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声の温度

受験のころ。ラジオが相棒だった。

トーク番組に笑ったり。音楽番組で新しい曲に出会ったり。芸能人のコラボにわくわくしたり。家人も寝静まった深夜。静寂を紛らわしてくれた存在だった。今にして思えば勉強の妨げではあったかも。

今ではラジオはスマホを通じてテレワークの相棒になった。さすがにトーク番組は仕事効率下げるので、音楽専門チャンネルに。

SNSのトーク機能はまだまだ初心者。話すことはおろか、部屋に入るのもおぼつかない。他人の家とまでは言わないまでも、住宅街の常連が集まる小料理屋程度には入りづらさを感じてしまう。

でも入ってみれば、常連同士の賑やかで楽しい会話に、居心地の良さを感じるのも同じ。その会話へ入っていけるわけではないけど、聞いてるだけであったかくなってくる。

人の会話。何気ないはなし。
勉強していたあの頃も、真っ暗な部屋でスマホに向けて何かを書く今も。それらが持っている体温を求めているのかもしれない。

こころの温度をほんのりと温めてもらい、明日のチカラをもらう。声や会話の持つ体温を、貴重なものと感じさせてくれたことのみ、コロナ禍のこの社会には感謝していいかもしれない。

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