闘鷲降臨~20-21シーズン選手別レビューVol.16 ブラッドリー・ウォルドー #FE名古屋
今となってはあの離脱はどちらにとっても正解だった、と思わなくもないのです。
00 ブラッドリー・ウォルドー~心優しき用心棒
今季、西宮からの移籍で加入したビッグマン。昨季前半、ローソン→オトゥーレへビッグマンが替わったことで、外の攻撃が上手くいくシーンが増えたことを受けて、インサイドポストの起点の重要性を再確認したチームが白羽の矢を立てた、ということのように映りました。
今季はコロナの関連もありコンディション作りには相当苦労したのでしょう。来日直後の彼は見るからに身体が重そうで、コートを広く使うタイプのチーム相手にはかなり苦労するシーンも多くなりました。それでも、例えば越谷のバッツ相手にも簡単に押し込まれず、逆に相手が小さければ楽に押し込んでイージーバスケットを重ねるなど、昨季とは違う点の取り方をFE名古屋にもたらした、という意味で昨季との違いを作ってはくれました。
その一方、看過できなかったのが機動力の不足。そもそもの鈍足に加えて体重オーバー、さらには相棒のフィッツジェラルドもけして機動力があるタイプではなく、今季コートを広く使うチームが増えた煽りをモロに食らいました。苦しい中、澁澤ACが考案したゾーンは一定の効果を発揮し、短時間であれば何とかごまかすことが出来ていたわけですが、根本的な解決には至らず、というところで、本人意思により、合意の上での契約解除となりました。あのまま行っていればどうなっていただろう、というIFを思い浮かべないわけでもないのですが、正直なところ「何かを変えたい」状況であったのも事実。実際のところ、その後のGMやHCが後釜を探すという苦労があったとしても、結果として「渡りに船」のようになってしまったのかもしれません。
あまりパーソナリティに触れる機会はありませんでしたが、いかにも心優しい巨人といった好青年に見えました。事情が解決して、日本のしかも隣のチームに戻ってきても何となく許せてしまうのはそういうところでしょうし、そうできるお互いの境遇には感謝しかありません。機動力がないビッグマンの今後がどうなるかはわかりませんが、またいずれコート上で相見えたいものですね。
Phote by じゅんじゅん