○○しか愛せない困った嗜好
本田すのうさまの企画、「下書き再生工場」より。
元はコニシ木の子様から発展した没ネタ再生から始まった!
総文字数:多分406
【掌握小説】○○しか愛せない困った嗜好
奏はわたしの股の匂いを愛している。
困ったことに、人目なんて全く気にしない。
「ちょっと、やめてよ奏。みんなが見てるじゃない」
残念なことに、わたしの拒否すらも愛情と妄信している彼は顔をさらに埋めてくる。
匂いを感じ取る為にさらに深く、鼻を擦り付けてから深く息を吸い込む。これはある意味彼の儀式のようなものだ。
そして満足してからうっとりした表情のまま眠る。
可愛い寝顔の奏がやっと寝息を立てたのを確認してからそろりと動く。しかし、音に敏感な彼はまたわたしを追いかけてきた。
簡単にバックを取られたわたしは、抵抗することもできないままうつ伏せになった。
「もう……なんでそんなに」
奏は、わたしの顔を見ても一切興味がない。
わたしの股の匂いを嗅いだ時だけだ。彼が飢えた獣の目に変わるのは。
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