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#FE名古屋 2020-2021シーズン開幕前 川辺HCインタビュー Vol.3
前回のインタビューはこちら。今回が最終回です。
ポジション別シーズンレビュー ビッグマン編
ポジション別の最後はビッグマンです。名古屋D戦ではまだウォルドーが未合流のため、主にフィッツジェラルド(以下、フィッツ)とソウ・シェリフ(以下、シェリフ)がこのポジションでプレーしました。まずはフィッツについてはどういう印象でしょうか。
川辺HC(以下、川)
彼は本当に得点への嗅覚が素晴らしく、得点能力が高い選手です。その上で、バスケットIQが非常に高い選手だということがここのところの練習で分かりました。とにかく吸収が早いしイメージするのも上手。これからどんどんよくなってくれると思います。
見たところ少し重め残りな印象ですが(笑)
川
かなり増えた状態でこちらに来ましたからね、これから絞っていきたいと思います。
そして、名古屋D戦では、フィッツ、ティルマンと並べてシェリフを使う時間帯も多かったように思います。今季はシェリフをどのように使っていきたいですか?
川
僕の中ではやはり4番5番、インサイドの選手としての起用ですね。その中でも昨季からかなり練習していますが3Pも打ってストレッチ4,5番としてもプレーできるようになってほしいです。ただ、彼はピックからのダイブ(※スクリーンをかけた後、リングに向かって勢いよく動いてボールを引き出すプレー)がとても上手な選手なのでそういうところは活かしてあげたいですね。
ティルマンがFW的な選手であることを考えると、足りない高さを補う存在として重要ですよね。
川
そうですね、名古屋D戦でもバーレルやエアーズ相手に苦労はしていましたが、良いとこで繋いでくれるなど、とても頑張ってくれていたと思います。
今季のチームとしての動きの統一もこれからだとは思うのですが、戦術理解に若干の不安を抱えていたシェリフの昨季でした。今季はどうでしょうか?
川
そこは今季は昨季よりも良くなっていてジャワラや太朗(会田太朗)に教えられるくらいになっています。先輩の自覚でしょうか、良い傾向ですね。
ありがとうございます。そしてその会田ですが、名古屋D戦では2戦目に出場時間を得て、頑張っていたように思います。彼についてはいかがでしょうか。
川
名古屋D戦の時は彼には「ファウルになっても良いから相手ビッグマンをペイントに入れさせないこと、そしてピックからダイブの動きをしっかりやること」という指示を出して送り出したのですが、しっかり遂行してくれました。素晴らしかったと思います。
川
練習でも日々成長していますし、将来的にはフィッツとかウォルドーのようなタイプのビッグマンを5分で良いので止めてくれる、そういうビッグマンになってくれれば良いなあと思います。
最後にウォルドーについてお聞きします。まだ合流前(注・9/25に合流)のためイメージしづらい部分はあると思いますが、彼が入ることでチームとして変わってきそうなところはあるでしょうか?
川
昨季から継続してやっているコンティニューピックや今季やりたいオフェンスは手詰まりになった時に不確実な外のシュートで終わりがちなので、そういう流れが続いた時にインサイドでしっかり作れる選手が欲しいんですよね。もちろんピックからのダイブというのもしっかりやって欲しいのですが、それ以上にインサイドの重石として大きな期待をしています。
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— ファイティングイーグルス名古屋 (@FE_758) September 25, 2020
ウォルドー選手合流🌈✨
\#00ブラッドリー・ウォルドー 選手は、
所定の隔離期間を経て本日より
チーム練習に合流しました‼️🔥
来週10/3(土)4(日)の開幕戦での
プレーにご期待下さい🤗🌟#FE名古屋#LovetheGame pic.twitter.com/PSiu8VFIBW
シーズン展望
新シーズンに向けて、各チームも陣容が整ってきました。昨季との違いですとか、リーグとしてのトレンドなど、感じることはありますか?
川
正直なところまだ他のチームのところまで見切れていないのですが、トレンドがある、というよりも外国籍選手が3人まで使えることで、それぞれのチームごとに、ビッグマンを2枚使ったり、5アウトをやってみたりと独自色が出てくるんではないかと思います。
そういった分析をしていく上で澁澤ACの加入が大きいと思いますが、就任後はどのような形でしょうか。
川
毎日一生懸命やってくれてますし、1人で見る目より2人で見る目ということもあって、非常に助かってます。
ちなみに、役割分担としてはどのような形なんでしょうか。
川
彼は基本的にはビデオコーディネーター上がりなので、ビデオを使った分析が非常に得意なんですね。練習でも彼がビデオで分析してくれた内容をもとにどんどん修正を入れていっています。役割分担としては僕が攻撃を、澁澤ACが守備の基本的なとこを形づくった上で、僕が知見を元に方向性の最終決定を下す、という形にしています。
基本的には澁澤ACが守備を見ていらっしゃるということでしょうか。
川
どうも彼は守備を研究することでここまできているみたいで、そこにとてもよいアイディアを持っているんですね。例えば名古屋D戦でも行った2-3ゾーンの形なんかも彼の発案です。ただもちろん彼に任せきりにしてるわけではなくて、僕の意見も交えながらブラッシュアップしています。
プレシーズンゲームを見ていても選手個々人の実力も上がり楽しみが増えたと感じています。川辺HCとしてはどうお考えでしょうか。
川
昨季からそうだと思うんですが、うちのチームはなんだかんだ能力の高い選手は揃っていて、得点を取ることはできます。だから、うちはもっともっと「相手の得点を抑えること」「それを継続すること」をしっかり見据えてプレーしなければいけない。そういう意味で、名古屋D戦の初戦は「トランジションで何点取られてんねん」という感じではありましたが、2戦目は負けたとはいえ初戦の反省、修正はしっかりできていた。これはとても良かったと思います。
ゲームを通して修正しながら、ということですね。シーズンが楽しみになりました。本日はありがとうございました。
川
ありがとうございました。今季も応援よろしくお願いします!
あとがき
3回にわたって川辺HCのインタビューをお届けしました。実際に話してみて個人的には、今季のオフについては、選手もそうですが、選手を取り巻く環境のほうが大きくレベルアップしているのではないか、という感想を持ちました。
巷での順位予想を見ていると、十分に実力があるけれども選手層に問題がある、というのが大方の見方のようですが、その根拠は経験の浅い若手が多いということに他ならないでしょう。
それはBリーグ加入後の新人をチームに留め置けなかった過去が大きく影響しているわけですが、B1ライセンスが確保できていない現状、ある程度野心的な選手が流出することは避けられません。
そういう意味で、少なくともB1ライセンスを確保するまでの間、このチームがやるべきこと。それは、若手がしっかりとしたバスケ選手としての実力をつけられる環境、そして、選手が出ていったとしても、そういう成長したい別の選手がこのチームを選んでくれる、そういうサイクルを作っていくことではないでしょうか。
そうすることでその中から、「チームにずっといたい、一緒に昇格したい」というロイヤリティをもつ選手が現れてくれるでしょう。
昨季から川辺HCが就任し、今季は澁澤ACが加入し、そこに元々チームが持っている素晴らしい設備があり、と、このチームはそういうサイクルを回せる体制が整いつつあるのは間違いありません。今季も選手と、そしてチームの成長に期待しながら、Love the Game.そこにあるバスケを楽しんでいきましょう。
(インタビュー、了)
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