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29歳の主婦が「手紙展」を開くまで

11月22,23日の2日間に渡り、透明書店奥のギャラリースペースで「手紙展」を開催した。
この記事では、展示までの時系列やかかった費用、展示を考え始めた頃の私が知りたかったことを書いてみる。

とはいえ、半分くらいは展示の余談かも。

昨年11月に考え始めて、12月に個展経験のある友人に相談。ギャラリーを見学したり、図面に合わせて配置を仮定したり、徐々に動き出した。
今年の3月にはグループ写真展にもお誘いをいただいて参加してみた。
濃い1年だった。

【初めての試み】
かかった費用から有料記事にしてみました!
値段は手紙展で設置していたガチャガチャ1回分です🤖
全部読んでなくてもスキ大歓迎です。リアクション嬉しいです。

Photo by Hiroshi Sasaki

はじめに

・私について

  • 1995年生まれの29歳

  • 本と手紙と写真が好き

  • よく飲みよく食べる、10月はわんこそばを108杯食べた

  • 仕事は何もしていない、既婚ではあるが専業主婦と言えるほど家のことをやっていない

  • 交友関係はきっと広い方

Photo by Hiroshi Sasaki

・手紙という趣味

  • 手紙を書き始めて24年

  • 物心ついた頃から手紙を書いていた

  • 母が手紙好きな影響で、私も自然と手紙好きになった

  • 月5-10通ほど書いている(これまでに1,000通くらい書いたみたい。数にびっくりするけど中学生から月5通で計算したら1,000通を超えた🤔)

・手紙展に至る経緯

2023年春、友人が個展<プリクラ展>をやっていた
→「趣味で個展ができる」と発見

2023年夏、結婚式までの準備がとても楽しかった
→結婚式は楽しかったけどブライダルの業界で働きたい訳ではない
→きっと私は場を作ることが好き
→次の目標が欲しい

2023年秋、私も個展やってみよう!
→翌月プリクラ展を開催した友人に相談
→翌年春にギャラリーを押さえて準備開始

メッセージ性や「作品を通して〜を伝えたい」など、哲学は持たないまま、「手紙展を作りたい」という気持ちだけで手紙展の準備が始まった。

・手紙展の基本方針

  • 予算設定なし(個展経験者の記事を読んで、借金はしないと思ったので好きにやってみることにした)

  • 目的は展示をすること、私がその過程を楽しむこと

  • ターゲットやペルソナなし(ある方が展示を考えやすく、迷った時に役立つので、どんな人に届けたいかは仮でも作る方が良いと思った)

  • 気になった情報はとりあえずスプレッドシートに記載

  • どんどん人に頼る(人を巻き込むと楽しい)

時系列

手紙展と写真展が同時期にあったため、準備も並行していた。

・昨年11月 手紙展を考え始めた

手紙展について考え始めたのは昨年のちょうどいまごろ。11月は個展の開催について記事を探したり、有料noteをいくつか購入して読むなど情報収集を始めていた。

手紙展は当初7月23日(文月のふみの日)も有力候補だった。
借金完済が夏ごろになりそうだったので、資金的にゆとりが出来ているであろうという点と、23日が週末になることから11月23日(いいふみの日)にした。

昨年11月の写真。entakuのいい人すぎるよ美術館にて。
1年後にこの喜びを噛み締めるとは思わなかった。

・3月 写真展の参加を決めた

写真展は全く想定していなかったので、お誘いを受けた時は驚いた。
何も知らない私は学ぶことが多く、個展をする前にグループ展に参加させてもらえてラッキーだった。

これまでグループ展に参加しようと考えたことがなかったのだけど、たまに流れてくる広告を読んでみると、データの入稿だけしたら展示してくれるなどほぼお任せで完成する展示もあるらしい。

展示に付随する様々なことを体験させていただいて、初めてのグループ展が10p10fp展2024で良かったと改めて思った。

模型を作ろうと思ったのは写真展がきっかけ

・6月 デザインの打ち合わせ

以前書いた「借金完済とセルフサプライズ」は、打ち合わせが目的のランチだった。

・9月 仕事を辞めた

仕事は昨年末から今年の5月にかけて退職ラッシュがあり、徐々に忙しくなっていった。私も9月に退職した。
辞めたのは展示とは全く別の理由で、できれば辞めたくないと思うくらい大好きな職場だったけど、辞めておいて良かった。

・9,10,11月 地方に出かけた

準備が本格化する頃、何度か地方に出かけた。9月はデザインの打ち合わせ(私はほぼ遊び)で大阪、10月は夫の出張に便乗して金沢と盛岡、11月はfp hour @大阪に行く目的でまた大阪。それぞれ2-5泊くらい。
日帰りで鎌倉に行ったりもした。カフェでずっと手紙展の準備をしていた。

金沢や盛岡、鎌倉で知り合った方が来てくれたのには驚いた。
そもそも東京在住だったり、上京を控えている方ではあったけど、1度だけお会いした仲の方がまさか展示に来てくださるとは思わなかったのでとても嬉しかった。
感想ノートには「盛岡以来です」「先月金沢で会いました」などの言葉が並んだ。

Photo by Hiroshi Sasaki

展示した作品

直近の記事に書いた通りなので割愛。

模擬設営

・模型で全体のバランスを確認

■模型その1
当初はギャラリーの中心を「手紙を書くコーナー」とし、正面奥のハイテーブルに「色々な形の手紙」を配置する想定だった。

展示の1週間前に透明書店に行った際に、改めて什器を見て配置をイメージところ、手紙を鑑賞するには高すぎるように感じて考え直した。

手前のハイテーブルの上にある寄せ書きのようなものが、その頃想定していた「手紙のエピソード」の展示。当時届いているエピソードは4件だった。

■模型その2
みんなにギャラリーの小ささを伝えたかったので、什器を無くした模型をSNSで公開した。

■模型その3
最終的な形。

・模型の寸法計算

スプレッドシートのB列に実際の大きさを入力すると、C列に1/30サイズが反映されるようにした。

・模型パーツの出力

  1. Canvaでハガキサイズのシートを作成

  2. 展示物の画像を、スプレッドシートC列を参考に配置

  3. ハガキサイズでプリントして、切って貼ってパーツ完成

この状態でプリント
手紙のエピソードは、素材を組み合わせて作った

・家の中で実寸で展示

本やハガキサイズの物は、模型で想像しずらかったので、家の中でギャラリーと近い寸法を探してバランスを見た。

■色々な手紙 / 手紙にまつわる本
ギャラリーの中心に設置した什器:170*70
家のローテーブル:100*70
→縦が同じなので、横は什器の半分強の大きさと考えて大体のバランスを確認した。

■手紙のエピソード
ギャラリーの壁が一辺3m強
→家の壁が同じくらいだったので実際に吊るしてみた。

右側の緑のテープ4つはポスターのバランスを見る印。デザイナーさんに相談するときはこの写真があったのでイメージしてもらいやすかった。
緑のテープ近くにあるピンクのテープは、下がハイテーブルの高さ、上が床から145cm(展示物の中心となる高さ)。

持ち物

何か忘れてないか不安だった。
展示するものによるのだろうけど、私が準備した物や、持って行くべきだった物を書いておく。

・展示に必要

  • 作品や展示物、多すぎるのでエリアごとに整理して管理(ステートメント、作品、キャプション、ポスター、本、模型、ガチャガチャ他)

  • 作品を設置するための道具(釘、画鋲、ひっつき虫、トンカチ、紐)

  • 芳名帳とペン

  • 白い厚紙とペン(キャプションの漏れや、テキストでの案内を追加したい場合に手書きした)

着色が多すぎて分かりづらくなったスプレッドシート

・要るかも

  • お礼の手紙(特にお世話になった方へ書いたものの、みんな来てくれたのに半分は渡すの忘れた)

  • パソコン(1日目は使わなかった。2日目に持って来なかったら、直前にエピソードを提供してくださった方がいて展示できていないと判明。スマホで操作して印刷したけど、パソコンがあればよりスムーズだった。)

  • カメラ(スマホでも良い。記録用。私は自分で撮ることを諦めてカメラマンさんにお願いした。)

・設営と撤収に必要

  • メジャー、定規(吊るす時などに何かと便利)

  • 養生テープ、紐(空いた段ボールまとめたりした)

  • はさみ、カッター

  • ゴミ袋

  • 軍手(照明を動かす、荷物を運ぶ)

  • 現状復帰の道具(穴を埋める材料)

設営と撤収の道具は、全てボディバッグに入れて持っておくと便利。

Photo by Hiroshi Sasaki

数字色々

・見学したギャラリーの数

個展を考える以前にnollaへ行った時の写真

2件。
透明書店の他に見学したのはnollaという銀座にあるギャラリー。
何度か行ったことがあったのでイメージしやすかったことに加え、白基調の空間で自然光が沢山入るところが気に入った。

懸念は広すぎること。展示物が多くないので、余白が多すぎてしまいそうな気がした。オートロック式ビルの中にある関係で、人が来た場合に都度連絡をもらい迎えに行くという仕組みも大変かもしれないと思った。

最終的に1番重きを置きたいと思ったのは場所。
土地も内装も立派なのはnollaだけど、ホームタウンのような蔵前で開催する方が楽しめると思った。透明書店だとお店の方が常駐しているので、万が一不審者が現れても自分一人ではないという安心感もあった。

・設営と撤収にかかった時間

■設営
開店前、10:00-12:00の2時間

10:00-10:30 一人で運ぶ作業
ヤマト運輸の営業所留めにしていた荷物を3往復で運んだ。徒歩5分の場所だからすぐ運べると油断していたら、想像以上に大変だし時間がかかった。

10:30-11:00 崩れた作品の修正
1番大きい額縁を開けてみたら、家でセットした手紙が額の中で崩れていた。
ドライバーで解体して貼り直し。カメラマンさんが到着してタイムマネジメントしながら手伝ってくれた。

11:00-12:00 ひたすら貼る置く
2人係で貼ったり、置いたりしてなんとか完成。

■撤収
閉店後、19:00-19:40の40分

19:00-19:10 額縁をしまう
とりあえず大きい額縁を箱に入れて、夫にセブンイレブンに持ち込んでもらったら、大きすぎて受付不可だった。

19:10-19:40 ひたすら梱包
ひたすら箱に物を詰めて、壁に貼ってる物を取ったら穴を埋めて忘れ物がないか確認して退店。

19:40-19:55 営業所に移動
ヤマト運輸の営業所へタクシーで移動(土曜日なので受付している営業所が徒歩圏になかった)。移動中にクロネコメンバーズで送り状作成し、デジタル割で少し安くなった。

Photo by Hiroshi Sasaki

・開催を決めた頃のフォロワー数

私がいかに無名かを伝えるコーナー。
無名でもギャラリーは貸してもらえたし楽しめた。

X(Twitter)
200-300人
現時点で318人。写真展の頃に300人を超えたと思うので、春頃は200-300人くらいだったと思われる。
写真展繋がりで来てくれた方の情報源はおそらくX。

Instagram
400-450人
現時点で460人。急に増えた覚えはないので、Xと同じ理由でこれくらいだったと思われる。
SNS経由で来てくれた方の半分はInstagramだった。

note
140-160人
現時点で168人。こちらも常に微増なのできっとこれくらい。写真展で「note読んでます」と初対面の方から言われたのはびっくり。嬉しかった。

・Facebookの友人
560人くらい
現時点で563人。他のSNS以上に交友関係の動きがない。
Facebookを見て来てくれた方も2名いらした(親世代の男性1名、同世代の男性1名)。

・直接案内をした人数

・ハガキを送った人数
40人
写真展が終わった頃の11月上旬に届くよう30人に送った。その後写真展メンバーも欲しいと言ってくれたので、11月中旬に10人へ追加発送。

近況報告をする感覚で遠方の友人にも「話していた手紙展のハガキできたよー!元気?」など書いて送った。手紙のようにしたかったので、ハガキの表面は展示に関する情報をQRコードのみに留めた。

料金別納郵便を初めて利用した

・SNSでダイレクトメッセージを送った人数
27人
写真展と手紙展が同時期だったので、自分のLitlinkに両方のURLをまとてめて2つの展示の詳細として案内した。

前のめりに「行きたい!」と言っていた方が、いざ詳細を送るとびっくりするほど淡白な返信だったりして(もちろん両方来なかった)、社交辞令を体験。返信が来ないのはあるある。

そんな中なので、応援の言葉や、行きたい気持ちを伝えてくださる方がいると本当に嬉しかった。

・ハガキやダイレクトメッセージを送ったうち、来てくれた人数
12人

・来場者数

・知り合い
37人
1日目13人 / 2日目24人 / 合計37人 / お連れ様を含めると42人)

余談:
・写真展に来てくれた知り合いは22人
・写真展と手紙展の両方来てくれた知り合いは9人

・たまたま来た方
2日間で25人くらい
(1日目10人弱 / 2日目20人弱)

・売上

2,110円
物販はガチャガチャ(100円)のみ。

営利目的ではないので、ガチャガチャに付属していたコイン(無料)を入れてもらおうかとも考えていたのだけど、手が回らない場合のことを考えて100円入れてもらうことにした。こんなにやってもらえると思わなかった。

かかった費用

高い順に13位まで書いてみた。
かかった費用+ひと言で振り返っていく。

諸々含めた総額

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