「少しは大人になれ」
最近やたらと聞くこの言葉。
ドラマでもマンガでも聞きます。
でも現実では私の尊敬してやまない噺家さんがこんなことを言っていました。
「大人と子供の境目ってどこだろう?僕はそれが分からなかった。車の免許を取れば大人、お酒が飲めるようになれば大人。そうなんだろうか?違うと思う。」
この言葉から落語を1席始めました。
正直私もわからない。
三月のライオン を読み返していたらこんな言葉が目につきました。
『大人になれば もう泣かなくて済むと思っていた。』
そうだ、私だってそうだ。
でも生きづらくなるばかりで、どうしようもなく虚しい。大人って案外弱いもんだよ。
人間というのはこんなにも弱い。
私は弱い。きっとあの人もあの人も。
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泣くことこそは少なくなった気もするが、心を殺すことも上手くなってしまった。
だから泣くときは本当に苦しくて仕方がないとき。
怒りはまだ外に出やすいけど出来るだけ出さないようにしてるし、申し訳無さそうに謝ることなんてもう簡単です。
でも私は心を殺す事や謝ることを上手にできるような大人にはなりたくなかった。
古本屋でマンガを大人買いするような大人にもなりたくなかった。
できることなら80円の古本を何十分もかけてやっと1冊えらぶそのままの私でいたかった。
とはいっても私の住んでるマンションはちょっとボロく、とくにシャワー周りなんかは住み始めた時からネジが取れていたり、要らない部品が余計についてたり。「お湯が出た!ラッキー」なんて毎日思ってます。
「蛇口ひねったらお湯出る時代に何言ってるねん」と好きな人にはツッコミを入れられましたが。
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そしてさっき話していた子供と大人の境目のことですが、噺家さんは自身のエピソードを混じえて最後にこう言いました。
「何を言うかではない、誰が言うか。同じ言葉を放っても、この人が言うなら納得できるな。そう思わせてくれる人が大人。そして、仕事のために見せかけの喧嘩を出来る人が大人」
仕事のために見せかけの喧嘩 というのは少し分かりませんが、前者はその通りだともおもいます。きっと大人の定義って人によって違いますからなんとも言えないですけれど。