アニメが放送される際の局ごとの画質を調べてみる
実は局によって画質ってまちまちでして
局によって画質が変わってくる要因はいろいろあります。
私は関東の民ではないのであまり詳しいことは言えませんが、TOKYO MX(東京メトロポリタンテレビジョン)ではサブチャンネル(TOKYO MX2)の常時放送によってメインチャンネル(TOKYO MX1)のビットレートが下がった、といった現象があったそうです。また技術的な話になってきますが、BS/CSでは衛星内のトランスポンダの中で各局に割り当てられたスロットの数によって放送時の画質が左右されます。
録画データ解析
テレビ愛知・BS11・AT-Xの録画データを解析してみました。
使用ソフト:TVTest 0.10.0(32bit)、Mediainfo 24.05.1
テレビ愛知1(UHF物理チャンネル23ch)
ごく一般的な地上デジタル放送といった感じ。
録画時間:30分06秒(3.41GB)
映像サイズ:1440×1080(HD)
フレームレート:29.970fps
ビットレート:映像 16.2Mbps(最大20Mbps)
音声 192kbps(AAC-LC 48kHz 8bit 2ch)
BS11イレブン(BS右旋・18スロット)
無料BSで唯一フルハイビジョン放送してるだけのことはある
録画時間:30分06秒(3.96GB)
映像サイズ:1920×1080(FHD)
フレームレート:29.970fps
ビットレート:映像 19.0Mbps(最大24.0Mbps)
音声 256kbps(AAC-LC 48kHz 8bit 2ch)
AT-X(110°CS・12スロット)
割と頑張ってるし最速多いし再放送も充実してるから入っといて損はない(ダイマ)
録画時間:30分06秒(1.89GB)
映像サイズ:1440×1080(HD)
フレームレート:29.970ps
ビットレート:映像 9.006Mbps(最大8.938Mbps)
音声 256kbps(AAC-LC 48kHz 8bit 2ch)
総括
数値だけじゃ何だこりゃってなるので300%に拡大して並べてみました。
左からテレビ愛知、BS11、AT-Xです。
※画像をタップまたはクリックしてご覧ください
よく見てもらうと、丸くなってる部分の端の方などがBS11(真ん中)に比べてテレビ愛知(左)とAT-X(右)の方がジグザグが大きくなっています(HDソースの映像をFHDサイズに引き伸ばしている影響)。
また、AT-X(右)はテレビ愛知(左)とBS11(真ん中)に比べると画質の低さが垣間見えます。
蛇足
衛星放送にはトランスポンダという大まかな枠がある中で各局にスロットが割り当てられており、放送局はその限りあるスロットの中(帯域)に収まるサイズのデータを送信して放送しています。
旧来 衛星放送ではトラポンの中で16スロット以上を持つチャンネルがハイビジョン放送できるという仕組みでしたが、技術の進歩によって必要なスロット数が少なくなり 2018年に総務省がこの制限を12スロットに下げたためAT-XもHDで放送できるようになりました。
しかしながら12スロットというのは制限の丁度境目、(1スロットで送信できるデータ容量は1.06Mbpsなので)どう頑張っても送信できる総量は12.72Mbpsまで。ついでに音声・字幕もろもろのデータもくっついてくるわけでございまして、それゆえに先述のように映像ビットレートが9Mbpsとかいう残念なことになっているわけです。
まぁ、別にどこで見るのも自由ですから見たいとこor見れるとこで見ればいいと思います。
参考
膨大な映像データをギュッと圧縮する技術「MPEG」Q & A(トランジスタ技術)
https://toragi.cqpub.co.jp/Portals/0/backnumber/2011/07/p086.pdf
デジタルテレビ受信機の開発(JEITA 電子情報技術産業協会)https://home.jeita.or.jp/is/jeitakouza/kyouzai/toudai/01t.pdf
運行技術部 発 ちょっとだけ技術なコラム 「BS 4K/8Kの話(2)」(株式会社日テレ・テクニカル・リソーシズ)
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