隠岐で暮らしていた期間などの小休止を挟みながらも、おかげさまで今年度は2作品3曲を世の中にぶっ放すことができました。
そんな2024年ももうすぐおしまいということで、これまで配信された3曲について、作曲者の視点からつらつらと解説を書いていこうと思います。まず1曲目は、「未来少女」から。耳の穴をかっぽじってお読みいただければ幸いです。
楽曲「未来少女」ができるまで
この曲は元々2023年の3ピース活動時代に、わたしが4ピース化の構想を練るなかで作成したものです。参考にした楽曲は多くありますが、当時イツエの「時のゆらめき」という曲をドン引きするほど鬼リピしており、これが全体の元ネタになっています(似てるかと言われれば微妙ですが、聴いてみると言わんとしていることがわかるかもしれません)。
当初、この「未来少女」には「特急列車は君の街へ」とかいうなんとも爽やかなタイトルがついており、イントロのオクターブフレーズやコード進行はすでに完成していたものの、歌メロは現在と全く違ったものでした。
ベースの中村にガイドボーカルを入れた状態でdemoを送りましたが、「歌がないとよくわからんわい」と一蹴され(中村はわたしがボカロで歌を入れても「ぬるい」などと文句をつけてくるので、demo作成時は毎回スタジオでしっかり歌入れをする羽目になっています。お金出せ)、さてどうしたものかと思案していた2023年秋口。
京王線の橋本駅という栄えてるのか栄えてないのかよくわからない駅の構内を歩いているときにふと、一羽の鳩がまさに息絶えんと動かなくなっているのを目にしました。周りには丁重に三角コーンが置かれ、通り過ぎる人も神妙な面持ちで鳩を見つめていますが、どうやら水すらも飲もうとする気配がないようです。動くこともできず後は死を待つばかりといった、「火垂るの墓」の冒頭シーンを思い起こさせるような風景がそこにありました。
そこからAメロの歌詞の着想を受け、トントン拍子で楽曲が現在の形に近づいていきました。サビのメロディは風呂に入っているときに空から降ってきたものを採用。タイトルが「FUTURE GIRL」となり、さらに現在の「未来少女」へ変わりました。
解説
自分のお気に入りポイントはBメロです。もともとはここにも歌が入っていましたが、全て抹消して代わりに中村のシャウトを入れました(タイトルの「未来少女」はここ由来です)。これは後から振り返ってもかなり良い決断だったなと思います。彼いい声してますよね。
サビは尾形がコーラスをしています(より正確に言えば、させられています)。RECをした当時は彼女にコーラスの経験がほぼなかったこともありかなり苦戦していたのですが、今や歌声のクオリティをメキ× n と上げており、その成長スピードにメンバー全員で驚愕してます。
ギターソロは全て髙林(通称:ばや)に任せました。なんかいい感じのソロつけてよ〜〜とかなり雑な投げ方をしたのですが、この曲の根幹であるオクターブ奏法を上手く混ぜつつも、全体として洗練されたフレーズに仕上がっていて相当感動したのを覚えています。ギターソロから最後サビに返ってくるところのドラムがいいですよね。
ちなみに、イントロに入っている効果音は電車の汽笛をイメージしたもので、たぶん16フレットあたりをチョーキングしているような気がします。あさぼらけメンバーの間では"キョエー"と呼ばれています。キョエーはもともとばやが弾いていましたが、最近のライブではわたしが弾いています。
現体制のあさぼらけになってから初めて完成した曲でもあり、とても思い出深い作品です。バンドを象徴する代表曲のように言われることもかなり多く、ありがたい限りです。これからもたくさん聴いていただければ嬉しいです。
次は、1st Singleのもう一方の曲、「たしか」です。