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官能ショートショート『結婚式前夜』(1,174文字)

この身体とも今日で最後か……。
私は愛おしむように朝美の乳房の片方を揉み、もう片方の乳首を口に含んだ。
ゆっくりと味わうように音を立て吸い、転がす。
「ああ、お義父さん……」
その私の頭を朝美が両手で抱く。
「武史が亡くなって二年……夫がいないというのによくこの家に留まって私の世話をしてくれたね……感謝してるよ……」
そうつぶやいては、また吸い付く。
「ああんっ……お義母さんを亡くしたお義父さんをひとりにして、この家を出るなんて私には出来なかったの……」
「ありがとう……でももう明日から私のことは気にかけることはないよ、君はもうこの家に縛られることはない。新しい人と幸せになりなさい」
「ああっ、お義父さん……でも、お義父さんのことは一生忘れません」
もう手を添えなくてもわかる朝美の女の入口に私の先端を押し当てた。
もうなんの抵抗もなく、私の先端は朝美の熱いぬめりの中を押し分け入っていく。
「ああっ……」
朝美が仰け反り、息を吐く。
私のものが根元まで入ると、朝美の中が、私を確かめるかのように、何度も締めつけてくる。
「でも、本当に惜しい身体だよ、朝美……この身体をもう抱けなくなると思うと」
「ああっ、私もです。お義父さんともう会えなくなると思ったら……私……お義父さん! お願い! 最後にたくさん、たくさん朝美を愛してください」
私は朝美を突き上げ始めた。
そうしながら、朝美の乳房の間に顔を埋める。
駄々をこねるように柔らかい肉の間で首を左右に振る。
「ああ、朝美、やっぱり君を失うのは耐えられない。明日の式は取りやめにしよう」
「ああっ! そんなことはできないわ、お義父さん!」
舌を絡ませ、腰を掴み、角度を変えながら打ち込む。
朝美の中すべての感触を、私のものに刻み込みたかったのだ。
「でも今日で、私のことは忘れてください。でないと、相手の方に……」
伴侶が死別したことを知っていても、何度も何度もプロポーズをしてくれた相手だった。
それほどまで自分を愛してくれる。
やはり、そんな人を裏切ることは出来なかったのだろう。
私は朝美の言葉に従うことにした。
「じゃあ、最後に、朝美……いいね?」
「ええ、いらしてください! 朝美の中に……今までで一番たくさん……」
その言葉に射精感がこみ上げる。
腰を打ちつけるたびに、細い身体が弧を描き弓なりに反ってゆく。
そして徐々に私を絞り上げる。
「ああぁ、いくぞっ! 朝美!」
私はいつものためらいもなく、朝美の奥深くへ吐き出した。
その形で二人とも動きを止めた。
動いていたのは朝美の中に深く埋もれた私のものだけだった。
私は快感に固く目をつむり、朝美は全身をガクガクと震わせた。
長い射精が終わり、朝美の乳房の間に顔を落とした。
荒い息が収まりかける私の頭を撫でながら、朝美が囁いた。
「お義父さん……結婚おめでとう」
                    

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